ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

ことば

高市の連呼表現について

高市首相が自民党総裁選の後の挨拶で発した「働いて、働いて、働いて、働いて、働いてまいります」という言葉。その年の流行語大賞に選ばれたせいか、本人は気をよくして(悪乗りして)、その後もこの連呼パターンを使いまわしていて、先の施政方針演説でも…

住みやすくて生きづらい国

昨日からの雪で一面真っ白になりました。雪国で暮らす人からしたら、なんてことのない景色でしょうけど、首都圏はちょっと雪が降っただけで、大騒ぎです。背丈を超えるような大雪の中で、今日衆院選の投開票日を迎えた人たちのこの間の苦労を想像します。 い…

「駆」とは「逃げ足」のことか

「一富士、二鷹、三茄子」――新年の初夢で何を見たのか覚えていませんが、この3つが縁起がいいとされるのは、一説によると、将軍・徳川家康に縁の深い駿河の国(静岡県)で「高いもの」を並べた江戸期の言葉遊び(成句)に由来するんだそうです。すなわち、1…

「流行語大賞2025」と神田伯山

今日はごく短く。 どうでもいい話ではありますが、「新語・流行語大賞」というのがあって、今年の年間大賞は高市首相の「働いて×5 まいります」なんだそうです。選考委員の一人でもある、講談師の神田伯山氏は、これは日本初の女性首相との「合わせ技」だと…

上野千鶴子と高市早苗

こんなタイトルを付けたのは、必ずしも二人を比較したいわけではありません。一方は社会学者、他方は政治家にして現首相。年齢も一回りほどちがい、二人のあいだに著名な女性であること以外の共通点も接点も見出せません。しかし、今朝の毎日新聞に上野さん…

「純粋な涙」――ハンガン『涙の箱』

去年ノーベル文学賞を受賞した韓国のハンガンさんの『少年が来る』(クオン 2016年)を正月に読んでから、何となく彼女の作品をもう一冊読んでみたい気持ちがありました。 ハン・ガン『少年が来る』 - ペンは剣よりも強く 今朝の毎日新聞の書評欄で、作家の…

失言とユーモア

思想史家の藤田省三さんの対談集を読んでいるのですが、会話だけに、書いたものよりも少しは話がわかるのかと思いきや、それは安易で甘い期待だったことを随所に思い知らされて、苦笑いするばかりです。でも、背景を含めてようやく話についていけるようにな…

失言対談あるいは火消しセミナー

今年の3月に、石破総理では参院選を戦えないと、公然と石破おろしののろしを上げた議員がおりましたが、今度は、自らの「失言」で、周囲から「これでは参院選を戦えない」と非難され、この議員は昨日(9日)しぶしぶ発言の撤回と謝罪に追い込まれた模様です…

「獣も鳥も獲れませんように!」

ロシア語のあいさつには変な言い回しというか、妙な決まり文句がありまして、たとえば、これから入学試験を受ける人を励ます場合、日本語なら「がんばって」とか「よい結果を祈ります」式の言葉をかけるところですが、ロシア語圏の人々は「獣も鳥も獲れませ…

批判か 中傷か

毎日新聞の日曜連載のコラム「松尾貴史のちょっと違和感」は、毎週楽しみにしている記事です。今日の記事では、自民党総裁選に立候補している河野太郎氏のキャッチフレーズ「国民と向き合う心」の「嘘くささ」を痛烈にぶったぎっています。 松尾貴史のちょっ…

星野智幸さんの寄稿記事を読んで

X(Twitter)を眺めていたら、作家の星野智幸さんが朝日新聞に寄稿した記事が話題になっていたので読んでみました。部分的には(共感ではなく)同感しますが、賛同や「(一読を)推奨」する声が多いのにはやや戸惑いをおぼえます。一部引用させてください。…

反中感情に思うこと

X(Twitter)を眺めていると、差別に無頓着な投稿を目にすることがよくあります。最近で言えば、ネットで話題になり、小生も目にしたのは、奈良公園の鹿を足蹴にする人を「中国人」として非難するものですが、その後の情報では、どうもこれは「中国人」かど…

「寄り添わない」――誠実な言葉を求めて

先日本屋で雑誌を眺めていて『地平』という名の月刊誌の存在を知りました。まだ創刊されたばかりのようです。表紙に掲げられた「コトバの復興」というタイトルが目に止まりました。何で「言葉」がカタカナなんだろうと思いながら中を開いて少し読むと、意味…

「自分には何ができるか」

5月3日の今日は憲法記念日です。1947年のこの日に新憲法(日本国憲法)が施行されて、77年。憲法遵守義務のある公務員の頂点に立つ総理大臣が、率先して憲法を変えようと呼びかけ、他方で、「立憲民主党」なる名の政党ができるくらいですから、この間、この…

清水ミチコさんの「実験」

先週毎日新聞を見ていたら、三面の「万能川柳」が3日続けて政治ネタばかり集めていて、「おやっ?」と思いました。選者の仲畑氏の「気まぐれ」か、それともその種の句が多すぎて掲載せざるを得なかったのか、いずれにしてもここから垣間見える「世相」は、自…

トニー・ブレアの回顧録より

X(Twitter)を眺めていたら「過激ダンスショー」というTrendが立っていて、何のことかと思って見てみると、自民党青年局の醜態を咎める記事録でした。これは産経新聞の記事に端を発しているようですが、確か3月8日の今日は「国際女性デー」のはずです。「出…

杉田水脈氏の「教育勅語」

webを眺めていて、自民党の杉田水脈衆院議員がX(ツイッター)に、教育勅語には「なに一つおかしなことは書かれていません」、児童虐待やいじめの防止に役立つので、「学校の先生にこそ、知ってほしい内容です」と投稿したという話を知りました。これには一…

石原伸晃の「共産主義」

Twitter(X)に「共産主義的」という「トレンド」が立っていたので、「はて?」と思ってのぞいてみたら、昨日の午後の日テレの情報番組「ミヤネ屋」での石原伸晃(あえて敬称はつけません)の発言だったことがわかりました。 昨日の午後2時過ぎだったでしょ…

屋久島沖 オスプレイの “墜落” 事故

昨日の午後、屋久島沖でオスプレイの「墜落」事故がありました。オスプレイは今年の8月、オーストラリアで演習中に墜落し、3人が死亡しています。日本では2016年12月の名護市沖での事故がなお記憶に新しいところですが、このときの事故には「墜落」という表…

政治家とユーモア

岸田内閣の閣僚たちの失態が続きます。今度は葉梨康弘法務大臣の問題発言です。一昨日の夜、身内の自民党岸田派(武井俊輔外務副大臣)のパーティーで挨拶をし、その際「法務大臣は、朝、死刑のハンコを押して、昼のニュースになるのはそういう時だけという…

柿食えば 表敬訪問 

今日は短く。 柿が旬となりました。昨日畑で剪定作業をしたついでに、父親が植えた柿を見に行きました。この前見たときは、幾つかほんのり色づいていたので、晴れた日を狙ってもごうと思っていたのですが、なかなかパッと晴れず、伸び伸びになっていたのが禍…

政治家ことばの「翻訳」

AIによる翻訳機能が格段に進歩していることには驚かされます。ネット上では、英語はもちろん、他の言語の記事も、翻訳機能を使えばたちまちに日本語に翻訳されます。もちろん、なお崩れた感じや、たどたどしさはありますが、事件や事故の記事であれば、事前…

「この程度の国民に……」

「この程度の国民には、この程度の政治家」――小生は、これは、かつて自民党宮沢内閣で副総理だった故渡辺美智雄氏の発言だと思っていました。実際、30年以上前にこのように言っていたのを聞いたような記憶もあるのですが、Webで調べても引っかからないので(…

杉田水脈氏と「生産性」

「人的資源」とか「人流」とか、人をモノ扱いするような言葉に出くわすと嫌な気分になります。「生産性」という語を人に当てはめ、その有る無しで人を分類するとき、ここにも人をモノ扱いして気に留めない差別性が滲み出ているように思えます。小生個人にと…

「丁寧な説明」考

子どもの頃、岡山県と鳥取県の県境・人形峠がウランの産出地であることを知りました。学習用の地図帳には、人形峠に鉱山記号があり、その下に赤字でウランと入っていたことをおぼえています。しかし、このウランと核、とりわけ原子力発電との関係を、当時は…

自民党話法あれこれ

メディア記者のツッコミ方の問題もあるのですが、最近の国会議員、とりわけ自民党議員の「話法」は、改めて酷いものが多いと思います。誰か、指南している人でもいるのかも知れませんが、虚偽、責任転嫁、黙秘、逆ギレ、恫喝……と、まるでかつて学校で教員か…

「国語力・言葉の脆弱性」について

「『ごんぎつね』の読めない小学生たち、恐喝を認識できない女子生徒……〈いま学校で起こっている〉国語力崩壊の惨状」という記事を読みました。何のこっちゃ?ということもなく、学校にいたことのある人にとっては、ああ…と思い当たるところのある話です。 …

奈倉有里『夕暮れに夜明けの歌を』

活躍中のロシア文学研究者の半生を綴った評判のエッセイを読みました。著者は研究者としては若手から中堅どころととらえるのがよいと思うので、「半生」という語はまだ適切ではないかもしれませんが、本の最後に「かつての自分といまの自分はまったく別人と…

ある講演 桑名・夏

今日は短く。 自民党副総裁・麻生太郎氏が昨日(7月1日)三重県桑名市内で講演したそうです。発言の一部を知っていやーな気分になりました。 「政治に関心持たず生きていける国は良い国です」自民・麻生太郎氏 [参院選2022] [自民]:朝日新聞デジタル 以下は…

『文読む月日』 まとめ読み

一日ひとつずつ読み進めるはずが、怠けてたまってしまったトルストイ『文読む月日 上』の5月下旬部分をまとめ読みしました。来月からは、中巻(第二分冊)です。 この部分に限らず、本書全体に、神への信仰を通じてより良く生きるべきという話が多いのですが…