ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

プチアベ時事川柳

桜が満開になりました。暖かいし、散歩したくなります。今晩の雨で散ってしまうかもしれないので、よく見ておこうと思います。入学式までもってほしいけど…。 以下、最近の新聞から拾ったものです。笑いながら我に返ってしまい、眉をひそめるという感じです…

O.ファイジズ『ナターシャの踊り』

上下巻合わせて800頁を超える力作。原著は2002年刊行ですが、日本語訳が出たのは昨年2021年8月です。訳者の鳥山さんによれば、途中から巽さんと中野さんの二人に応援を頼んだとのことで、よくぞあきらめずに(抄訳にせずに)最後まで訳しとおしてくれたと、…

ウーマン村本さんのこと

テレビに出ないお笑い芸人の一人、ウーマンラッシュアワーの村本大輔さんのインタビューを読みました。松元ヒロさんと同様、政治や社会を風刺する漫才芸人で、ネタによっては嫌悪感をもつ人もいるようです。しかし、実際のところ村本さん自身は、「社会派」…

服部倫卓さんの解説

ジャーナリストの神保哲生さんのインタビューズ(2022年3月26日付)を見ました。この企画、ゲストの「チョイス」が素晴らしく、小生にとって、ウクライナとロシアの問題を考える上での貴重な情報源です。今回のゲストの服部倫卓(みちたか)さん(ロシアNIS…

『文読む月日』7

今日は短く。 トルストイの『文読む月日』の3月27日の欄を見ていて、一昨日の「ヤジ排除訴訟」判決のことを連想しました。改めて、原告の二人と弁護団、関係者、そして、当たり前の判決を出してくれた裁判長に、心から敬意を表します。 3月27日… (四)…人び…

「ヤジ排除訴訟」判決のこと

昨日の昼、テレビ・ニュースで「ヤジ排除訴訟」の札幌地裁判決を知りました。原告は、3年前、札幌で、街頭演説中だった当時首相のアベシンゾーに「アベ、やめろ」とヤジを飛ばした男性と、「増税反対」と叫んだ女性で、二人は警察官によって強制的に別の場所…

ゼレンスキー演説を見て

昨日の夕方、テレビでウクライナのゼレンスキー大統領の日本(国会)向け演説を見ました。注目度が高かったのか、NHKも主要民放もみんなLIVE中継をしていて、放送していなかったのは、Eテレとテレ東と、あとは(小生の見ているチャンネルでは)千葉テレ…くら…

GABAトマトのこと

スーパーに買物に行くたびに何となく感じていたのですが、冬場なのに(老人の感覚なので、すいません)野菜コーナーのトマトの種類がやけに多いなと。ミニから大玉までけっこう取りそろえられていて、(当然)値段も安くはありません。小生は、野菜は基本的…

「辺境の国」の自己認識

日本を「経済大国」だと自認する人は多いようです。何せ名目GDPは米国、中国についで第3位という話です(一人あたりに換算すると20位以下ですが)。他方で、日本を「先進国」だと思う人の方はどうなのでしょうか。小生には若い世代になるほど少なくなってい…

「雷」の啓示 あるNHKアナウンサーの転身

「雷に打たれる」という比喩表現があります。宗教改革で有名なマルチン・ルターの場合、比喩ではなく、文字通り落雷体験によって人生が変わったといいます。1505年7月2日、友人と野原を歩いていて落雷に遭ったルターは「お助けください、修道士になります!…

「隣国」ベラルーシのこと

昨日の夕方TBSの報道特集を見ました。キャスターの金平茂紀さんがベラルーシのルカシェンコ大統領にインタヴューしていました。ベラルーシ市民へのインタヴューの顔出し放映とか、チャベス(ヴェネズエラ)とエルドアン(トルコ)の写真の間違いとか、いくつ…

アビガンの治験打ち切りのこと

今日は短く。 元官僚で評論家の古賀茂明さんのYou-Tube動画で、『嘘つきシンちゃんの罪を忘れない』と題した最新号を拝見していたところ、えっ!? と思う話がありました。最近ウクライナのことばかりに目を向けていて、重大な話なのに全然気づきませんでした…

ロシアを去る人残る人

ウクライナから国外へ避難した人は300万人を超えたようですが、ロシアとロシアに同調するベラルーシから国外へ出た人も相当な数のようです(数字は様々ですが)。行き先はいろいろですが、EUやアメリカ、イギリス、カナダなどがロシア航空機の自国領空での飛…

プーチン増長に加担した/する国

昨日3月16日の参議院内閣委員会で、タムトモこと田村智子議員(共産党)が本年度予算案に計上されたままの「ロシアへの8項目の経済協力プラン」について質問しています。予算案は来週22日の参議院本会議で採決されるという話ですが、さすがにこのまま通すの…

プーチンとオリガルヒ

ロシアには「オリガルヒ Олигархи 複数形」と呼ばれる新興財閥がいます(ウクライナにもいます)。調べてみると、Олиг-(Олигo-)は、少数、少ない、を意味し、архиは、首長、主、大きい、などを意味するようで、「寡頭」と訳されることもあります。数少ない…

微力ながらプーチンを笑いとばす

今ロシアでは反戦の意思表示をするだけで警察に拘束されるようです。何も書いていない白紙のプラカードを持っているだけで連行された人がいましたが、唖然としました。「モス子@日露間で働くマン」さんが上げている下の動画も一瞬ギャグかと思いました。戦…

プーチン崇拝の精神的風土論について

ロシア文学研究者・亀山郁夫氏のインタヴュー記事を読みました。大変興味深かったのですが、部分的に承服できないところもありました。 3月13日付毎日新聞の記事から一部引用させてください(聞き手は大野友嘉子・記者)。ロシア文学者を「絶望」させたプー…

ロシアの人たちは今

今日は短く。 モスクワで反戦活動をしていて拘束された友人から聞いた話というのが連投Tweetされています。猫本喜子さんの3月12日付記事より。https://twitter.com/mandaiike_face/status/1502628186584391684これは貴重です。拘置所の警官の話: 「自分は言…

『戦争は女の顔をしていない』

NHKの「100分de名著」のシリーズでも取り上げられていた、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ『戦争は女の顔をしていない』が、再び読まれているという話を知りました。番組の講師役だった沼野恭子さんは毎日新聞の取材を受けて、「アレクシエービッチ氏は…

サフルール医師の話

3月11日。母親の命日でもあります。昨日お墓と仏壇に花を供えました。静かに故人たちを偲びたいと思います。 NGO団体を率い、故郷のシリアで医療活動に取り組んできたシリア系米国人、ザヘル・サフルール医師のインタヴュー記事を読みました。昨日「歴史は何…

歴史は何の役に立つのか?

明日は3月11日。 あの日の夜、真っ暗になった道を灯りがひとつ、またひとつと、学校に向かってきて、最後の生徒を送り出してから慌てて自宅に戻ると、家の中は無茶苦茶になっていましたが、家族は無事でいてくれました。津波や原発のことを知ったのはその後…

「食糧を自給できない人たちは奴隷である」

ロシアのウクライナ侵攻から2週間。これに悪乗りして、あちこちで「核共有(シェアリング)」などという日本の安全保障とは真逆のことを吹いている「売国の輩」には、いいかげん「退場」を願い、今開会中の通常国会ではもっと根本的で実のある安全保障問題を…

分断と傍観と忘却を越え出ること

昨日は赤木俊夫さんの命日でした。 今日3月8日は国際女性(婦人)デイです。 ロシアに「プッシー・ライオット」という覆面パンクロックのグループがあります。あまり詳しくはないのですが、ずっと反プーチンの声を上げ続けていて、メンバーが反戦デモで拘束…

『現代ウクライナ短編集』

藤井悦子さんとオリガ・ホメンコさんの共編訳による『現代ウクライナ短編集』は、元の版が1997年刊で、1980年代から90年代の作品を集めたものです。60代以上の人にとっては自身の若い頃を重ねて「一昔前」くらいの感覚で読めたとしても、30代以下の人にとっ…

伊勢崎賢治さんの解説

うろおぼえの話ですが、前にTwitterで「んっ!?」と思う投稿を見かけました。ある学者さんが息子から、なぜロシアはウクライナがNATOに入るのを嫌がって戦争をするのかと訊かれたので、経緯をできるだけ丁寧に説明したところ、「ロシアもNATOに入ればいいのに…

『文読む月日』6

アベシンゾー氏のことを書くと(あと橋下氏もそうですが)、罵詈雑言としか思われません(もちろんそれはあるのですが)。しかし、毎日ウクライナの映像を見ていると、この侵攻(戦争)を指示する人間と「同じ未来を見ている」などと発言した人物を、なぜこ…

河東哲夫さんの解説

ジャーナリストの神保哲生さんが元外交官の河東哲夫(かわとう あきお)さんにリモートでインタビューしている動画を見ました。ロシアのウクライナ侵攻は、日本が真珠湾攻撃へと心理的に追い込まれていった姿とよく似ていると言っています。概要を一部文字に起…

ロシア 小学生の逮捕のこと

最初に、昨日の記事について。「イデオロギーなしにファシズムは成立する」という当方の記事に言及してくれた方がおりました。学術的な話には恐縮しますが、ファシズムを…「ただの悪口雑言」にしてしまわないかというご指摘、まことにごもっともと思いました…

ファシズムはイデオロギーなしに成立する

岩波書店編集部の「なみのおと」チームが公開しているnoteに、ロシアの作家・文芸批評家、ドミートリー・ブィコフ氏が、ロシアのウクライナ侵攻が始まった2日後の2月25日、ラジオの持ち番組「モスクワのこだま」で2時間近く語った話の抄訳が掲載されています…

片山ふえ『オリガと巨匠たち』

片山ふえさんの『オリガと巨匠たち――私のウクライナ紀行』(未知谷 2010年)を読みました。副題にあるとおり、片山さんの西ウクライナの旅日記なのですが、案内人のオリガ・ペトローワさんをはじめ道中で出会うウクライナの人々の人生と時々の風景がみずみず…