ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

スガーリンに棄てられる自民党議員

 ワクチン接種の2回目。先月すでに2回目を終えた妹は、一時的に高熱を発し、カロナール(解熱剤)を飲んだらしいが、「でも、熱が出たのは1日だけだから、全然大丈夫ー」と言っていた。しかし、中には熱が40℃まで上がったという人もいるし、命にかかわる人も出ている。朝から一抹の不安がよぎる。

 病院に着くと、小生のような2回目の接種の人が後から後から来院する。時間がかかるかと思ったら、ほとんど待たされることなく接種は終わり、15分ほど様子見で待機したが、異常がなかったため、すぐに「釈放」された。帰宅後、手のひらや足の裏が若干温かくなったような気がして、そろそろ熱が出るのかと気にしながら昼ご飯を食べたが、さにあらず、むしろ、テレビでやっていた自民党総裁選や解散総選挙のネタの方に熱を上げてしまった感じ(苦笑)。

 9月に入ったが、政局は刻一刻と変化している。先に自民党は総裁選の日程を9月17日告示、29日投開票と発表していたが、今朝の新聞は、スガ首相は党役員と内閣改造の人事を来週行い、その後、衆議院解散に踏み切る意向だと伝える。

首相、9月中旬解散意向 党役員人事・内閣改造後 | 毎日新聞

 当初スガ首相は総選挙に勝った勢いで自民党総裁に無投票で再選されることをもくろんでいたが、内閣支持率の下落と先の横浜市長選の惨敗でシナリオが狂い、総裁再選を優先させることにした。しかし、自身の不人気で対抗馬の岸田氏に票が集まりそうだという情勢分析が流れると、人事刷新を唱えて、岸田を幹事長に据えて「懐柔」をはかろうとするも、岸田本人はあくまで総裁選の実施の姿勢を崩さない。これはまずいと、人事刷新後に総選挙を行い、総裁選の先送りを決めたというのが一般的な受けとめ方(9月1日朝)。
 * <追記>9月1日午前、スガ「解散総選挙については皆さんから度々ご質問があったが、最優先は新型コロナウイルス対策だと申し上げてきた。今回も全く同じで、今のような厳しい状況では解散はできない」と一応撤回した模様。しかし、最終的にどうなるかは不明。

 しかし、テレ朝・昼の「ワイド! スクランブル」にゲストで出演していた元自民党衆院議員の杉村太蔵の発言は至極もっともだと思った。曰く、
「(総裁選より)先に人事の刷新なんかして大丈夫なんですかね。論功行賞を人事に反映させるんならわかりますけど、総裁選の前に人事をやったら、ポストをあてがわれた人はいいけど、そういう人よりそうでない人の方がはるかに多いんだから、俺は菅さんには投票しないって人が増えないですかね。それを分かっててやるんですかね。」(話の概要)

 スガ総理の頭の中は、選挙前に目先を変え、刷新されたというイメージを演出することが最優先なのかも知れない。しかし、それで、一年半以上ものあいだ、命と暮らしの危機にさらされてきた国民の不信感を払拭できるだろうか。今度の選挙は自民党の多くの議員(特に3回生)にとっては死活問題だ。「目先」でなく、スガ自体を変えないと自分は「生き残れない」と思っている人が少なくないはずだ。中には、コロナに感染し重症化しても病院に入れず自宅で亡くなる、この「棄民政策」が自身にも向けられていること(スガ政権によって「棄てられる」こと)に気づいている議員もいるのではなかろうか。

 「毛ば部とる子」さんは本日9月1日付の「毛ば部ラジオ」でこう述べている。

210901 独裁者スガーリン 自民党内で本領発揮 - YouTube

「…この総裁選の日程というのは、一応自民党の中で、この日程でやりましょうということで固定されたものだと思っていたんですが、普通は日程が決まったあとに卓袱台をひっくり返すように(衆議院を)解散するっていうのは、野党にやるならまだ分からなくもないんですけど、自分の党内に向かって解散を卓袱台返しに使うというのは、自民党の歴史の中でも、こういうのってなかったんじゃないでしょうかね。」

「これ、解散って、やるんですかって話ですよ。自民党の、今解散されたら本当に困るという人たちにとっては、喉元に刃を突きつけられているような気持ちでしょうし、国民に対しても、まさに災害の真っ最中に解散をうつって話は、たとえるなら、台風か何かが来て、洪水で広範囲にどこかが浸水して、自衛隊が救助とかに入っている最中に「解散!」ってやるような話ですよね。これ、考えられない話だと思います。」

「こんな状況で「解散!」なんて言える人物を今まで支えて、総理大臣として持ち上げてきたのはいったい誰なのか、ということですよね。これは紛れもなく、自民党公明党も含めた与党議員の人たちなんですよね。ですから、この責任は、ある意味、とってもらいたいというのと同時に、今まで独裁的なことをやってきた菅さんという人の、独裁者の刃が、これまでは国民に向けられていましたが、とうとうこれが自民党内にも向けられているというのが、今の状況ではないかと思います。この菅さんの牙というものは、8年間国民に向けられてきた刃と一致するところが多く、同類のものなんですね。」

 国民もそうだが、自民党議員のあいだにも、スガの棄民政策に逆襲する機運がうまれつつあるのではないか。

独裁者スガーリン」というのは言葉遊びとしては笑えるが、しかし、スガをスターリンと比肩するのはややお門違いな気もする。程度のちがいはあるが、スターリンもスガと同様、国際舞台に出かけていくよりも国内にいる方を好む人間だったし、今で言う「忖度」で周囲を動かす術に長け、その分自ら前面に立って何かを発信するタイプではなかった(と認識している)。しかし、記者会見の棒読み、インタビューやぶら下がり(会見)での癇癪とはぐらかし・逃げ…。こうした「小者」感はスターリンにあてはまるのだろうか。
 何で読んだか忘れてしまったが、階段の踊り場で同じ姿勢で相手の話(陳情のような話)を何十分にもわたってじっと聞いていたスターリンの姿を印象深くおぼえている人がいた。冷酷で非情な独裁者のイメージと人の話にじっと耳を傾けるスターリンの姿が、当人にはうまく結びつかなかったのかも知れない。しかし、これはスターリンが「実権」を握る前の話である。「独裁者」スガーリンもあまり人の話を聞かない(聞けない)ような話が時々漏れ聞こてくるが、最初からそうではなかったと思いたい。独裁者本人の資質や意思だけで「独裁」は成立しないだろうから、彼の「聞く耳なし」も周囲と自身のコラボ?の所産だろう。

 さて、午後になったら、1回目のときと同様、だんだん肩が痛くなってきた。いよいよだろうか…?



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