ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「誰かの花」・奥田監督の話

「誰かの花」という映画があるのを知りました。1月29日から横浜シネマ・ジャック&ベティで上映されていて、評判もよいようです。興味はあるのですが、見たいような見たくないような複雑な感じがあります。認知症の男性の家族の話が出てくるようなので、去年…

一度めの「悲劇」、二度めの「茶番」

立憲民主党の泉健太代表がラジオ番組で、夏の参院選で共産党とは距離を置く姿勢を示した、という新聞記事を見ました。話の前後も知りたいと思い、インターネットで探したところ、程なく動画を見つけました。これはラジオ局のスタジオというかブース内を撮影…

佐渡金山と外交

……岸田さん、「聞く耳」は広くもたないとダメですよぉ。佐渡金山を本気で世界遺産登録にもっていくんだったら、慎重かつ周到にやらないと、地元の人たちや関係者を失望させるだけですよ。外務省が言うとおり、今回は申請したって通らないのは目に見えている…

芝健介『ヒトラー 虚像の独裁者』

菅直人・元首相が1月21日付Twitterで、橋下徹氏(ら)の弁舌の「巧みさ」をヒトラーにたとえたことが維新の怒りを買い、党として、なぜか菅元首相本人ではなく、立憲民主党に謝罪・撤回要求をするという珍妙なことが起こっています。世間の耳目を引き立憲民…

佐川氏の証人喚問を

昨日1月25日の衆院予算委員会での立憲・階しな議員が、国が認諾した赤木さんの裁判に関し、佐川元理財局長の責任について質問していました。以下の動画から概要を起こしてみます(47分40秒過ぎから)。衆議院 2022年01月25日 予算委員会 #02 階猛(立憲民主…

傍観と暴力 名護市長選が終わって

昨日栃木県で腹立たしい事件がありました。電車内で高校生に喫煙を注意された男が逆上して暴行をはたらいたとのこと。しかも、同じ車両に何人乗っていたのかわかりませんが、乗客は誰も助けなかったというのです。ひどい話です。暴行を受けた高校生と家族の…

国家賠償法・1条 2項

国が認諾した赤木さんの訴訟について、社民党の福島瑞穂議員が先週の1月21日参議院の代表質問でふれていてオッと思いました。該当部分を起こしてみます(11分28秒頃から)。【2022.01.21参議院本会議】福島みずほ代表質問〈会派:立憲民主・社民〉 - YouTube…

事件報道雑感

何か事件が起こると感じることですが、メディア報道にはある種のストーリーに乗せたがる傾向があります。まずは善人と悪人の区別です。多くの人はそのどちらでもあるし、どちらでもないような「ふつうの人」だと思うのですが、メディアはそういうのを好みま…

「危機の指導者」

昨日の続きで、また元首相ネタです。我ながらしつこい感じはしますが、これはちょっと看過できません。 1月8日付文藝春秋デジタルの記事に「安倍晋三独占インタビュー「危機の指導者とは」」というのがあります。会員でないと全ては見られないのですが、同日…

「戦後」77年としての2022年

「戦後」があれば「戦前」があります。この場合、節目となっている「戦争」とは、1945年に日本の敗戦で終わる「第二次世界大戦」のことです(アジア・太平洋戦争、十五年戦争、「大東亜戦争」など、微妙な差異はありますが、呼び方はいろいろです)。以後、…

「世の中、最後は金」の続き

ドイツの哲学者にシュプランガーという人がいるのですが、どういうことに優先的な価値を感じるかで、人間を6つのタイプに分けています。順に挙げると、理論的人間、審美的人間、経済的人間、宗教的人間、権力的人間、社会的人間の6つです。これ、おもしろい…

「東大刺傷事件」のこと

今日は短く。 何か事件や事故が起きるたびに、また、そういうニュースを知るたびに、その1日前は平穏な日常だったはずなのに、と思います。トンガ沖の火山の噴火もしかり、連日の火事や交通事故のニュースもしかりです。車を運転する前など、必ずそのことが…

「提案」と「批判」 奇妙な二択

泉新体制になった立憲民主党については、発足後から様子見をしてきましたが、先日のChoose Life Project(CLP)の資金提供の釈明にはいささかふがいないものを感じました。これでは返す刀でDappi問題を斬ることはできません。これをしかけた輩はほくそ笑んで…

「年収400万円は“高給取り”」という記事

「年収400万円は“高給取り”だ」と思う若い世代の「金銭感覚」を取り上げた動画(記事)を見ました。最近は若者との接点が薄くなってきてよく分からない面もありますが、2010年代の初め、まだ学校で働いていた頃、小生も似た印象をもっていた記憶があります。…

「河瀬直美が見つめた東京五輪」を見て

「捏造」問題で話題になっているNHKのBS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」(2021年12月26日放送)を見ました。問題の箇所(part2. 20分頃)だけ見るつもりでしたが、冒頭に五輪反対のデモのシーンが出てきて、おっ?と思ったり、河瀬さんの「五輪を…

ジュース買ってあげるから協力してね

北海道放送(HBCテレビ)が2年前、2020年4月26日に放送した『ヤジと民主主義~小さな自由が排除された先に~』を見ました。2019年7月15日、参院選の応援でJR札幌駅前で演説を始めたアベ晋三(当時首相)に対して、「アベやめろ!」と声を発した男性が十数人…

子どもと若者の性教育のこと

ネットの記事を眺めていて、あとで読もうと思い「拾って」おいた「性教育」の記事(論考)を昨日読みました。フェミニズム研究者の清水晶子さんによる、昨年、2021年3月2日付の記事です。 日本の性教育の転換期に考える、真にヘルシーな性教育とそれがもたら…

名護市長選 「沈黙」の問い

沖縄・名護市長選挙の告示(1月16日)が近づき、いくつか記事を目にします。千葉の田舎からは、報道で想像するだけでは、実際のところはよくわかりませんし、名護市の住民の思いとはズレやギャップがあると思います。メディアは辺野古の基地移設に関心を向け…

清水透『ラテンアメリカ五〇〇年』を読んで

最初に書いておくと、これは書評ではありません。清水さんの『ラテンアメリカ五〇〇年 歴史のトルソー』(岩波現代文庫 2017年)を読んで、何となく頭に浮かんだことを書き留めたものです。 本書は講義録がもとになっているようですが、小生のような門外漢に…

「最後はお金」を踏み越えること

今日も短めに。 NHKが去年12月に放送したBS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」という番組に出てきた男性が、五輪反対デモに「お金をもらって動員されていると打ち明けた」との字幕を入れた件、実は男性が五輪デモに参加した事実はなかったことがわか…

生物分布の変化 「絶滅」と「根絶」

今年の冬は寒い。先日雪が降ったからそう思うのではなく、備忘録代わりにつけている日誌の今月の最低気温を見ると、 1日 0℃ 2日 -2℃ 3日 0℃ 4日 -1℃ 5日 2℃ 6日 0℃ 7日 -3℃ 8日 0℃ 9日 -1℃で、平均すると-0.55℃である。小生の居住地は比較的海岸に近い…

学習履歴のデジタル化一元管理のこと

今日は短く。 昨日、政府が学習履歴などの個人データをデジタル化して一元管理するというニュースを知って、あることを思い出した。もうだいぶ昔の話である。 学校で働いていた頃、朝の打合せが終わり、A先生から話しかけられた。 「〇〇さん(小生)のクラ…

「詐欺師」としての大阪府知事

昨年の衆院選で日本維新の会が「躍進」したことを喜ぶ?人がいる一方、危惧する人も多い。小生は後者の一人だが、大阪を地盤とするローカル政党の域を出ていない政党だなどと甘く見ていると、今夏の参議院選でさらに「躍進」して、1930年代のドイツのような…

高校国語に文学を

今年の4月から高校の教科「国語」が模様替えされる。高1の必修科目である「国語総合」は、「現代の国語」と「言語文化」の二つの必修科目に、2・3年の「現代文」は「論理国語」と「文学国語」に分かれる。「論理国語」という新科目は、新しい学習指導要領で…

「道を譲る」ということ

田舎の道路は道幅が狭いところが多いので、対向車が来たらだいたいは脇に車を寄せて道を空けるようにしている。「ドモ…」と会釈してすれ違うドライバーに出会うとホッとするが、スッと通り過ぎるだけのドライバーもいて、反応はそれぞれだなと思う。もみじマ…

大阪府と読売新聞の提携のこと

先月下旬に発表された読売新聞と大阪府の提携(包括協定)話には危惧や批判が多い。協定では「包括」的と称して、取材や報道を他のものと混ぜ込んでごまかしているが、最重要のポイントは、何か事がわかったときに、読売は新聞として大阪府を批判する報道が…

LiLiCoさんと母親

マルチタレントとして活躍するLiLiCoさんは、父親がスウェーデン人、母親は日本人だという。10年前に亡くなった母親を回想する記事を読み、小生も、昨年父親が亡くなったときに弔問客から生前の父親の知られざる一面をいろいろと聞いたことを思い出した。 家…

アントニオ猪木のメッセージ

今日は短く。 「BLOGOS」で1月2日付「PRESIDENT Online」に掲載されたアントニオ猪木さんの記事を読み、いつだったか、テレ朝の番組「あいつ今なにしてる?」に猪木さんが出演していたことを思い出した。 アントニオ猪木、ブラジル時代の友との再会に感動!…

トルストイ『文読む月日』5

毎度引用している、北御門二郎さん訳のレフ・トルストイ『文読む月日』(ちくま文庫)の原題は「КРУГ ЧТЕНИЯ(クルーク・チテーニャ 読み物の輪)」という。最も古い訳本は、ロシア文学者・原久一郎さんによる1934年の『一日一善』で、この題名は、1880年代…

エールの送り方 星野・上間対談を読んで

昨晩、弁護士の郷原信郎さんが発信している動画「日本の権力を斬る! #115」を見た。沖縄の名護市長選挙のことが話題となっていて、来年のことだと思っていた選挙も、1月23日投開票なので、年が明け、あと3週間あまりしかないことに改めて気づかされた。 【…