ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

ことば

「この程度の国民に……」

「この程度の国民には、この程度の政治家」――小生は、これは、かつて自民党宮沢内閣で副総理だった故渡辺美智雄氏の発言だと思っていました。実際、30年以上前にこのように言っていたのを聞いたような記憶もあるのですが、Webで調べても引っかからないので(…

杉田水脈氏と「生産性」

「人的資源」とか「人流」とか、人をモノ扱いするような言葉に出くわすと嫌な気分になります。「生産性」という語を人に当てはめ、その有る無しで人を分類するとき、ここにも人をモノ扱いして気に留めない差別性が滲み出ているように思えます。小生個人にと…

「丁寧な説明」考

子どもの頃、岡山県と鳥取県の県境・人形峠がウランの産出地であることを知りました。学習用の地図帳には、人形峠に鉱山記号があり、その下に赤字でウランと入っていたことをおぼえています。しかし、このウランと核、とりわけ原子力発電との関係を、当時は…

自民党話法あれこれ

メディア記者のツッコミ方の問題もあるのですが、最近の国会議員、とりわけ自民党議員の「話法」は、改めて酷いものが多いと思います。誰か、指南している人でもいるのかも知れませんが、虚偽、責任転嫁、黙秘、逆ギレ、恫喝……と、まるでかつて学校で教員か…

「国語力・言葉の脆弱性」について

「『ごんぎつね』の読めない小学生たち、恐喝を認識できない女子生徒……〈いま学校で起こっている〉国語力崩壊の惨状」という記事を読みました。何のこっちゃ?ということもなく、学校にいたことのある人にとっては、ああ…と思い当たるところのある話です。 …

奈倉有里『夕暮れに夜明けの歌を』

活躍中のロシア文学研究者の半生を綴った評判のエッセイを読みました。著者は研究者としては若手から中堅どころととらえるのがよいと思うので、「半生」という語はまだ適切ではないかもしれませんが、本の最後に「かつての自分といまの自分はまったく別人と…

ある講演 桑名・夏

今日は短く。 自民党副総裁・麻生太郎氏が昨日(7月1日)三重県桑名市内で講演したそうです。発言の一部を知っていやーな気分になりました。 「政治に関心持たず生きていける国は良い国です」自民・麻生太郎氏 [参院選2022] [自民]:朝日新聞デジタル 以下は…

『文読む月日』 まとめ読み

一日ひとつずつ読み進めるはずが、怠けてたまってしまったトルストイ『文読む月日 上』の5月下旬部分をまとめ読みしました。来月からは、中巻(第二分冊)です。 この部分に限らず、本書全体に、神への信仰を通じてより良く生きるべきという話が多いのですが…

戦争をしようとする国家は戦争の前に何をするか

ロシアのウクライナ侵攻開始後、ロシアの文化人たちの語りを精力的に翻訳してきた奈倉有里さんのインタヴュー記事が、5月29日付朝日新聞にあります。 ロシアで現在、一般の人々がどういう状況におかれているか、職を失ったり、徴兵の恐怖におびえたり、ウク…

「他人に迷惑をかけない」という「美徳」

毎日新聞に連載されている「私が思う日本」という外国人記者によるリレー・コラムを興味深く読んでいます。今回は朝鮮日報の崔銀京・記者が、日本の美徳とされる「他人に迷惑をかけない(ようにする)」という美徳とその変化について、「好意的」な記事を書…

吉野家の常務取締役解任のこと

牛丼の吉野家が4月18日付けで、「不適切発言」をした常務取締役企画本部長を解任したと発表しました。「発言」が世に知れたのは日曜だったので、わずか2日での即行処分です。声明?で「本日以降、当社と同氏との契約関係は一切ございません」と念を押してい…

是枝監督の祝辞のこと

昨日河瀬直美氏が東大の入学式で話した祝辞のことを書いたのですが、同じく映画監督の是枝裕和氏が4月1日・2日の早稲田大学の入学式で、文化構想学部・文学部の新入生に向けた祝辞が大学のHPに掲載されていて、読んでみたのですが、実にいい話でした。最後の…

河瀬監督の式辞のこと

暑くなってきたので網戸を入れることにしました。例年だと、5月の連休明けくらいにする「年中行事」なのですが、桜がまだ残っている4月にするのは初めてです。「主人」のいなくなった部屋のガラス戸にも一応……と思って、ガタゴトと付けていると、中から「お…

「トンボ」の謝罪で思ったこと

暖かな週末です。入学式まで桜が散らずに何とかもってくれてよかったなと思います。しかし、新学期早々あいにくトラブルに巻き込まれ、穏やかに入学式を迎えられなかった人たちがいることを知りました。東京の多摩地域で中学校の入学式までに制服が届かない…

プチアベ時事川柳

桜が満開になりました。暖かいし、散歩したくなります。今晩の雨で散ってしまうかもしれないので、よく見ておこうと思います。入学式までもってほしいけど…。 以下、最近の新聞から拾ったものです。笑いながら我に返ってしまい、眉をひそめるという感じです…

『文読む月日』7

今日は短く。 トルストイの『文読む月日』の3月27日の欄を見ていて、一昨日の「ヤジ排除訴訟」判決のことを連想しました。改めて、原告の二人と弁護団、関係者、そして、当たり前の判決を出してくれた裁判長に、心から敬意を表します。 3月27日… (四)…人び…

微力ながらプーチンを笑いとばす

今ロシアでは反戦の意思表示をするだけで警察に拘束されるようです。何も書いていない白紙のプラカードを持っているだけで連行された人がいましたが、唖然としました。「モス子@日露間で働くマン」さんが上げている下の動画も一瞬ギャグかと思いました。戦…

『文読む月日』6

アベシンゾー氏のことを書くと(あと橋下氏もそうですが)、罵詈雑言としか思われません(もちろんそれはあるのですが)。しかし、毎日ウクライナの映像を見ていると、この侵攻(戦争)を指示する人間と「同じ未来を見ている」などと発言した人物を、なぜこ…

戦争にNO! НЕТ ВОЙНЕ ! 

ロシアのウクライナ侵攻には、ロシア国内でも反対の声が広がっているようです。しかし、プーチン政権は国内のこうした声を封じ込めようと躍起です。24日、ロシア各地で行われた抗議活動では1,700人以上が拘束されたといいます。 キング牧師の言葉を連想しま…

アントニオ猪木のメッセージ

今日は短く。 「BLOGOS」で1月2日付「PRESIDENT Online」に掲載されたアントニオ猪木さんの記事を読み、いつだったか、テレ朝の番組「あいつ今なにしてる?」に猪木さんが出演していたことを思い出した。 アントニオ猪木、ブラジル時代の友との再会に感動!…

トルストイ『文読む月日』5

毎度引用している、北御門二郎さん訳のレフ・トルストイ『文読む月日』(ちくま文庫)の原題は「КРУГ ЧТЕНИЯ(クルーク・チテーニャ 読み物の輪)」という。最も古い訳本は、ロシア文学者・原久一郎さんによる1934年の『一日一善』で、この題名は、1880年代…

市場はいつか牙をむく

国交省の統計不正に関する識者のコメントを最近の朝日新聞から拾ってみた。 『アベノミクスによろしく』(集英社インターナショナル 2017年)の著者で弁護士の明石順平さん。 統計の基になる「生データ」を消しゴムで消す。まさか国の重要な統計でそんなこと…

「水際対策」――誰の勇み足か?

今日は短く。 新型コロナウイルスの「オミクロン株」感染者のニュースが伝わり、岸田首相は、水際対策強化を打ち出した。南アなど数カ国からの入国制限では手ぬるいと見るや、11月30日以降は「全ての国からの新規入国を原則停止」と表明し、「入国禁止政策の…

「マイクロアグレッション」のこと

「マイクロアグレッション Microaggression」――不勉強にも、初めて知った言葉だが、「あからさまな」差別とまではいかないが、曖昧で無意識かつ見えにくい(認識されずにいる)差別のことを包括する語らしい。 TBSラジオのSessionのパーソナリティーの荻上チ…

立憲代表選と『文読む月日』4

昨日、日本記者クラブで立憲民主党代表選の立候補者討論会が行われた。衆院選の総括、特に比例区で立憲民主党が得票を減らした一番の原因について尋ねられた候補者4人(逢坂氏は別の質問の回答ですでに「日常活動が足らなかった」と述べている)は以下のよう…

「親ガチャ」のこと

きっこさんのブログ記事「親ガチャ、国ガチャ、時代ガチャ」をおもしろく読んだ。 ご多分に漏れず?小生も「親ガチャ」なる語は今年の夏頃はじめて知った。カプセルに入ったおもちゃが出てくるガチャガチャというのがあるのは知っていたが、あれと同じように…

「教え子」の一言

先日親交のある元「教え子」のA君から久しぶりに電話がかかってきた。「お変わりないですか?」と訊かれたので、父親が亡くなったことを話すと、実はA君自身も去年父親を亡くしたのだという。脳梗塞で倒れたと聞いてはいたが、小生などよりたいそう若いのに…

『文読む月日』3

今日は短く。 『次郎物語』の作者下村湖人のことばに 「馬鹿は必ずしも高慢ではない。しかし高慢はすべて馬鹿である」 (『青年の思索のために』) というのがあるらしい。 トルストイ『文読む月日』の11月9日のテーマは、この「高慢」。 (一) 自愛は高慢…

「上から目線」

今日のKey Wordは「上から目線」。 小生は今でもあまり使わない言葉で、初めて耳にしたのは、記憶では、1990年代の早い時期に、学校で生徒と話をしていたとき。当時は「見下す」という意味のオリジナルな言葉かなあ、おもしろいことを言う子だなあと思ったが…

『文読む月日』 2

毎晩トルストイを読むはずが、いかんいかんと思いつつ、ついついため込んでしまい、10月23日からの5日分を昼食後に読んでいたら、現実と交差するような言葉が並んでいた。 十月二十五日 …… (五) ある人を悪人だとか、馬鹿だとか、不正な男だとかいう理由…