ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

文化

W杯サッカー ドイツに勝利すれど……

カタールで開催中のW杯サッカーでサウジアラビアがアルゼンチンに勝って「おーっ」と思いましたが、今度は何と日本がドイツに勝ってしまいました。もし、ドイツに勝てるとしたら初戦しかない、チャンスはあるかも、くらいには思っていましたが、本当に勝つと…

政治家とユーモア

岸田内閣の閣僚たちの失態が続きます。今度は葉梨康弘法務大臣の問題発言です。一昨日の夜、身内の自民党岸田派(武井俊輔外務副大臣)のパーティーで挨拶をし、その際「法務大臣は、朝、死刑のハンコを押して、昼のニュースになるのはそういう時だけという…

褒めすぎる教育 親切すぎる教育

子どもは(叱るより)褒めた方が伸びるというのが、子育てや教育の「主流」になったのはいつ頃だったでしょうか。一昔前の話をしても、とは思いますが、「スポ根」ものが流行っていた1960・70年代に、そんなことを言う親や教師はごくごく少数だったでしょう…

音楽教室の著作権料判決のこと

音楽教室のレッスンで演奏される曲に著作権料は生じるのか。10月24日、最高裁で「生徒の演奏については、教室が著作権料を払う必要はない」とする判決が出されたという新聞記事を見ました。小生は音楽の素養がないので、音楽それ自体はもちろん、業界につい…

近石さん、円楽さん、猪木さんを偲んで

今日は短く。 最近著名人の訃報をよく耳にします。昨日はアニメ・サザエさんのマスオさん役で知られた声優の近石真介さんが、5日に亡くなったことを知りました。声優さんですから、他にもいろいろな役やナレーションなどで声を聞くことがあるとは思うのです…

良知力さんを読んで

良知力 らち ちから さんという早逝した社会思想史家の著書『向こう岸からの世界史』(未来社 1978年10月刊)を読みました。1848年のヨーロッパ、特にオーストリア・ウィーンの革命をめぐる話なのですが、学生の頃に一度読んで、よくわからず、就職してから…

「永久顧問」と「永世名誉司会」

今日も「短編」で。 自民党議員の「保守団結の会」が一昨日(8月29日)、元々会の顧問で、先月亡くなった安倍晋三氏を「永久顧問」に選任したというニュースを知りました。 「考えをしっかり継承していく」安倍元総理を“永久顧問”に選任 自民党「保守団結の…

父親と農 ある声明を見て

8月12日。父親が亡くなって1年。新盆見舞いに訪れた人たちとお話ししながら、父親が独りで黙々と農に勤しみ、それを周りの人たちも温かく見ていたことを改めて知りました。今、そのあとを展望もなく引き継いでいる息子には、父親の大きさばかりが感じられま…

「国語力・言葉の脆弱性」について

「『ごんぎつね』の読めない小学生たち、恐喝を認識できない女子生徒……〈いま学校で起こっている〉国語力崩壊の惨状」という記事を読みました。何のこっちゃ?ということもなく、学校にいたことのある人にとっては、ああ…と思い当たるところのある話です。 …

サニブラウン選手の記事を見て

現在アメリカのオレゴン州で陸上の世界選手権が行われています。個人的には、東京オリンピックに関わる諸事件の記憶が尾を引いて、今でもスポーツの大会を冷ややかに見てしまう傾向があり、昔のように「純粋」には楽しめなくなっているのですが、それでもス…

バカロレアの哲学の問題を見て

日本の子どもたちは夏休みまであと3週間ですが、欧米の子どもたちの多くはすでに夏休み入っているようです。ということは、先月は年度の節目の試験期間に当たっていたはずです。フランスの高校生などは、最後の難関である修了資格試験バカロレアを受けないと…

三角関数と金融の天秤

千葉県選出のある衆議院議員が5月17日の財政金融委員会で、今後の日本にとって学校における金融教育の充実が必要だと主張し、同様の連投Tweetをしていて、ちょっと話題になっていました。教育内容の優先事項をめぐって、三角関数と金融を秤にかけている件に…

斉加尚代さんの話

昨日の午後、畑で草刈りをしていたら、子どもたちがぞろぞろと下校してきました。4、5人の小学生が道ばたのソテツの周りに集まって何かを探しているようです。何だろうと思いながら、遠くで様子を見ていると、どうやらお目当てはトカゲ(カナヘビ)のようで…

教育の「不確実性」

教育社会学者の広田照幸さんの新刊が出るようです。それにあわせて、ほんの「味見」程度ですが、一部がネットで公開されています(2022年5月9日付更新の「ちくまWeb」)。そもそも「教育」とは何か? 3つのポイント「意図的に」「他者」「組織化」|ちくま…

「他人に迷惑をかけない」という「美徳」

毎日新聞に連載されている「私が思う日本」という外国人記者によるリレー・コラムを興味深く読んでいます。今回は朝鮮日報の崔銀京・記者が、日本の美徳とされる「他人に迷惑をかけない(ようにする)」という美徳とその変化について、「好意的」な記事を書…

E.シュリマン氏の講演

ウクライナの戦争を特集した岩波の『世界』の臨時増刊号を読んでいます。短期間によくぞこれだけの陣容をそろえたなあと感心します。確たる情報が十分にあるとは言えない中で、この執筆陣には、断言することを躊躇し留保したいと思いつつ、それでも何かを伝…

「個性重視」と言いながら…

日本社会は個性を尊重しない、個性を押し潰す社会のように言われてきました。学校はその元凶のように見られがちです。そこでむかし働いていた人間としては不本意ですが。 「天才ドラマー」と言われる(詳細はわかりませんが)相馬よよかさんのことを紹介した…

暉峻淑子『対話する社会へ』

「対話が続いている間は殴り合いは起こらない」というドイツの言葉があるそうです。なるほどと思います。この言葉を心に留めた筆者は、やがて「戦争・暴力の反対語は、平和ではなく対話だ」と考えるに至ります。平穏な日常を下支えているのは、暴力的な衝突…

O.ファイジズ『ナターシャの踊り』

上下巻合わせて800頁を超える力作。原著は2002年刊行ですが、日本語訳が出たのは昨年2021年8月です。訳者の鳥山さんによれば、途中から巽さんと中野さんの二人に応援を頼んだとのことで、よくぞあきらめずに(抄訳にせずに)最後まで訳しとおしてくれたと、…

ウーマン村本さんのこと

テレビに出ないお笑い芸人の一人、ウーマンラッシュアワーの村本大輔さんのインタビューを読みました。松元ヒロさんと同様、政治や社会を風刺する漫才芸人で、ネタによっては嫌悪感をもつ人もいるようです。しかし、実際のところ村本さん自身は、「社会派」…

GABAトマトのこと

スーパーに買物に行くたびに何となく感じていたのですが、冬場なのに(老人の感覚なので、すいません)野菜コーナーのトマトの種類がやけに多いなと。ミニから大玉までけっこう取りそろえられていて、(当然)値段も安くはありません。小生は、野菜は基本的…

「雷」の啓示 あるNHKアナウンサーの転身

「雷に打たれる」という比喩表現があります。宗教改革で有名なマルチン・ルターの場合、比喩ではなく、文字通り落雷体験によって人生が変わったといいます。1505年7月2日、友人と野原を歩いていて落雷に遭ったルターは「お助けください、修道士になります!…

アビガンの治験打ち切りのこと

今日は短く。 元官僚で評論家の古賀茂明さんのYou-Tube動画で、『嘘つきシンちゃんの罪を忘れない』と題した最新号を拝見していたところ、えっ!? と思う話がありました。最近ウクライナのことばかりに目を向けていて、重大な話なのに全然気づきませんでした…

人権リテラシーが極めて低い国の政治家

自民党の某政調会長が2月19日の講演で、自分が総理大臣になっても靖国参拝を続ける意向を示したそうです。 高市氏「首相就いても靖国参拝」 やめれば「相手がつけ上がる」(共同通信) - Yahoo!ニュース 個人的に強い靖国信仰をお持ちで、参拝に(ばかり)執…

「痛みの感情史」

読書会仲間と本を読んでいて、今はやりの「感情史」が話題になり、少し調べてみました。人の「感情」も過去から未来へと歴史的に変移していくだろう、くらいの雑駁なことは予想しますが、全体像をとらえるにはまだ断片的でよくわかりません。これは分厚い本…

「テレビで会えない芸人」松元ヒロさん

「テレビで会えない芸人」(四元良隆、牧祐樹監督)というドキュメンタリー映画が先月末から東京(ポレポレ東中野)ほかで公開されていることを知りました。 テレビで会えない芸人 : 作品情報 - 映画.com これには立憲・小川淳也さんのドキュメンタリー映画や…

「論破」の文化 

1990年代であったか、学校の授業にディベート(討論ゲーム)を導入することが一時流行したことがある。「流行」というほど一般化したわけではないが、小生も実践例を真似て、試しにやってみた。「原発の是非」とか、「死刑制度」とか、ある論争的テーマにつ…

「マイクロアグレッション」のこと

「マイクロアグレッション Microaggression」――不勉強にも、初めて知った言葉だが、「あからさまな」差別とまではいかないが、曖昧で無意識かつ見えにくい(認識されずにいる)差別のことを包括する語らしい。 TBSラジオのSessionのパーソナリティーの荻上チ…

金平さん「筑紫哲也NEWS23」の時代を語る

TBSの「報道特集」でおなじみの金平茂紀(かねひら しげのり)さんは、かつての報道番組「筑紫哲也NEWS23」の編集長だった。「NEWS23」は今も続いているが、初代キャスターだった筑紫さんは2003年3月の「多事争論」の出演を最後に、同年11月に亡くなった。1990…

「親ガチャ」のこと

きっこさんのブログ記事「親ガチャ、国ガチャ、時代ガチャ」をおもしろく読んだ。 ご多分に漏れず?小生も「親ガチャ」なる語は今年の夏頃はじめて知った。カプセルに入ったおもちゃが出てくるガチャガチャというのがあるのは知っていたが、あれと同じように…