ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

前総理と都議

 自民党総裁選の日。下馬評では河野と岸田の決選投票と言われている。しかし、ジャーナリストの佐藤章さんは、一貫して、河野と高市のたたかいと述べている。なぜ、岸田でなく高市なのか。そこには暗躍するアベシンゾーの異様なる執念とその「資金力」があるらしい。佐藤さんの話に、さもありなんと思いつつ、こういうのを、アソタロなども含めて、「政界サラブレッド」などと持ち上げて担いでいる勢力をお払い箱にしないかぎり、自民党、ひいては日本の政治に明日はないと強く思う。

 以下、9月27日付「一月万冊」より部分引用(13分40秒頃から)。

自民党総裁選で飛び交う現金3億円以上!?高市早苗を総裁にしたい安倍晋三がなりふり構わぬ裏工作。蚊帳の外に置かれる岸田文雄の悲しい行方・・・元朝日新聞記者ジャーナリスト佐藤章さんと一月万冊 - YouTube

 佐藤いま(高市支持の)バナー広告の話をしましたけど、あれね、いくらかかってると思います? 話ではね、あれだけでもう3億円ですって。
 清水:うっそ…。絶句。まじで… 。あの「七人の反日」がどうのこうのとかいう…。これだけじゃないと思うけど…。
 佐藤:あれだけで3億ですよ。とにかく(高市陣営は)ネット広告をばんばんやってるでしょ。冷静に考えてみれば、高市さんにそんな金があるわけないじゃないですか。じゃ、どこから出てんだって話になりますよね。これ、安倍さん以外に考えられないでしょう。で、安倍さん、よくそんだけ、金があるなという気がしません? これ解説しますとね、安倍さんと言えば、ずいぶん海外に行ってたじゃないですか。海外に行って何してたかというと、ODA(政府開発援助:「途上国」への技術協力や資金援助)を配りまくってたじゃないですか、何十兆とね。

…(2019年1月の参院本会議で社民党の福島議員からODA約54兆円余は多すぎると指摘され、アベが54兆円は民間資金を含めての額で、実額は2兆8,500億円と答えた)…。
(2ページ目)【安倍晋三】増税した途端…安倍政権“海外バラマキ”累計「60兆円」突破|日刊ゲンダイDIGITAL

このODAね、事情通に聞くと、キックバックがあるんですよ。それ、相場が3%なんですよ。ということはですよ、安倍さんが言う額、ざっと約3兆円として、この3%って900億円ですよ。これ、ちょっと想像を絶するじゃないですか。もし、これ50兆だとしたら、1兆5,000億ですよ。さすがに、それはないと思うんだけど、安倍さんのいう額だとしても、900億弱はあるわけでしょ。僕ね、政界の裏も表も知ってる人から聞いたら、これなんですよ、隠し金は…。こういうときに「出動」させる金は、要するに、これなんですよ。キックバックも安倍さんの名前ではなくて、何とか企業とか、何とか総業とか、何とかエンタープライズとかね、そういうようなところに振り込ませるわけです。ここから、高市さんの何とか資金団体みたいなところに振り込ませると。そうするともう全然わからないじゃないですか。…これがODAの実態ですよ。だから、安倍さんは、あんなに一生懸命にODAをばらまき続けていたわけですよ。
 清水:なるほどね。日本にいるのか、海外にいるのか、わからなくなるほど外遊してたもんなあ。
 佐藤ばらまけばばらまくほど自分の懐に入ってくるんです。で、こういうときに(資金提供を)やるわけですよ。

 佐藤さんが聞いた話では、この総裁選をめぐって、上のバナー広告3億だけでなく、すでに議員の間に「実弾」がぶち込まれているそうである。もう、自民党、まるごと沈んでほしい。

 他方、夏の都議会議員選挙でちょっと注目され、武蔵野市選挙区で当選した五十嵐衣里議員の記事を読み、少し怒りがおさまった。こういう議員を地道に増やして国政につなげていければ、この国にも未来はあると思うが、そうなると、必ず上の一味が邪魔してくるのが、この国なのだな。そういうのと戦ってるうちにエネルギーをそがれていった人が今までにどれくらいいたことだろう。みんなで変えていかないと…。

 9月28日付「プレジデント」の記事より引用を許されたい。
「いじめで不登校→中卒フリーター→弁護士」の東京都議が成し遂げたいたった一つのこと 社会の優しさを感じたことがない | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)

今でも思い出すことに苦痛を伴う「いじめ」の記憶
 2021年7月の東京都議会議員選挙で初当選した五十嵐衣里さんは、政治家としては異色の経歴の持ち主だ。中学2年の頃から不登校になり、高校には進まずフリーターに。そこから一念発起して勉学に励み、弁護士になった。政界に進むことを決意したのは「誰も取り残されない社会をつくりたい」という決意からだ。一時は「死んでしまうかもしれない」とまで思いつめた彼女の目に、今の社会はどう映っているのか。

<略>

学校に行かないことは、自分自身を殺さないための選択
「学校へ行かずに『普通』のルートから外れることが、将来、どういうふうに影響してくるかは何となく理解していたつもりです。でも、尊厳を削られたくなかった。平気な顔をして耐え抜ける自信もなかった。事情を知らない両親には泣きながら『学校へ行ってくれ』と頼まれましたが、学校に行かないことは私にとって、自分自身を殺さないで済むための選択だったのです」(五十嵐さん)
もともと集団生活が苦手だったわけではない。小学校時代は楽しく通学していた。でも、そのいじめをきっかけに、自信も意欲も奪われた。高校へ進む年齢になっても変わらず迫ってくる、「また攻撃されたらどうしよう」という恐怖。勉強は好きだったが、その恐怖を乗り越えてまでやらなければならないものとは思えなかった。中学を卒業すると、自立のためアルバイトで働くようになった。

アルバイト先で解雇を経験、労働基準法の存在を知る
いじめられたのは運が悪かった。ただ、中学に行かない選択をしたのも、高校へ進学しない選択をしたのも、すべては自分の責任だ――。当時はそう考えていたという五十嵐さん。しかし、2年ほどアルバイト勤務していたレストランで初めて、自分を取り巻く社会に対して違和感を抱く経験をする。
17~18歳頃の年末のこと。勤務していた店舗の店長から突然、クビを言い渡された。理由は明確に説明されなかったが、年末年始のシフトにどれくらい入れるかをめぐって、先方の都合に沿えなかったことが原因のようだった。
「いきなり不機嫌になって『もう明日から来なくていいよ』って。最初は『アルバイトなんかこんなもんか』『私は高校にも行ってないわけだし……』なんて、自分が悪い理由ばかり探そうとしていました。だけど、次の仕事を見つけるのも容易ではない。やはり、どうしても納得できないと思って、インターネットで必死に調べました。そしたら、労働基準法という法律があることを知って、すぐに労働基準監督署に駆け込みました」(五十嵐さん)
企業などの使用者が労働者を解雇するに当たっては、少なくとも30日前に解雇予告するか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならない。労基法ではそう定められている。労基署の担当者が勤務先に指摘すると、五十嵐氏は数万円の解雇予告手当を受け取ることができた。

「社会が優しい、温かいと感じたことは一度もなかった」
「ホッとした一方で、権威のある人が言わないと支払われないのだなと複雑な気持ちにもなりました。知識がないと、こんなにも簡単に搾取されてしまう。この社会で自分や自分の大切な人を守っていくために、知識こそが武器になるのだと痛感したのがこのときです」(五十嵐さん)
それでも、急に暮らし向きを変えられたわけではない。10代で実家を出て一人暮らしを始めてからは、家賃と生活費を稼ぐため、4トントラックでの配送業務などの職を転々とした。体力的に過酷だったことに加え、社会に受け入れられていないという感覚が強かった。
「社会が優しいとか温かいとか感じられたことは一度もありませんでした。『このままでは死んでしまう』という直感さえありました。貧しさはもちろん苦しかった。ただ今振り返れば、私や私と同じような立場で働いている人たちの尊厳が守られないのも苦しかった。『そう扱われてもしかたないような選択をしてきたせいだ』と思わされる社会そのものが、恐ろしいと感じていたと思います」(五十嵐さん)

弱い立場の人ほど「しょうがない」と思わされている
「死んでしまう」と思わずにはいられない環境から、何とかして抜け出したい――。自分にできることを懸命に探したとき、頭に浮かんできたのは「勉強すること」しかなかった。フリーターのときに経験したたくさんの悔しさをぶつけるように、毎日机に向かった。22歳で高卒認定試験を受け、静岡大学の夜間コースで学びながら行政書士の資格も取得。その後は名古屋大学法科大学院に進み、卒業してまもない30歳で司法試験にも合格した。
「勉強は、改めて取り組んでみたら全く苦ではなかった」と五十嵐さん。「どん底」を経験したからこそ、自身の努力と能力でたくましくのし上がっていった実績を誇りに思っても不思議ではない。だが彼女は「そういう感覚はない」と言い切る。謙遜でも卑下でもない。「勉強が苦ではないという私の素質を、たまたまこの社会で一定の仕事を得るために必要な条件と合わせただけ」と説明する。
「生まれ持った素質や環境がもとで、知識を身に付けることができず、社会の不公正に対して怒りを抱くことさえできない人たちがたくさんいます。私はたまたま『勉強をするという場において、頑張れば報われた』だけ。苦しい状況にあっても『頑張ることが可能な環境』が与えられた。私はそこで得た力を、自分が勝ち抜くためだけに使おうとは思えません。『努力をすれば成功できる』というのは、成功している人の地位を正当化するための言葉です。そして、弱い立場にある人ほど『しょうがない』と諦めさせられている。この社会の仕組みを変えたい。それが私の負うべき責任だと考えています」(五十嵐さん)

「怒り」を自分自身や同じ境遇の人に向けないでほしい
社会の仕組みやその背景にある価値観に対して働きかけられる仕事を考えたとき、政治の道に関心を抱いた。参院議員の政策秘書と、弁護士の実務の両方を経験したが、志は変わらなかった。今回、政策秘書時代の仲間から声をかけられ、立候補を決断した。
2021年7月4日に投開票された都議選では、武蔵野市選挙区(定数1)で、都民ファーストの会現職(当時)と、元市長の娘の自民党公認候補らを破って当選。若い世代の政治に対する期待の低さは課題視しつつも「こんなにたくさんの人が支持してくれたのは、どこかで『今の社会は間違っている』という実感を共有できているからだと思います」と語る。
「その怒りを、自分自身や自分と同じ苦しい境遇にある人たちに、どうか向けないでほしい。今行われている政策、その背景、自己責任を正当化する社会に対して、疑問を持ってみてほしい。私一人ですぐに状況を変えられるわけではないことも分かっています。議員として課題を解決する方法を模索しながら、もっともっと、皆さんの声を聞きたい。困ったときにはお互いに支え合える、他者を認める社会をつくっていきたいです」(五十嵐さん)

 



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