ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

2025-01-01から1年間の記事一覧

斎藤真理子『韓国文学の中心にあるもの』

去年ノーベル文学賞を受賞した韓国の作家ハン・ガンさんの著作をいくつか読んでいて、部分的に何か胸に落ちないというか、いまひとつしっくりこないところもあったので、本屋の棚にこの本のタイトルを見たとき、読めば何かしらわかるような気がしたのです。…

「強い国」の愚かな選択

今朝の毎日新聞9面に「論点 殺傷武器の輸出解禁」をめぐり、3人の識者のコメントが掲載されていますが、これは9条に基づく「平和国家」の否定、実質的な「改憲」に行き着くとした小野塚知二さんのコメントに心より賛同します。これは多くの方に読まれるべき…

台湾有事は存立危機事態に当たらない

今朝の毎日新聞の「時評フォーラム」の森健さんの記事が目に留まりました。森さんによると、高市首相の例の「台湾有事の存立危機事態」発言について、元内閣法制局長官の宮崎礼壹氏は、「法的に見て、台湾有事に存立危機事態の成立の余地はないのではないか…

中道は独裁への道を掃き清める

酒井隆史・山下雄大編『エキストリーム・センター』を読みました。少々手を広げている感じもしますが、興味深いことがいろいろと書かれています。 「エキストリーム・センター」とは「極中道」「過激中道」という意味で、「極右」や「極左」になぞらえた過度…

核保有(すべき)発言は一発アウトでしょ

自宅の近くに大銀杏があります。毎年黄色くきれいに色づいてくれて、しばらく秋の深まりを感じるのですが、一点だけ問題なのは落葉するということでして(笑)、位置関係や風向きからして一番被害を受けるのは我が家なもので、庭に散乱した葉っぱはともかく…

トランプ大統領の緊急TV演説

今日はごく短く。 昼にTVを見ていたら、米国のトランプ大統領が国民向けの演説をしたというニュースがあって、「はて、何か起こったのだろうか?」と思いながら眺めていたら、内容は単なる自画自賛とバラマキの告知で、苦笑してしまいました。前日にはある…

サナヒロ時事党首会談

今日は今年最後の戯言対談です。漫才みたいですけど、何とか笑って年を越せますように(まだ2週間ありますが) 高:いつも大阪くんだりから来てもらって悪いなぁ。 吉:いやいや、僕も東京で名前を売っとかんと。なかなか大阪以外で知名度が上がらんもんやか…

マムダニに投票した理由

今朝の新聞で、現在ニューヨーク在住の作家・平野啓一郎さんのリポート記事を読んで、ニューヨークの新市長に当選したマムダニ氏と彼に投票した有権者の一人の言葉に感心しました。平野さんはこう書いています。 平野啓一郎:マムダニ旋風と新しい政治思潮 …

「身銭を切る」改革をしよう

今日は短く。 今朝の毎日新聞・日曜朝刊の連載コラム「松尾貴史のちょっと違和感」に、キャバクラに行った代金を政治資金から出していた日本維新の会の奥下剛光(たけみつ)衆院議員や青島健太参院議員のことが取り上げられています。他紙情報によれば、奥下議…

高市「台湾有事発言」再考

11月7日の衆院予算委員会の高市首相の「台湾有事発言」について、立憲民主党の辻本清美参院議員から出された質問主意書に対する政府の回答(答弁資料)からは、これは従来の政府見解に沿ったものではなく=「逸脱」であり、高市首相が答弁書にない内容を自身…

「国旗損壊罪」を正当化する立法事実とは

本当は昨日ブログに書けばよかったのですが、昨日の毎日新聞・朝刊に「国旗損壊罪」新設案についての特集記事がありました。自民党と維新の会の連立合意書でも法改正がうたわれ、参政党も法案を出しています。 「日本国に対して侮辱を加える目的で国旗(日の…

「流行語大賞2025」と神田伯山

今日はごく短く。 どうでもいい話ではありますが、「新語・流行語大賞」というのがあって、今年の年間大賞は高市首相の「働いて×5 まいります」なんだそうです。選考委員の一人でもある、講談師の神田伯山氏は、これは日本初の女性首相との「合わせ技」だと…

自然成立条項入り 自維のすごい法案

まさか、まさかと思っているうちに、自民党は党内手続きを終えたと称しておりますが、自維連立与党の言う衆院議員の定数削減法案って、これ、法律案としてどうなんでしょうか。かりにも立法権限をもつ人たちが大勢集まり、知恵を集めてつくった代物と言える…

「全世界が見ている」はユートピアか

雑誌『地平』の最新号を眺めていると、一枚の写真に目が留まります。がれきの上に二人の女の子が座って笑っている。背後にあるのは廃墟となった家屋です。キャプションにはガザ南部のハーン・ユニス、アル・カティーバ地区とあります。見ていると既視感のよ…

「ここに用水路を通すばい」 中村哲さん追悼

今朝9:00のアフガニスタンの首都カーブル(カブール)の気温は、調べてみると3℃くらい。12月としては平年並みに近いようです。6年前も同じくらいだったかどうかはわかりませんが、朝、関東近辺の明日の天気と気温の予報を見ていたら、気温だけはそんなに変わら…

ネタニヤフの「恩赦」請求

今朝新聞を眺めていて、「は!?」と思ったのですが、イスラエルのネタニヤフ首相がヘルツォグ大統領に恩赦を請求したという記事を目にしました。「恩赦」っていうのは普通、有罪が確定した人、服役中の人に与えられるものだと思うのですが、ネタニヤフは贈賄…

「サナエこめノミクス」でJA優遇

高市ネタはだいたい同じ結論に行き着くので、もうこれくらいにしときたいのですが、先週の金曜に閣議決定した補正予算は、どう見ても緊急性が乏しく、本来正規の予算枠で対応すべき項目を(いろいろと)忍び込ませていますね。総額は何と約18.3兆円で、その…

「高市節」はやめにしよう

今日は短く。 昨日国会で「党首討論」というのがありまして、首相 vs 野党党首(一人ずつ)で向き合って丁々発止やり合うという場のようですが、持ち時間は最大野党の立憲民主党・野田代表が28分、国民民主党のタマタマが8分、公明党の斉藤代表が6分、参政党…

「農政復古」は誰のため?

石破政権が高市政権に代わり、政策課題にも移行変動がありますが、コメ農政は揺れ(ブレ)が大きくて心配なものの一つです。「令和のコメ騒動」と呼ばれるコメ不足、コメ価格高騰が収まらない中、「減反」をやめて増産へと舵が切られたはずのコメ政策は、再…

上野千鶴子と高市早苗

こんなタイトルを付けたのは、必ずしも二人を比較したいわけではありません。一方は社会学者、他方は政治家にして現首相。年齢も一回りほどちがい、二人のあいだに著名な女性であること以外の共通点も接点も見出せません。しかし、今朝の毎日新聞に上野さん…

原発再稼働を容認してよいのか

東日本の震災と福島の原発事故から今年で14年が過ぎました。まだ帰還困難区域が残り、原発の事故処理も終わっていません。「傷跡」が癒えぬ多くの人々をそのままに、時間だけが過ぎた状況がなお厳然としてあります。しかるに政府とその関係者は、「福島の復…

高市台湾有事答弁 問題の所在

「戦略的互恵関係」というのは、中国嫌いの安倍晋三が第一次政権時代から使い始めた日中間の外交用語と理解していますが、その内容というのが、官僚的というか、平たく言えば、仲は悪くても商取引はしましょうね、ということでしょう。それから約20年もたっ…

「戦艦大和」じゃあるまいし……

今日も短く。 「政策通」という語がありますが、あらゆる政策に一家言をもつ政治家というのはそうはいないでしょう。日本の場合、官僚のつくった(つくらせた)作文の「読み聞かせ」をする政治家が多数ですし、一昔前などは、大臣に任命された後の記者会見で…

ナショナリズムという「魔法」

今日は短く。 高市首相が先日の衆院予算委員会の質疑で、「台湾有事」を「存立危機事態」にあたるという趣旨の答弁をしたことが、中国側をいたく刺激しているようです。中には(高市の)「汚い首」を「一瞬の躊躇もなく斬ってやる」という某中国外交官の反応…

「過ちて改めざる、是れを過ちと謂う」

昨日の参院予算委員会で蓮舫氏が高市首相に、「裏金議員」の一人である佐藤啓・参院議員をなぜあえて官房副長官に起用したのか、「いったん白紙撤回すべきだ」と迫りましたが、拒絶されました。念のためこれに関する質疑を一通り見てから書こうと思ったので…

防衛費増強と軍事研究

朝、東浩紀氏の「AERA」巻頭の「eyes」というのを読んだのですが、共感しないというか、字数が少ないからしょうがないのかもしれませんが、あまりいただけない内容だなと思いました。小生もトランプに媚びる高市を揶揄した口ですが、東氏のお気には召さない…

デマゴーグの逮捕

N党の立花孝志党首がおととい11月9日に逮捕されました。今年1月に亡くなった元兵庫県議の竹内英明さんを中傷したことで、今年6月、遺族から名誉棄損で刑事告訴されていました。それから5か月めのことです。 NHK党・立花孝志氏を名誉毀損容疑で逮捕 元兵庫県…

事件報道に思うこと

今日はごく短く。 最近TVで連日報道されているニュースが2件あると思うのですが、1つは各地で出没を続けるクマのこと。毎日毎日よくもまあ、と思うくらい住宅地や市街地に姿を現しています。ある種の個体はもう山に帰らず、人里に住み着いているのではな…

マムダニの勝利と政治潮流の変化

注目されていたニューヨークの市長選挙は、民主党候補のゾーラン・マムダニ氏の勝利が確実となりました。日本では当確の「ゼロ打ち」というのがありますが、マムダニ氏の場合は35分で当確が出たそうです。市議会議員を2期務めていたとはいえ、当初は支持率1…

PTA再考記事を読んで

最近ブログで毎日新聞の記事の論評ばかりやっていて恐縮ですが(苦笑)、今朝の毎日新聞の一面トップは、公立学校のPTA会費が公費(学校の管理運営費)の穴埋めとして使われている実態を伝えるものでした。 PTAの学校寄付5.9億円 24年度94自治体 公費補完…