ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

千葉県知事選挙のこと

 千葉県知事選にN党の立花孝志が立候補しています。迷惑な話です。小生の住んでいるような田舎にまで本人が来て「演説」するようなことはないにしても、テレビの電波は届きます。見たくもないのに政見放送で「醜悪」なものを見せられるのは苦痛です。立花個人がNHKというか、テレビや新聞に怨恨をもつのは勝手ですが、300万円(供託金)払えば、(政見放送で)好き勝手なことを言えるというのは、見たい人、応援したいという奇特な方にはいいかもしれませんが、付き合わされる他の県民にとっては、はっきり言って「ハラスメント」です。
 しかも、相変わらず事実かどうかもわからないような内容のオンパレードで、いまだに亡くなった兵庫県の前局長を侮蔑するようなことを言っていますし、故人の「パソコンの中を確認した」と言っていますが、これって「証拠品」として兵庫県が押収したパソコンのことでしょう。何で立花が「(人から聞いたではなく)私はちゃんと(中身を)確認をしました」などと断言できるのか。処分された兵庫県の維新議員は文書だけでなくパソコンまで(盗んできて)彼に渡したってことでしょうか。いいかげんこういう「暴走」は止めないとまずいと思います。
 一応「資料?」として以下に動画をつけておきますが、興味本位でも見ない方がいいかも知れません。
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 千葉県の知事選は先月27日に公示されました。立候補者が県内各地で第一声を上げたという新聞記事をどこかで見ました。それによると、立花は船橋駅の南口に姿を見せたそうですが、何で最初に船橋なのかと知人と話をしていたら、立花は以前船橋市の市議を務めていた時期があるらしいのです(2015年 翌年辞任)。でも、それだけではないでしょう。ここでは書きませんが、係争中の裁判も念頭にあるはずです。

 とはいえ、彼には千葉県内に相応の「地盤」があるわけではなく、その後はなぜか兵庫県に現れて、街頭演説などの「選挙活動」をしているようです。何で千葉県の知事選なのに兵庫県なのか、そう尋ねられた立花はこう答えています。3月5日付FNNプライムの記事からの引用です。
https://www.fnn.jp/articles/-/838344

立花孝志候補:
……選挙に出て訴えたいこと、みんなあるじゃないか。でも、当選を目的としなければならない、なんて付いたら自由な言論ができない。
もちろん千葉県知事を選ぶ選挙ですが、立花候補は遠く離れた兵庫・尼崎市で街頭演説を行っていました。

立花候補に兵庫県で選挙活動をしている理由について聞きました。

立花孝志候補:
千葉県の選挙は千葉でやらなくてはいけないという法律はないし、そもそも法律には「当選を目的としなきゃいけない」とか「千葉の選挙で出たら千葉で当選を目的とするための運動をしなくてはいけない」と書いてないですよね。

 「法律に書いてないからやっていい」――事細かに書き切れないのが法律のならいですし、そう仕向けないのが社会のあり方だと思いますが、それにしたって、なぜこの法律(条文)を定めるのかという「趣旨」はたいがいの法律の冒頭に書いてあります。公職選挙法ならば、第1条の目的に「……選挙が選挙人の自由に表明せる意思によつて公明且つ適正に行われることを確保し、もつて民主政治の健全な発達を期する」と書いてある。「被選挙人」(立花)の「自由」についてでなく、「選挙人」(有権者)の自由について(まず)書いてあるのは記憶しておいていいことです。
 立花は「当選を目的としなければならない、なんて付いたら自由な言論ができない」と言っていますが、逆に、知事選に出なければ「自由な言論」ができないわけではありません(しかも、彼の「自由な言論」によって身の危険にさらされた/さらされている人もいます)。彼にはもともと当選する気はないわけですから、「選挙人」側の自由など眼中にないし、そもそも自身についても「被選挙人」という自覚はないのかも知れません。お金で街頭演説をする資格と公共放送の枠を買って、好き放題しゃべる「自由」のお墨付きを得たと。で、内容は酔っ払いが周りにからんでいるような話ばかりです。このように彼が次々と立候補を繰り返せるお金がいったいどこから出ているのか(スポンサーがどこなのか)、疑問をもちます。

 政見放送について言えば、(投票の参考にと)TVを見る側にとっては、兵庫県の知事の話ほか、まるで関係のない話を聞かされ、醜悪なパフォーマンスを見せられる6分間です。見たくなきゃ見なければいいといっても、期間中は繰り返し放送されるわけで、その度ごとに不快に思う人は少なくないはずです。これは放送網の関係で、他都県の人もきっと目にしていることでしょう。県内はもとより、関東圏の子どもだって見ているかも知れません。子どものようなおとなが(とっちゃん坊やという言葉がありますが)、子どもでもやらない自己顕示に精を出して、悦に入る――彼は自分の子どもが同じことをしても、世の中に貢献している「立派な人間」だと思うんでしょうか。ため息がでます。
 公共放送としてのNHKについて考えるべき点はいくつもあります。そういう意味では、彼にも社会に問題を投げかけている時期がなかったわけではないと思いますが、あるときからネジが外れました。次もまたどこかの選挙に出るのかも知れませんが、「立花孝志から国民を守る」党でも出てきてほしいと、嫌みの一つも言いたくなります。

 明日、期日前投票に行こうと思っていますが、投票率が気にかかります。



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