ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

参院選の投票に向けて

 東京都議会選が終わって、次は来月の参議院選挙です。昨日7月3日公示、20日投開票の日程が正式に閣議決定されましたが、この投開票日には小生も「んっ?」と思いました。三連休の中日です。今朝の毎日新聞には、三連休の中日に投開票日が当たるのは史上初。子どもたちの夏休みが始まる時期と重なり、家族旅行やレジャーに出かける人が多いと予想されることから、投票率が下がる可能性もあり、組織票頼みの自公政権が、あえてこの日を当てたのではないかという声を紹介する記事があります。ある大学生の声です。
3連休「中日」の参院選は史上初 「投票率下がる」の予想は本当か | 毎日新聞

……「姑息な手段を使ってでも、自民党は生き残りたいんですかね。不満があります」。大学1年の男子学生(19)=横浜市=はそうつぶやいた。ネット上では、内閣支持率が低迷するなかで連休中に参院選を行うことに「無党派層を投票に行かせないためだ」「組織票のある与党が有利になる」といった声も上がっている。
 地元の仙台市に今も住民票があるという男子学生は、投票のために地元に戻る予定だ。「期日前投票もあるので、意地でも投票には行くつもり。僕が上京して親の負担になっている面もあるので、手取りが増えるような政策を掲げる政党に期待したい」……。

……「手取りが云々」とありますが、小生個人の意見としては、玉木さんの党はやめといた方がいいと思いますが(笑)。まあ、それはさておき、三連休の中日を投票日にすると、有権者の投票行動にどんな影響があるのか(ないのか)。記事には、期日前投票をする人が増えているので、さしたる影響はなさそうだし、政権側もあえてこの日なら投票率が上がらないで済むぞ、などと考えたわけではないでしょう、という(元自民党職員の!)コメントもありました。狙ってこの日にしたかどうかはもちろんわかりませんが、しかし、逆に考えると、投票率を少しでも上げたいという気持ちがあれば、下がる要素や可能性がありそうな日は極力避けるでしょうし(この日にしたら、疑いの目を向けられるのは明らかで、それを承知の上だとすると)、「不作為の作為」じゃないですけど、自公政権自身に投票率を上げようという気がないことだけは確かだろうと思います。

 同じく今日の毎日新聞には、「白票」に意義はあるか、という記事もあり、識者3人のコメントが掲載されています。小生的には、白票が投票数の〇割を超えたら、当該選挙は無効になるとか、何か規定があるのならともかく、実際上、白票は委任状に等しいわけですから、現実に何かを変える力にはなり得ず、現状の追認と忍従以外の効果はないでしょう。その意味で、3人のうち、政治学者の岡田憲治さんの意見には賛成しますが、あとの2人の意見、すなわち白票に込められた意味を真剣に受け止めるべきというのは、世論分析の意義は認められても、行為としては「甘え」でしかないと思うのです。
 岡田さんのコメントだけ一部、引用させてください。
論点:「白票」に意義はあるか | 毎日新聞

「白票も立派な政治意思の表現だ」と考える人に申し上げたい。政治や投票は、あなたの「自己表現」の場ではない、と。
 白票を投じる人の多くはむしろ政治的意思表明をする気持ちのある人だろう。政治不信や絶望ゆえ白票に抗議の思いを込める。「日本人が米を食べられないような政治なんてダメ。与野党含め、手を貸してたまるものか。俺の心のけじめとして白票だっ!」と。
 まさに切実で誠実な「自己表現」。しかし、選挙では「今のままの政治で良いです」という意思としてカウントされるだけ。白票も棄権も沈黙も、すべて同じ。「現状に不満なし」の信任投票とされてしまうのが政治の力学だ。…… 
……応援したい候補者がいないから白票、という人もいる。気持ちは分かる。私も今度の参院選で心底応援したい候補はいない。しかし、一番当選させたくない候補者に不利な投票をするのが肝心だ。だから私は鼻をつまんででも、よりましな候補者名を書くだろう。
 そんな投票は不誠実だって? いや、純粋な気持ちを優先し、白票を投じれば、最も応援したくない政治家を当選させるのに加担する、という「不純」な結果を招くのが、選挙ってものなのだ。
 そもそも普段、私たちはそこまでイノセントに暮らしているだろうか。職場で、ママ友との付き合いの中で、ハレーションを起こさないよう、空気を読み、判断し、時には心にもないことを言い、うまく落としどころを模索しようとしているではないか。つまり「政治」をしているではないか。
 それなのになぜ、投票という場面になると、無意味なイノセンスを発揮しようとするのか。……
……「白票だって意思のこもった表現だ」なんて熱く純粋な思いは、結局、投票率が下がることでほくそ笑む者たちに利用されておしまいなのだ。

 まず、投票率が上がることが第一ですが、せっかく投票に行く人が増えても、白票では意味がないですし、誰か(政党)に投票するにしても、小生個人としては、自公のような「宗教勢力」の組織票(アシスト)頼りの政党とその候補者に投票する人が増えても、国政上の課題は前に進まない。要するに、我々全体としては今後も不幸な現実に忍従させられると思っています。



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