ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

トルストイ

トルストイ『文読む月日』5

毎度引用している、北御門二郎さん訳のレフ・トルストイ『文読む月日』(ちくま文庫)の原題は「КРУГ ЧТЕНИЯ(クルーク・チテーニャ 読み物の輪)」という。最も古い訳本は、ロシア文学者・原久一郎さんによる1934年の『一日一善』で、この題名は、1880年代…

市場はいつか牙をむく

国交省の統計不正に関する識者のコメントを最近の朝日新聞から拾ってみた。 『アベノミクスによろしく』(集英社インターナショナル 2017年)の著者で弁護士の明石順平さん。 統計の基になる「生データ」を消しゴムで消す。まさか国の重要な統計でそんなこと…

「認諾」と憲法

12月15日、赤木さんの損害賠償請求訴訟を国が「認諾」という卑劣な手を使って強引に終了させた件は、当事者の赤木さんでなくても、「ふざけるな」という思いだが、ジャーナリストの神保哲生さんが興味深いTweetをしていた。神保哲生 on Twitter: "憲法83条は…

腐敗国家

今日は手短に。 昨日12月15日、森友の文書改竄問題で亡くなった赤木俊夫さんの妻・雅子さんが、真相究明を求めて起こした損害賠償請求訴訟は、国が一転して請求の受け入れを明らかにし、裁判自体が終結することになった。「認諾」という法律用語は初めて知っ…

「開戦記念日」と「愛国心」

昨日12月8日は「太平洋戦争開戦の日」。 作家の伊藤整は、80年前1941年のこの日、報せを聞いて昂奮し、夕刊を買うために新宿へ出かけた。「太平洋戦争日記」にはこう記されているという。……午後一時出かけると田中家の裏の辺でラジオが日米の戦争、ハワイの…

立憲代表選と『文読む月日』4

昨日、日本記者クラブで立憲民主党代表選の立候補者討論会が行われた。衆院選の総括、特に比例区で立憲民主党が得票を減らした一番の原因について尋ねられた候補者4人(逢坂氏は別の質問の回答ですでに「日常活動が足らなかった」と述べている)は以下のよう…

『文読む月日』3

今日は短く。 『次郎物語』の作者下村湖人のことばに 「馬鹿は必ずしも高慢ではない。しかし高慢はすべて馬鹿である」 (『青年の思索のために』) というのがあるらしい。 トルストイ『文読む月日』の11月9日のテーマは、この「高慢」。 (一) 自愛は高慢…

『文読む月日』 2

毎晩トルストイを読むはずが、いかんいかんと思いつつ、ついついため込んでしまい、10月23日からの5日分を昼食後に読んでいたら、現実と交差するような言葉が並んでいた。 十月二十五日 …… (五) ある人を悪人だとか、馬鹿だとか、不正な男だとかいう理由…

トルストイ『文読む月日』より 1

今月からトルストイ『文読む月日』を読んでいる。長く手に入らず、古本も高価だったが、今月初めに入った本屋でたまたま見つけて即刻キャプチャー(誰も買わないって! 笑)。運命的なものを感じて久しぶりに気分が高揚した。 ちくま文庫版で上中下3冊、本文…