ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

文化

三角関数と金融の天秤

千葉県選出のある衆議院議員が5月17日の財政金融委員会で、今後の日本にとって学校における金融教育の充実が必要だと主張し、同様の連投Tweetをしていて、ちょっと話題になっていました。教育内容の優先事項をめぐって、三角関数と金融を秤にかけている件に…

斉加尚代さんの話

昨日の午後、畑で草刈りをしていたら、子どもたちがぞろぞろと下校してきました。4、5人の小学生が道ばたのソテツの周りに集まって何かを探しているようです。何だろうと思いながら、遠くで様子を見ていると、どうやらお目当てはトカゲ(カナヘビ)のようで…

教育の「不確実性」

教育社会学者の広田照幸さんの新刊が出るようです。それにあわせて、ほんの「味見」程度ですが、一部がネットで公開されています(2022年5月9日付更新の「ちくまWeb」)。そもそも「教育」とは何か? 3つのポイント「意図的に」「他者」「組織化」|ちくま…

「他人に迷惑をかけない」という「美徳」

毎日新聞に連載されている「私が思う日本」という外国人記者によるリレー・コラムを興味深く読んでいます。今回は朝鮮日報の崔銀京・記者が、日本の美徳とされる「他人に迷惑をかけない(ようにする)」という美徳とその変化について、「好意的」な記事を書…

E.シュリマン氏の講演

ウクライナの戦争を特集した岩波の『世界』の臨時増刊号を読んでいます。短期間によくぞこれだけの陣容をそろえたなあと感心します。確たる情報が十分にあるとは言えない中で、この執筆陣には、断言することを躊躇し留保したいと思いつつ、それでも何かを伝…

「個性重視」と言いながら…

日本社会は個性を尊重しない、個性を押し潰す社会のように言われてきました。学校はその元凶のように見られがちです。そこでむかし働いていた人間としては不本意ですが。 「天才ドラマー」と言われる(詳細はわかりませんが)相馬よよかさんのことを紹介した…

暉峻淑子『対話する社会へ』

「対話が続いている間は殴り合いは起こらない」というドイツの言葉があるそうです。なるほどと思います。この言葉を心に留めた筆者は、やがて「戦争・暴力の反対語は、平和ではなく対話だ」と考えるに至ります。平穏な日常を下支えているのは、暴力的な衝突…

O.ファイジズ『ナターシャの踊り』

上下巻合わせて800頁を超える力作。原著は2002年刊行ですが、日本語訳が出たのは昨年2021年8月です。訳者の鳥山さんによれば、途中から巽さんと中野さんの二人に応援を頼んだとのことで、よくぞあきらめずに(抄訳にせずに)最後まで訳しとおしてくれたと、…

ウーマン村本さんのこと

テレビに出ないお笑い芸人の一人、ウーマンラッシュアワーの村本大輔さんのインタビューを読みました。松元ヒロさんと同様、政治や社会を風刺する漫才芸人で、ネタによっては嫌悪感をもつ人もいるようです。しかし、実際のところ村本さん自身は、「社会派」…

GABAトマトのこと

スーパーに買物に行くたびに何となく感じていたのですが、冬場なのに(老人の感覚なので、すいません)野菜コーナーのトマトの種類がやけに多いなと。ミニから大玉までけっこう取りそろえられていて、(当然)値段も安くはありません。小生は、野菜は基本的…

「雷」の啓示 あるNHKアナウンサーの転身

「雷に打たれる」という比喩表現があります。宗教改革で有名なマルチン・ルターの場合、比喩ではなく、文字通り落雷体験によって人生が変わったといいます。1505年7月2日、友人と野原を歩いていて落雷に遭ったルターは「お助けください、修道士になります!…

アビガンの治験打ち切りのこと

今日は短く。 元官僚で評論家の古賀茂明さんのYou-Tube動画で、『嘘つきシンちゃんの罪を忘れない』と題した最新号を拝見していたところ、えっ!? と思う話がありました。最近ウクライナのことばかりに目を向けていて、重大な話なのに全然気づきませんでした…

人権リテラシーが極めて低い国の政治家

自民党の某政調会長が2月19日の講演で、自分が総理大臣になっても靖国参拝を続ける意向を示したそうです。 高市氏「首相就いても靖国参拝」 やめれば「相手がつけ上がる」(共同通信) - Yahoo!ニュース 個人的に強い靖国信仰をお持ちで、参拝に(ばかり)執…

「痛みの感情史」

読書会仲間と本を読んでいて、今はやりの「感情史」が話題になり、少し調べてみました。人の「感情」も過去から未来へと歴史的に変移していくだろう、くらいの雑駁なことは予想しますが、全体像をとらえるにはまだ断片的でよくわかりません。これは分厚い本…

「テレビで会えない芸人」松元ヒロさん

「テレビで会えない芸人」(四元良隆、牧祐樹監督)というドキュメンタリー映画が先月末から東京(ポレポレ東中野)ほかで公開されていることを知りました。 テレビで会えない芸人 : 作品情報 - 映画.com これには立憲・小川淳也さんのドキュメンタリー映画や…

「論破」の文化 

1990年代であったか、学校の授業にディベート(討論ゲーム)を導入することが一時流行したことがある。「流行」というほど一般化したわけではないが、小生も実践例を真似て、試しにやってみた。「原発の是非」とか、「死刑制度」とか、ある論争的テーマにつ…

「マイクロアグレッション」のこと

「マイクロアグレッション Microaggression」――不勉強にも、初めて知った言葉だが、「あからさまな」差別とまではいかないが、曖昧で無意識かつ見えにくい(認識されずにいる)差別のことを包括する語らしい。 TBSラジオのSessionのパーソナリティーの荻上チ…

金平さん「筑紫哲也NEWS23」の時代を語る

TBSの「報道特集」でおなじみの金平茂紀(かねひら しげのり)さんは、かつての報道番組「筑紫哲也NEWS23」の編集長だった。「NEWS23」は今も続いているが、初代キャスターだった筑紫さんは2003年3月の「多事争論」の出演を最後に、同年11月に亡くなった。1990…

「親ガチャ」のこと

きっこさんのブログ記事「親ガチャ、国ガチャ、時代ガチャ」をおもしろく読んだ。 ご多分に漏れず?小生も「親ガチャ」なる語は今年の夏頃はじめて知った。カプセルに入ったおもちゃが出てくるガチャガチャというのがあるのは知っていたが、あれと同じように…

「遠く」へ行くのなら…

岸田首相が施政方針演説で言及した「ことわざ」――「早く行きたいなら一人で行け、遠くへ行きたいならみんなで行け」は、小生は知らなかったが、調べてみると、過去にもこれを「アフリカのことわざ」として引用している人が多い。しかし、「アフリカ」という…

投票率と教育文化

10月8日の「報道1930」は見ておくべき内容だったかも知れない。翌9日にキャスターの松原耕二氏がドイツの若者の投票率のことをTweetしている。松原耕二 on Twitter: "昨夜の『報道1930』、ドイツでは若者の投票率も70%。背景には学校での積極的な政治教育が…

真鍋さんのノーベル物理学賞受賞

昨日の夕方テレビを見ていて、真鍋淑郎さんがノーベル物理学賞に選ばれたことを知った。何か聞き覚えのある名前だなと思っていて、しばらくしてから、ああそうだ、NHKの番組「地球汚染」に出ていた人だと思い出した。 「地球汚染」は1989年3月に2回にわたっ…

澁谷知美氏の話

澁谷知美『日本の包茎 男の体の200年史』(筑摩書房 2021年2月)という本が話題になっている。当初は、題名が刺激的なので、本屋で見つけても手に取れるかなあ?くらいの印象だったが、土曜に、毎日新聞で詩人の渡邊十絲子さんが取り上げているのを読んで…

時事スガ川柳3

自民党の首脳(ども)の時事川柳。ガースー:コロナ禍に突然言い出す子ども庁 子どもは国の宝長男はスガの宝 どうせまた中抜き官庁増やすだけ アッソー:このマスクいつまでしてると聞いてんだ! 記者ならば知ってんだろうよそれくらい 真剣に聞いてる俺は副…

D.アトキンソン氏が語る「日本の寛容さ」

スガ総理のブレインの一人と言われる小西美術工藝社社長のD.アトキンソン氏のインタヴュー記事を読んだ。「合理主義者?」の彼らしい話だった。彼の中小企業 “淘汰“ 論には反対だが、今回の「指摘」の大部分はごもっともだと感じた。彼の目にも、この国の政…

今井むつみ『英語独習法』

今話題の新書。先月の18日に刊行されたばかりなのに、わずか2週間でもう品薄状態になっていて、今ネットで注文しても2,3週間待ちだという。語学(英語)の向上に熱心な人って多いんだなあと思う。認知心理学から見た学習法の提案というのに “斬新” さがあっ…

知性と教養の劣化 古谷経衡さん談

古谷経衡(つねひら)さんの「2020年のふりかえり」インタヴューを読んだが、興味深かった。 古谷さんがどんな方か知らなかったので、「たかまつななチャンネル」(2020年9月7日付)に出演した動画をのぞいてみたら、これがまたおもしろい。こっちもまた“なる…

「迷惑かけなければ抗議の意味ない」

日本学術会議の会員任命拒否問題に抗議して、10月7日付で佐藤康宏・東大名誉教授が文化庁有識者会議(登録美術品調査研究協力者会議)の座長を辞任したという。昨日12月15日付東京新聞にも望月衣塑子記者の署名入り記事があった。以下、引用。【独自】「首相…

ウーマンラッシュアワーのこと

ふだんフジテレビは見ないが、昨晩はたまたま家事の合間に「THE MANZAI」の冒頭を見た。アンタッチャブル、相変わらず笑えるなあ、とか、ミルクボーイ、今日はいまいちだったなあ、とか……何人か見て、終わりにしてしまった。あとで、ウーマンラッシュアワー…

時事スガ川柳

日本学術会議の任命拒否の「黒幕」登場から中曽根元総理の葬儀に関する弔意通達、梶田会長の表敬訪問……と続いた先週。国会を開かず、まだ所信表明演説もしていないのに、問題噴出のスガ総理は外遊に出てしまった。訪問先の国には申し訳ないが、このコロナ禍…