ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

森友問題 小さな疑問

 森友問題の公文書改ざん(2017年2月以後)と赤木俊夫さんの死をめぐる小さな疑問。
 
赤木さんは改ざん作業を強いられてうつ病になり、自ら命を絶った」という一文が繰り返されているうちに、我々もマスコミの一部も、ある重要な要素(プロセス)が抜きとられていることに気づかなくなっているのではないかと。

 奥さんの雅子さんの話によると、赤木俊夫さんは「国家公務員倫理カード」を常に携帯し、「僕の雇用主は国民です」と、公僕であることを誇りに思って働く真面目な人だったという。「うつ病」になったのも、「公僕」にあるまじき不正・不法行為に無理やり関与させられたためと見られている(財務相の調査は全然十分ではない)。しかし、それだけなのだろうか。
 赤木さんはうつ病と診断された2017年7月あたりから、警察に追われたり、誰かに命を狙われたりという幻聴や幻覚にさいなまれていったという。それは、「不正・不法」に手を染めたから、というよりも、一緒に手を染めたはずの職場の上司や「同僚」たちが次々と転勤して、自分だけが残され、一人罪を着せられようとしているのでは、という心理状態に追い込まれたからではないかと思う(赤木さんも他の部署への異動希望を出し、うまく進みそうだと言われて期待していたのに、それがかなわずがっくりしていたという)。

 9月12日付の「週刊現代」に赤木さんの遺書の内容を初めて伝えた相澤冬樹さんのインタビュー記事がある。

「これを出されたら私は死にます」故・赤木俊夫さんの妻が語ったこと(相澤 冬樹) | 現代ビジネス | 講談社(2/3)

「嘘つき」が出世する世界
――その間に雅子さんは俊夫さんの元同僚たちから裏切られ、見捨てられていきます。しかも、見捨てた側はみな出世しました。
週刊文春』で俊夫さんの手記を発表した直後、雅子さんの弁護士と私のところに告発文が届いたんです。
内容を見てみると、「俊夫さんの上司たちはみんな異例の出世をしている」と。細かく見ていくと、近畿財務局の中にいる人間じゃないととても書けないものでした。
調べてみると、そこに書いてあった5人の人事異動の内容はすべて事実でした。現場の人間に全責任を負わせて、苦しめて、死に追いやって、自分たちはのうのうと出世していたのです。
その時に感じたのは、敗戦の時、旧満州に国策で開拓民として送られていた日本人たちが大勢犠牲になったこと。集団自決に追い込まれた人たちもいれば、なんとか生き延びて帰ってきたけれど、子供たちを現地の中国人家庭に預けざるをえなかった人たちもいた。
国策で送られたのに、結局戦争で負けた時になんの情報も与えられず、捨てられた。本来、彼らを守るべき満州関東軍の幹部は、日本が降伏するといち早く察知して逃げています。
ソ連軍が攻めてきた時、残された彼らを守る人は誰もいなかった。現場の普通の人は見捨てられて、上の人間は生き延びて帰ってきた。今回の事件はその形に非常に似ていると思います。

――立場がある人間たちのこうした振る舞いは、いまに始まったことではないんですね。
いまだにそれが繰り返されているということが本当に情けない。現場の弱い立場の人を見捨てて自分たちだけ偉くなるという社会は、言ってみれば卑怯者と嘘つきの国。そんな情けない国はないじゃないですか。
でも、いまこの財務省近畿財務局で起きたことはそうとしか言いようがない。正直者だった赤木俊夫さんは馬鹿を見て追い詰められて亡くなった。
それで、嘘つきと卑怯者はそれをなかったことにして偉くなっていく。残された雅子さんは孤独と悔しさに苦しみ続けている。

<以下略>

 他の者が出世したかどうかなどどうでもよい。赤木さんだけを残してみんな逃げていく理不尽さに、赤木さんはショック受けたということだ。こうした組織の体質(恥部)を白日のもとにさらすことになるのが森友問題の再調査だと思う(安倍夫妻の関与は言うまでもない)。
 自民党の総裁選の候補者のうち、この再調査に賛成したのは、一番「劣勢」にある野田聖子氏だけだ。
 アソタロなどは「これからの政権に前の政権の評価を聞いて(新聞)読者の関心があるのかねえ」などと、またしても「暴言」を吐いている。
麻生財務相 森友公文書改ざん問題「読者の関心あるの?」 | 毎日新聞

 あなたはあくまで "調査される側" だから。相変わらず性格と記憶力があまりよろしくないようなので、そのおでこに「調査対象」とマジックで書いてあげよう。
わ・す・れ・る・な !




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