ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

映画「パンケーキを毒見する」上映開始

 昨日(7月30日)から上映されている映画「パンケーキを毒見する」がネットで話題になっている。アメリカでは、マイケル・ムーアが2004年に「華氏911」で当時の現職大統領のジョージ・ブッシュjr. を笑い飛ばしたことが懐かしく思い出されるが、ついに日本でも現役総理をネタにした風刺映画がつくられる時代になったということか。いや、でももしかしたら、これを最後に「冬の時代」になるかもしれない。「表現の不自由展」の妨害を見るにつけ、この国の社会が自由社会であることをみんなの力で証明していかなくてはならないと思う。

 上映開始を記念した対談動画を見た。出演者は、元経産省官僚の古賀茂明さん、元文科事務次官前川喜平さん、東京新聞記者の望月衣塑子さん、本映画の監督の内山雄人さん、進行は伊藤さとりさん(映画パーソナリティ)。以下はその一部。

映画『パンケーキを毒見する』公開記念 真夏の大激論スペシャル 共感シアター特別番組 - YouTube

 古賀こういう映画って、絶対作れないっていう雰囲気があるわけですよね、安倍政権以降…。映画だけじゃなくて、いろいろな言論が制限されているんで。でも、逆に言うと、そういうマーケットがないわけですよ。だから、この映画だけですよね、菅さんというか、現政権をこれだけちゃんと批判できているのは…。そういう意味では、この映画は興行的には売れるわけですよ、希少価値で。でね、角川がこの映画に出資してるんですけど、よくやったなあと思うんですよ、これ。でも、角川の会社の人に聞いたら、それはボランティアでやってるわけじゃないし、政治信条でやってるわけでもないし、もちろんいいものを出したいというのはあるけれども、売れなきゃダメなんだから、我々は売れるという計算をしてやってますって言ってましたよね。
 望月実際菅さんが毎日(テレビに)出ていると、ある意味、「パンケーキを毒見する」の主役が出て宣伝をしてくれていることになるんで、私には、今日の上映で、想像以上に集まった観客の熱気を見ると、プロデューサー(河村光庸)の戦略はすごいなあと思うんですよね、こうして商業ベースに乗せていくところが…。
 伊藤メディアもなかなか取り上げづらい題材ですよね。ここはどうですか?
 望月テレビはみんないいですねーって言うんですよ。でも、これ選挙が近いんで、ということでテレビCMは断られたらしいですね。Twitter社でも今広告有料で出してるんですけど、出すのは出すけど、通報されたりしてすぐ落ちてしまう、100回以上上げるんだけど落ちてしまうんですね。いろいろと嫌がらせみたいなこともあるみたいで。でも、面白ければね…。それに今重要だということならば、SNSで広がっていきますよね。だから、テレビCMはうてないかもしれないけど、口コミで伝わっていくんじゃないかなと思いますね。
 前川河村さんみたいなプロデューサーは非常に貴重な存在ですよね。風刺たっぷりに、現実の政権を笑い飛ばそうというんだから。しかも、それが興行的に当たるんだったらすごいことですし…。こういう方にこそ文化功労者になってほしいですよね。
 内山:太っ腹な政府だったら、そうすべきですよね。
 前川そうそう。政権に反対する者にも文化的価値を認める。それだったら見上げたもんだということなるんでしょうけどね。 

 映画を見終わると、政治に特に関心がない若い人たちも、アンケートに次は必ず投票に行くと答えるそうである。早くネットで視聴できるようになるとありがたい。その前にスガ政権でなくなっていれば、もっとありがたい。

現役首相の素顔に迫る!映画『パンケーキを毒見する』予告編 - YouTube

菅首相の素顔に迫る映画『パンケーキを毒見する』がゾッとしながら笑える理由|日刊サイゾー

古賀茂明氏、菅義偉首相について「本当にしゃべらない。本心を見せない」 - シネマ : 日刊スポーツ


<追記>今日で7月も終わりだが、東京都のコロナ感染者数は4,000人を超えて過去最高を更新。千葉県も来月から緊急事態宣言下に入るらしい。「らしい」などと他人事みたいな言い方で恐縮するが、オリンピックをやりながら緊急事態というのは、常人のまともな神経とは思えない。昨晩の首相の記者会見もほとんど対話になっておらず、記者席からはため息が漏れていたという。「毒見」が終わって「毒」だらけであることがわかった政権をどうしたらよいかは明らかだ。


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