ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

言論・表現の自由

「錯誤」のなかでフタがとれ

この国の政治の潮流、世の風潮の潮目が変わったというのは、この2ヶ月でたびたび感じるところです。フタがとんだ、とか、重しがとれた、という表現が言い得ているように、この数年間、報道・ジャーナリズムや学校教育をはじめ、いろいろなところを蔽っていた…

ゴルバチョフ氏のこと

8月30日、旧ソ連の指導者ゴルバチョフ氏が亡くなりました。振り返ってみると、同時代を生きた政治家の中で、最大の敬意を表したいと思わせる唯一の政治家かもしれません。 調べてみるとたぶん1980年頃なので、当時、小生はまだ学生だったと思うのですが、ブ…

これは「民主主義への挑戦」なのか?

8日に安倍氏が銃撃されて亡くなった件をめぐり、メディアや政治家たちから「言論の自由の封殺、民主主義への挑戦」という言説があふれていることには違和感をもっています。警察発表によれば、逮捕された容疑者の話から出てくる動機に、政治的意図を感じさせ…

報道の暗中模索、五里霧中

まだ、昨日の「余韻」をひきずったままです。 うまく表現できないのですが、一年前に父親が亡くなったときの得も言われぬ喪失感に似ています。あのときは夜中にかかってきた電話で「心肺停止」と言われ、病院に直行しました。応対した看護師に「大丈夫なんで…

7月7日から8日のこと

昨日は七夕。夜は雲が多くて天の川はよく見えませんでした。 昨日の昼前に妹が線香をあげに来て、話をしていたら「今日7月7日は旦那の誕生日なのよね」と言います。義兄として恥ずかいことに、初めて知りました。そこでお祝いに?と、人からもらったメロンや…

侮辱罪厳罰化と匿名性について

「侮辱罪」を厳罰化(「適正化」)する改正刑法が一昨日(6月13日)の参議院本会議で成立しました。SNSで誹謗中傷を受けてきた人々、とりわけそのことで命を絶った人の遺族、関係する人たちは、この間身を削る思いで法改正に取り組んできたと思います。その…

戦争をしようとする国家は戦争の前に何をするか

ロシアのウクライナ侵攻開始後、ロシアの文化人たちの語りを精力的に翻訳してきた奈倉有里さんのインタヴュー記事が、5月29日付朝日新聞にあります。 ロシアで現在、一般の人々がどういう状況におかれているか、職を失ったり、徴兵の恐怖におびえたり、ウク…

斉加尚代さんの話

昨日の午後、畑で草刈りをしていたら、子どもたちがぞろぞろと下校してきました。4、5人の小学生が道ばたのソテツの周りに集まって何かを探しているようです。何だろうと思いながら、遠くで様子を見ていると、どうやらお目当てはトカゲ(カナヘビ)のようで…

報道の自由度ランキングのこと

人目を気にすることと謙虚であることはイコールではないと思いますが、傍若無人や傲岸不遜な振る舞いをする人にどう言えば、「謙虚」という言葉の意味を理解し、胸に刻んでもらえるか、これはなかなか難しいものを感じます。自省も込めて言うと、周りからそ…

国会で嘘をつく人は処罰しないのか

「テラスハウス」(フジテレビ)に出演していたプロレスラーの木村花さんがネット上の誹謗中傷を受けて亡くなったことなどを受けて、侮辱罪を厳罰化(懲役刑)する刑法の改正案が、先月から国会で審議入りしています。しかし、何を「侮辱」とするのかについ…

島田雅彦さんの叙勲

作家の島田雅彦さんが昨日(4月28日)春の叙勲で紫綬褒章を受けたことを知りました。少し驚きました。 小生の狭い知見の限りでも、島田さんが「学問や芸術分野で功績を残した人」というのは全くそのとおりだと思います。ロシア語つながりの親近感?もわいて…

報道倫理とジャーナリズム

この表題はちょっと大げさかもしれません。でも「真のジャーナリスト」とか、大学でジャーナリズムの担い手を教育しているという文言を見てしまうと、ちょっと看過できませんので、大風呂敷と思いつつこのタイトルで。 3月23日付のダイヤモンドONLINEにアベ…

『文読む月日』7

今日は短く。 トルストイの『文読む月日』の3月27日の欄を見ていて、一昨日の「ヤジ排除訴訟」判決のことを連想しました。改めて、原告の二人と弁護団、関係者、そして、当たり前の判決を出してくれた裁判長に、心から敬意を表します。 3月27日… (四)…人び…

「ヤジ排除訴訟」判決のこと

昨日の昼、テレビ・ニュースで「ヤジ排除訴訟」の札幌地裁判決を知りました。原告は、3年前、札幌で、街頭演説中だった当時首相のアベシンゾーに「アベ、やめろ」とヤジを飛ばした男性と、「増税反対」と叫んだ女性で、二人は警察官によって強制的に別の場所…

ロシア 小学生の逮捕のこと

最初に、昨日の記事について。「イデオロギーなしにファシズムは成立する」という当方の記事に言及してくれた方がおりました。学術的な話には恐縮しますが、ファシズムを…「ただの悪口雑言」にしてしまわないかというご指摘、まことにごもっともと思いました…

ファシズムはイデオロギーなしに成立する

岩波書店編集部の「なみのおと」チームが公開しているnoteに、ロシアの作家・文芸批評家、ドミートリー・ブィコフ氏が、ロシアのウクライナ侵攻が始まった2日後の2月25日、ラジオの持ち番組「モスクワのこだま」で2時間近く語った話の抄訳が掲載されています…

「テレビで会えない芸人」松元ヒロさん

「テレビで会えない芸人」(四元良隆、牧祐樹監督)というドキュメンタリー映画が先月末から東京(ポレポレ東中野)ほかで公開されていることを知りました。 テレビで会えない芸人 : 作品情報 - 映画.com これには立憲・小川淳也さんのドキュメンタリー映画や…

「プロメテウスの火」

昨日散歩をしていたら微かに焦げくさいにおいがしました。野焼きをした辺りの農道を歩いていたせいかもしれません。それで、父親の話を思い出したのですが、生前、父親は、稲刈り後の枯れた二番穂を燃やしていたら、誰かに通報されてしまい、警察から注意を…

ジュース買ってあげるから協力してね

北海道放送(HBCテレビ)が2年前、2020年4月26日に放送した『ヤジと民主主義~小さな自由が排除された先に~』を見ました。2019年7月15日、参院選の応援でJR札幌駅前で演説を始めたアベ晋三(当時首相)に対して、「アベやめろ!」と声を発した男性が十数人…

金平茂紀『筑紫哲也『NEWS23』とその時代』

金平さんの『筑紫哲也 『NEWS23』とその時代』(講談社)を読了した。楽しいことばかり書いてはなかったが、一気に読んだ。 先日来、金平さんのインタヴューのことや筑紫さんの最後の「多事争論」(先日の引用と金平さんの本書での引用がちがうのだが…)のこ…

二つの隠喩

16日土曜、日本史研究者・加藤陽子氏の毎日新聞の記事「近代史の扉」を読んで、世論操作の問題としては奥があり根が深いと思いつつも、端的にはDappi問題のことを連想しないわけにはいかなかった。他にもそういう人はいたのではないか。加藤陽子の近代史の扉…

ビートたけしが襲われた

今日は事情があって手短に。 昨夜ビートたけしが襲われたというニュースを知った。最初は大昔のフライデー襲撃の話か何かと思ったが、「襲った」のではなく「襲われた」のがビートたけしだった。いやはや、昭和の人間であることを痛感したが、怪我がなくて本…

映画「パンケーキを毒見する」上映開始

昨日(7月30日)から上映されている映画「パンケーキを毒見する」がネットで話題になっている。アメリカでは、マイケル・ムーアが2004年に「華氏911」で当時の現職大統領のジョージ・ブッシュjr. を笑い飛ばしたことが懐かしく思い出されるが、ついに日本で…

時事スガ川柳 五輪編

オリンピック開催のさなか、国内にも選手村にもコロナ感染が急拡大し医療現場を逼迫させている。経験したことのない暑さに苦慮する選手も多い。東京五輪への懐疑と危機感を押し流すかのような(押し流したい?)五輪報道があふれかえっているが、そんな中で…

短信 周庭さん、出所へ + 追記

今日は事情があってブログの更新ができそうにないかな……と思っていたら、よいニュース。 禁錮10月の実刑判決を受け、昨年12月より「服役」中だった周庭さんが、今日6月12日に出所する見通しとなったと、11日付の香港紙「明報」が伝えた。模範囚として刑期を…

前川さんの記事2つ 

「憲法の逆さ読み」というのがある。条文を逆の意味になるように変えた上で、改めて読み直してみるという一種のゲームなのだが、普通にそのまま読むよりも憲法条文の重さを感じることができる。確か、半世紀くらい前の教員の授業実践がまとめられた本か何か…

不自由民主党2

秋本真利・衆院議員は、千葉9区選出の自民党議員だが、小生の住む選挙区とはちがうので、予算委員会の中継で座っている姿を見かけるくらいで、人物についてはよく知らない。しかし、「脱原発」を公言している人らしく、昨年末に著書『自民党発!「原発のない…

「自分の言葉で語れない……それが最悪」

たまたま見かけたのだが、高須クリニック・高須克弥氏がTwitterで村上春樹氏のインタヴューに噛みついたのだそうだ。高須院長が村上春樹氏の発言を批判「先生は日本人ですか?」 | 東スポのニュースに関するニュースを掲載 そもそも「日本人ですか?」という…

「国が国民を守らない」——それが何か?

「石橋湛山賞」というのがある。東洋経済新報社の後援で1980年から始まり、人文・社会科学分野の学術本や論文から選ばれるものらしい。今年は山本章子氏(琉球大学)の『日米地位協定――在日米軍と「同盟」の70年』(中央公論新社・新書 2019年)が選ばれた。…

時事スガ川柳

日本学術会議の任命拒否の「黒幕」登場から中曽根元総理の葬儀に関する弔意通達、梶田会長の表敬訪問……と続いた先週。国会を開かず、まだ所信表明演説もしていないのに、問題噴出のスガ総理は外遊に出てしまった。訪問先の国には申し訳ないが、このコロナ禍…