ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

中東

「シニシズム」に抗して

ガザの死者が2万5,000人を超えたそうです。去年10月のハマスの「越境攻撃」で亡くなったイスラエル側の死者は、約1,300人と言われているので、こんな数字の対比は嫌なのですが、約20倍の開きがあります。 ガザの死者2万5000人超 戦闘停止めどたたず ロイター…

「戦争機械」と「反戦放送」

先日久しぶりに大きな書店に行って本を買いました。ロシア史研究者の和田春樹さんの自伝というか回顧録『回想 市民運動の時代と歴史家 1967-1980』(作品社)という新刊本に目が留まりました。和田さんと「同時代」を生きたというには、和田さんの方が年齢…

早尾貴紀『希望のディアスポラ』を読んで

イスラエルがガザ地区での戦闘を再開させてから、ほぼ一方的にガザの住民の死傷者が増えています。イスラエルはハマスを根絶やしにするまで戦うと言っていますが、最初に攻撃を仕掛けたのはガザ地区のハマスだったとはいえ、これは本当に「自衛行為」と言え…

ガザで、今……

昨日、今日と、新聞を開くと、イスラエル軍の激しい爆撃が続くパレスチナ自治区のガザ地区で、家族とともに暮らす一人の教師の手記が掲載されています。毎日新聞の社会面にあります。 今朝は寒かったので、初めてストーブを出して火を入れたのですが、この記…

EWサイード『パレスチナ問題』序より

パレスチナ出身で学者・文芸批評家のエドワードWサイードが亡くなって20年になります。最近はあまり本屋にも行っていないのですが、一時のように著書を目にすることが少なくなって、だんだんと忘れられてきている気もします。イスラエルとハマスの戦闘が始…

「歴史の真実」と「数字の政治学」

「歴史の真実」とは何なのか。そしてまた、「真実」は自分の側にだけあるという思考は、結局どこに向かうことになるのか。 ――昨日の朝、毎日新聞を見ていて、栗原俊雄さんの記名記事が目に留まりました。関東大震災から100年を迎える今年の9月1日。それは震…

W杯サッカー ドイツに勝利すれど……

カタールで開催中のW杯サッカーでサウジアラビアがアルゼンチンに勝って「おーっ」と思いましたが、今度は何と日本がドイツに勝ってしまいました。もし、ドイツに勝てるとしたら初戦しかない、チャンスはあるかも、くらいには思っていましたが、本当に勝つと…

「ウクライナのハチ公」から一週間

ちょうど1週間前、ロシア兵に殺された飼い主を玄関で待ち続けている秋田犬がいることを知りました。犬の名前は本当はリニというそうですが、「ウクライナのハチ公」の名で呼ばれ、写真や動画が拡散しました。3日後、新しい引き取り手が見つかったそうです。…

「I am not NAKAYAMA」

2019年12月、アフガニスタンで長年、用水路の建設や医療活動に取り組んできた中村哲さんが銃撃されて亡くなった。生前、中村さんは、「どんな山奥に行っても、日本人であることは一つの安全保障であった」と言っていた。それは、もちろん日本に平和憲法があ…

「I am KENJI」「I am not ABE」

昨日1月30日は、今から6年前の2015年にフリージャーナリストの後藤健二さんがIS(イスラム国)によって命を奪われたとされる日。古賀茂明さんが1月26日付AERAの連載で記事を書いている。 古賀茂明「菅政権で忘れられた英雄たち」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA d…