ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

民主主義

政治家のスキャンダルとお国柄

元英国首相のトニー・ブレアさんの回顧録を読んでいます。上巻を読み終えて、一昨日から下巻に入ったのですが、なかなかおもしろい話がいろいろと書かれています。「自伝」に書いてあることをそのまま真に受けてはいけないと言う人もいますが、ない「事実」…

杉田水脈氏の「教育勅語」

webを眺めていて、自民党の杉田水脈衆院議員がX(ツイッター)に、教育勅語には「なに一つおかしなことは書かれていません」、児童虐待やいじめの防止に役立つので、「学校の先生にこそ、知ってほしい内容です」と投稿したという話を知りました。これには一…

国会議員の「セーフティーネット」

昨日(11月17日)衆院の憲法審査会で議員任期延長の規定が議論されたそうです。このコロナ禍と物価高・円安下、一般国民の苦境は続きます。中には失業・廃業の危機にさらされる人もいる中、これは、国会議員が緊急事態にかこつけて、自分たちの失職を「防止…

中間選挙を迎えるアメリカ

『宇治拾遺物語』という鎌倉時代(13世紀)の説話集に「猿沢の池の竜の事」という話があります。今は知りませんが、むかしは国語(古文)の教科書にも載っていた話だと思います。 「鼻蔵」と呼ばれる僧侶が若いときに、奈良にある猿沢の池の端に、「◇月◇日、…

気の早い岸田政権の「総括」

泥沼と化した統一教会問題に足をとられる岸田政権。国民からそっぽを向かれて支持率が急降下し、反転に必死です。今度は電気ガス料金の負担軽減など総合経済対策を打ち出すようですが(自民党から額が少ないと言われて、何と4兆円!も積み上げるとのこと)、…

「胡錦濤退席」の意味

10月22日に閉幕した中国共産党大会の閉幕式の出来事が憶測を呼びました。胡錦濤前総書記が党規約改正案などの採決前に突然退席したのですが、同行者に腕を抱えられている様子がいかにも本人の意思に反しているように映ります。当局発表では胡氏の(突然の)…

京都・大山崎町のこと

京都の南部に山崎の合戦の地として知られる大山崎町があります。宇治川沿いの京都競馬場から見ると、さらに西、桂川、木津川と合流する辺りです。関西の人にとっては、町の北側に天王山があることもあって、馴染みがあるかもしれませんが、東の人間には、「…

沖縄知事選のこと

昨日(9月11日)沖縄県知事選が終わりました。早々に玉城候補の当選確実が出たことには安堵しました。でも、あえて失礼な言い方をすれば、対立陣営の「敵失」で勝たせてもらったようにも思えます。まず、もし、早い段階で対立候補が一人に絞られて一騎打ちに…

ゴルバチョフ氏のこと

8月30日、旧ソ連の指導者ゴルバチョフ氏が亡くなりました。振り返ってみると、同時代を生きた政治家の中で、最大の敬意を表したいと思わせる唯一の政治家かもしれません。 調べてみるとたぶん1980年頃なので、当時、小生はまだ学生だったと思うのですが、ブ…

過半数と国葬

今日も短く。 土曜日に町内会の役員会があり、コロナ感染の収まりが見えないため、秋のお祭りは今回も中止と決まりました。決定が遅すぎたくらいですが、もう2ヶ月くらい前から今年も無理そうだという雰囲気はありました。でも去年、その前年と、過去2回休止…

続 国葬問題

政府が安倍氏の国葬をすると言い出したとき、こんな疑惑だらけの大嘘つきを国葬にする必要はないと思いました。しかし、その一方で、歴代最長政権の首相だったから国葬にふさわしい、などと説明されると、多くの人は、そりゃそうかな、と思うかもしれないと…

「国葬問題」の国対ヒアリング

昨日(8月9日)、8月5日に続く2回目の「国葬問題」に関する国対ヒアリングがありました。 まず、「国葬」に要する費用です。これは予備費で賄うとされていますが、補正予算を組まずに予備費から出すのでは予算の使途を国会が事前にチェックできません。「国…

国葬の「踏み絵」効果

「二度目の梅雨明け」の炎天下に共同作業が入って朝からけっこう忙しかったです。今日も短く。 日本人は和を尊ぶとよく言われます。これが個性を押し潰す同調圧力のスローガンとしてよく利用されるので、あまり真に受けるわけにもいきませんが、百歩譲って、…

これは「民主主義への挑戦」なのか?

8日に安倍氏が銃撃されて亡くなった件をめぐり、メディアや政治家たちから「言論の自由の封殺、民主主義への挑戦」という言説があふれていることには違和感をもっています。警察発表によれば、逮捕された容疑者の話から出てくる動機に、政治的意図を感じさせ…

7月7日から8日のこと

昨日は七夕。夜は雲が多くて天の川はよく見えませんでした。 昨日の昼前に妹が線香をあげに来て、話をしていたら「今日7月7日は旦那の誕生日なのよね」と言います。義兄として恥ずかいことに、初めて知りました。そこでお祝いに?と、人からもらったメロンや…

政治家の暴言を黙認する国

「弱い子がいじめられる。強いやつはいじめられないんだって。違いますか。国もおんなじよ」――止めどなく続く麻生太郎・自民党副総裁の暴言。昨日のは特にひどかった。暴言もここに極まれりとさえ思います。メディアがいくら「選挙妨害」にならないよう批判…

バカロレアの哲学の問題を見て

日本の子どもたちは夏休みまであと3週間ですが、欧米の子どもたちの多くはすでに夏休み入っているようです。ということは、先月は年度の節目の試験期間に当たっていたはずです。フランスの高校生などは、最後の難関である修了資格試験バカロレアを受けないと…

ある講演 桑名・夏

今日は短く。 自民党副総裁・麻生太郎氏が昨日(7月1日)三重県桑名市内で講演したそうです。発言の一部を知っていやーな気分になりました。 「政治に関心持たず生きていける国は良い国です」自民・麻生太郎氏 [参院選2022] [自民]:朝日新聞デジタル 以下は…

「政治的無関心層」と投票権格差

哲学系YouTuberのじゅんちゃんさんの動画を見ました。れいわ新撰組やNHK党、最近では参政党といったいわゆる「新興政党」はカルト的要素を抱え込まざるをえない土壌があると言っています。「カルト」というと、私的にはどうしてもオウム真理教を思い起こして…

元名護市長・稲嶺進さんの記事

今日、沖縄は日本復帰50年を迎えました。50年前には、小生の住む千葉県の田舎の役場にも「沖縄返還」の垂れ幕が掛かっていて、毎日学校の行き帰りにそれを見ていた覚えがあります。しかし、それがどういうことなのか、子どもにとっては、何かめでたいことら…

民主主義は「神の摂理」…とはいえ

加藤哲彦さんが運営する「トイビト(問い人)」に、「民主主義は生き残れるか」と題した政治哲学者・宇野重規さんのインタヴューがあります。これはいい企画で、大変勉強になります。以前、前編を読んでから後編を楽しみにしていたのですが、5月9日付ですで…

沖縄復帰50年 あるハンスト

1972年5月15日に沖縄は日本に「復帰」しました。それからもう半世紀です。先月28日には衆議院で復帰50年についての決議が上げられました。しかし、「強い沖縄経済と平和創造の拠点としての沖縄をつくる」という見出しには、今さら感しかありません。「惰性」…

「大洪水よ、わが亡き後に来たれ」

昨日、新年度最初の地区の役員会に行きました。参加者の大半は小生よりも年長ですが、みんな元気で口も達者です(笑)。しかし、今後1960年代から70年代生まれ以降の世代へとスムーズに世代交代をしていけるかどうか、若者人口が減少傾向にあるなか、地域運…

「ヤジ排除訴訟」判決のこと

昨日の昼、テレビ・ニュースで「ヤジ排除訴訟」の札幌地裁判決を知りました。原告は、3年前、札幌で、街頭演説中だった当時首相のアベシンゾーに「アベ、やめろ」とヤジを飛ばした男性と、「増税反対」と叫んだ女性で、二人は警察官によって強制的に別の場所…

ゼレンスキー演説を見て

昨日の夕方、テレビでウクライナのゼレンスキー大統領の日本(国会)向け演説を見ました。注目度が高かったのか、NHKも主要民放もみんなLIVE中継をしていて、放送していなかったのは、Eテレとテレ東と、あとは(小生の見ているチャンネルでは)千葉テレ…くら…

ファシズムはイデオロギーなしに成立する

岩波書店編集部の「なみのおと」チームが公開しているnoteに、ロシアの作家・文芸批評家、ドミートリー・ブィコフ氏が、ロシアのウクライナ侵攻が始まった2日後の2月25日、ラジオの持ち番組「モスクワのこだま」で2時間近く語った話の抄訳が掲載されています…

2.22 山本太郎の不定例記者会見より

昨日2月22日、2022年度予算案が衆院本会議で採決されましたが、れいわ新選組の山本太郎代表ら3人が壇上から抗議しているシーンを見ました。まあパフォーマンスといえばそうなのでしょうが、「懲罰」だと騒ぐほどのことなのかなとも思いました。 予算案採決…

地方紙のジャーナリズム 千葉日報社問題

「千葉日報」は14万5千余りの発行部数をもつ千葉県の地方紙です。ちなみに、メディアバリューの調べでは、千葉県の新聞各紙の発行部数を多い順に並べると以下のとおりです。・読売新聞 681,599 ・朝日新聞 360,721 ・千葉日報 145,150 ・日経新聞 120,530 ・…

「プロメテウスの火」

昨日散歩をしていたら微かに焦げくさいにおいがしました。野焼きをした辺りの農道を歩いていたせいかもしれません。それで、父親の話を思い出したのですが、生前、父親は、稲刈り後の枯れた二番穂を燃やしていたら、誰かに通報されてしまい、警察から注意を…

傍観と暴力 名護市長選が終わって

昨日栃木県で腹立たしい事件がありました。電車内で高校生に喫煙を注意された男が逆上して暴行をはたらいたとのこと。しかも、同じ車両に何人乗っていたのかわかりませんが、乗客は誰も助けなかったというのです。ひどい話です。暴行を受けた高校生と家族の…