ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

総裁選 雑記

 昨日の毎日新聞の水曜日連載・「水説」が興味深かった。編集委員古賀攻氏がある有力な古参議員から聞いた話として紹介した自民党の総裁選の経過の理解は意外なものだった。プレーヤーみんなが読み違い、「目算が狂って今の形になった」というのだ。なるほど…。

 9月22日付毎日新聞の記事より要約。

水説:古参議員の機微な話=古賀攻 | 毎日新聞

 〇岸田+菅
 「岸田は菅が出る前提でつまらんこと(党役員任期の制限)を言った。言わなきゃ岸田の流れができていたかもしれないのに」
だが、岸田の任期制限論が二階俊博幹事長を直撃したから、首相を慌てさせたのではないか。
 「使命感のある主張なら仲間の結束を強める。でも岸田陣営の動きには腰が入っていない。」
 「それに…菅が何で幹事長人事に走ったかは謎だけど、類推はできる。二階は恐らく自分が引退すると言ったんですよ。もう高齢だし、和歌山の後継を確定したうえで電撃的に解散させる。二階の了解がないのに辞めてもらうなんて菅は口が曲がっても言えませんよ」

 〇高市(アベ)
 高市陣営に集まった顔ぶれにも古参議員は強い違和感を示す。
 「安倍は憎い石破が必ず出ると思って、党員票を散らすために高市を立てた」
 「自民党内の右翼が初めて一堂に会したって感じだね。将来右翼政党ができたらこういうメンバーになるんだろう。でも、安倍は戦略ミスを犯したんじゃないの。当て馬を立てて右派の力を見せつけてやろうとしたんだろうけど、自民党の主流が動くわけがない。遊びが過ぎた。国を誤るよ」
 子飼いと思っていた若手の支持が河野さんに流れているため、安倍さんなりに必死なようだ。

 〇河野(アソタロ)
 「麻生は河野を絶対抑えると言っていたのに、今や大衆の人気では河野でしょ。悲劇的だよ」


 「野田評」がなかったので、バランスをとる意味で? 古賀違いの古賀茂明さんの総裁選評も併記する。9月17日付「古賀茂明TV」より。こちらは「目算通り」だが…。
『野党に朗報?自民の壮絶な河野潰し』 ◆2転3転する戦いの構図 ◆河野太郎の変節がキーワード ◆河野叩きで逆に河野への信頼が生まれるというパラドックス ◆左無視でOKだった河野にリベラル聖子出馬の誤算 - YouTube

…野田さんは高市さんとは全然ちがって、「女性、女性」を前面に出していて。河野さんの票が野田さんに取られちゃう可能性があるんですよね。その「リベラル」っぽいところが。推薦人にも女性が多いんですよ。そういう人たちは今まで入れるところがなかったんです。だから、三人(岸田・高市・河野)の中でなら河野かな、ってなってたところが、一気に野田に流れる可能性もある。実際の投票で1位、2位になるのはなかなか難しいとは思うけれど、かなりの票を奪う可能性がある。20人は推薦人がいるわけだから、わりと善戦するんじゃないかと思う。

 それにしても、ネット上の河野叩きには惨いものがある。22日付日テレNEWS24より。

「毛沢東バッジ着用」 河野氏巡りデマ拡散|日テレNEWS24

毛沢東バッジ着用」返信ツイートでデマ広がる
 21日の夜、Twitter河野太郎氏と中国の王毅外相が並んで映った画像とともに、「2人が同じバッジを着けているように見える」「毛沢東バッジのようにも見える」などという投稿がされました。この投稿自体は「毛沢東バッジの着用」を断定するものではありませんが、「大問題、拡散を」などと着用を断定し、非難する返信ツイートが相次ぎました。
 2人が同じバッジを着けている画像を載せた投稿は、2000件ほどリツイートされ、Yahoo!JAPANリアルタイム検索でも「毛沢東バッジ」が一時トレンド入りしました。
 この投稿された画像は、2017年8月に当時外相だった河野氏ASEAN(=東南アジア諸国連合)+3(日中韓)外相会議に参加した時に撮影された写真の一部を切り取ったものとみられます。
 日本テレビASEAN+3外相会議の映像と写真を確認すると、河野氏王毅氏のほか、各国の外務大臣がそろって同じバッジを着けていました。河野氏周辺も取材に「これは毛沢東のバッジではない。国際会議で配られたものだ」と否定しています。

 総選挙ではないから総裁選は見てるだけだが、中村格氏の警察庁長官就任といい、河野叩きといい、アベの私事都合に左右されるこの自民党と日本の政治状況にはほとほとうんざりする。


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