ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

中東

日本にとっての「戦争と悲惨性」

今朝NHKのニュースを見ていたら、イスラエルのある世論調査が紹介されていて、それによるとイラン攻撃を支持すると答えた人が70%(反対13.4% タイミングが悪い10.1%)で、ユダヤ系イスラエル人に限れば82%が支持すると答えたそうです。直前まで懸念さ…

……そして、恨みだけが残る

イランとイスラエルの戦闘を伝える報道を見ていると、日常に溶け込んだ戦争に違和感というか、やるせない気持ちになります。自国の安全とか、国家の威信とか何とか、自国民を煽る物言いには事欠きませんが、事実は、昨日まで普通に暮らしていた人々が、この…

トランプ先生の総合的な学習の時間

久しぶりに戯れ言をひとつ。 トランプ先生 さて、今日の授業は昨日の続きで、「メイク・アメリカ・グレイト・アゲン」の2回目だ。昨日は、どうすれば、わが国は再び偉大な国になれるのかという話をしたね。いろいろな手があるが、関税政策について、簡単に言…

「不動産に詳しい」が「歴史を知らない」大統領の妄言

「米国はガザを統治する。ガザを所有し、不発弾などを解体し、敷地を整備し、破壊された建物を撤去し、経済発展によって多くの雇用と住居を提供する。……“中東のリビエラ”と言われるような素晴らしい場所になる可能性を秘めている」――トランプ米国大統領の妄…

「ホロコースト」と「国防」

この夏からお目見えした新刊雑誌『地平』の最新号に、日本で暮らすイスラエルの退役軍人ダニー・ネフセタイさんのインタビュー記事があります。表題は、「なぜイスラエルは戦争をやめないのか」ですが、現状では「戦争」というよりは「虐殺」ですし、もし立…

イスラエル駐日大使の投稿について

11日、今年のノーベル平和賞に日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)が選ばれ、大きな反響がありました。受賞の報せを受け、箕牧智之(みまき としゆき)代表委員が記者会見で、「パレスチナのガザ地区で、子どもが血をいっぱい流して抱かれているのは、80…

戦争に加担しない覚悟

この話は全然知らなかったのですが、今年の6月、京都市のあるホテルにイスラエル国防軍(IDF)所属の男性が宿泊予約を入れましたが、ホテル側の意向を受けてキャンセルすることになりました。ホテル側は、イスラエル軍のガザでの破壊・虐殺行為が国際人道法…

ヤコヴ・ラブキン『イスラエルとパレスチナ』

「10月7日」から1年。事態が終息する見通しは立ちません。それどころか戦禍はガザにとどまらず、なお拡大するかの情勢です。昨日の夕方、膨大な死者数と負傷者数、瓦礫の山と化したガザ地区の様子を伝えたNHKのアナウンサーは、何もできない自身と国際社…

新聞を読んで

むかしNHKラジオに「新聞を読んで」という番組があり、わりと楽しみにしていた記憶があります。調べてみると、1953年から始まり、東日本大震災が起こった2011年3月末まで、半世紀以上も続いていたようです(震災と番組終了は無関係です)。今でも装いを変…

「自分には何ができるか」

5月3日の今日は憲法記念日です。1947年のこの日に新憲法(日本国憲法)が施行されて、77年。憲法遵守義務のある公務員の頂点に立つ総理大臣が、率先して憲法を変えようと呼びかけ、他方で、「立憲民主党」なる名の政党ができるくらいですから、この間、この…

「シニシズム」に抗して

ガザの死者が2万5,000人を超えたそうです。去年10月のハマスの「越境攻撃」で亡くなったイスラエル側の死者は、約1,300人と言われているので、こんな数字の対比は嫌なのですが、約20倍の開きがあります。 ガザの死者2万5000人超 戦闘停止めどたたず ロイター…

「戦争機械」と「反戦放送」

先日久しぶりに大きな書店に行って本を買いました。ロシア史研究者の和田春樹さんの自伝というか回顧録『回想 市民運動の時代と歴史家 1967-1980』(作品社)という新刊本に目が留まりました。和田さんと「同時代」を生きたというには、和田さんの方が年齢…

早尾貴紀『希望のディアスポラ』を読んで

イスラエルがガザ地区での戦闘を再開させてから、ほぼ一方的にガザの住民の死傷者が増えています。イスラエルはハマスを根絶やしにするまで戦うと言っていますが、最初に攻撃を仕掛けたのはガザ地区のハマスだったとはいえ、これは本当に「自衛行為」と言え…

ガザで、今……

昨日、今日と、新聞を開くと、イスラエル軍の激しい爆撃が続くパレスチナ自治区のガザ地区で、家族とともに暮らす一人の教師の手記が掲載されています。毎日新聞の社会面にあります。 今朝は寒かったので、初めてストーブを出して火を入れたのですが、この記…

EWサイード『パレスチナ問題』序より

パレスチナ出身で学者・文芸批評家のエドワードWサイードが亡くなって20年になります。最近はあまり本屋にも行っていないのですが、一時のように著書を目にすることが少なくなって、だんだんと忘れられてきている気もします。イスラエルとハマスの戦闘が始…

「歴史の真実」と「数字の政治学」

「歴史の真実」とは何なのか。そしてまた、「真実」は自分の側にだけあるという思考は、結局どこに向かうことになるのか。 ――昨日の朝、毎日新聞を見ていて、栗原俊雄さんの記名記事が目に留まりました。関東大震災から100年を迎える今年の9月1日。それは震…

W杯サッカー ドイツに勝利すれど……

カタールで開催中のW杯サッカーでサウジアラビアがアルゼンチンに勝って「おーっ」と思いましたが、今度は何と日本がドイツに勝ってしまいました。もし、ドイツに勝てるとしたら初戦しかない、チャンスはあるかも、くらいには思っていましたが、本当に勝つと…

「ウクライナのハチ公」から一週間

ちょうど1週間前、ロシア兵に殺された飼い主を玄関で待ち続けている秋田犬がいることを知りました。犬の名前は本当はリニというそうですが、「ウクライナのハチ公」の名で呼ばれ、写真や動画が拡散しました。3日後、新しい引き取り手が見つかったそうです。…

「I am not NAKAYAMA」

2019年12月、アフガニスタンで長年、用水路の建設や医療活動に取り組んできた中村哲さんが銃撃されて亡くなった。生前、中村さんは、「どんな山奥に行っても、日本人であることは一つの安全保障であった」と言っていた。それは、もちろん日本に平和憲法があ…

「I am KENJI」「I am not ABE」

昨日1月30日は、今から6年前の2015年にフリージャーナリストの後藤健二さんがIS(イスラム国)によって命を奪われたとされる日。古賀茂明さんが1月26日付AERAの連載で記事を書いている。 古賀茂明「菅政権で忘れられた英雄たち」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA d…