ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

7月7日から8日のこと

 昨日は七夕。夜は雲が多くて天の川はよく見えませんでした。

 昨日の昼前に妹が線香をあげに来て、話をしていたら「今日7月7日は旦那の誕生日なのよね」と言います。義兄として恥ずかいことに、初めて知りました。そこでお祝いに?と、人からもらったメロンやらビールに加え、庭の畑でとれた茄子やトマトなど、手提げ袋二つに「プレゼント」を詰め込んで持って帰ってもらいました。誰かが教えてくれないと分からないことは多いです。

 夜、英国のジョンソン首相が辞任する意向だと伝えるテレビ・ニュースを見ました。前日には崖っぷちといわれつつ、辞任要求を突っぱねていましたが、閣僚たちの相次ぐ辞任をうけて、ついに「降参」したという感じです。今朝(英国時間7日)、辞任発表をする会見の動画を見ましたが、無念の色がありありでした。
【全訳】 ジョンソン英首相、辞任表明 「群れが動く時は政界も動く」 - BBCニュース

……そして、私はこの数日、これほど成果を上げ信任を得ているときに政権を交代するなどエキセントリックだ(尋常ではない)と、経済状況がこれほど内外で厳しく、何ヶ月も徹底的に叩かれながら、中間時点の支持率はほんの数ポイント差しかないのに、政権交代をするなどエキセントリックだと、同僚たちを説得しようとしましたが、説得できなかったのは残念だし、たくさんのアイディアや事業を自ら完遂できないのはもちろん辛いです。しかし、私たちが目にしたのは、英政界の強力な群居本能で、群れが動くときには政界も動きます。そして、皆さん、政治においてかけがえのない人間などいません。私たちの見事なダーウィン的制度が別の指導者を生み出します。……これでホッとした人が大勢いるのは承知しています。もしかすると、がっかりした人もかなりいるでしょう。そして世界で最高の仕事を手放さなくてはならず、私がいかに悲しいか知っていただきたいです。けれども仕方がありません。……

 今朝のテレビ・ニュースでは、ジョンソン首相は会見で自身の不祥事には一切触れなかったとコメントしていましたが、これには失笑です。よその国のことはいいから、自国の元首相ほか政治家の不祥事のことをツッコみなさいよと思いました。
パーティーで辞任のジョンソン氏 今度は自身の豪華結婚パーティー | 毎日新聞

 今朝、新聞をくまなく見ていて、1945年7月7日未明に千葉市の市街地が米軍に爆撃され、1,204人もの死傷者が出てから77年、千葉市亥鼻公園で追悼の集いがあったとの記事がありました。6月下旬に開かれていた「千葉市平和のための戦争展 ピースフェア2022 in千葉」では、犠牲者の伝え方として、たとえば、東京空襲で「10万人」が犠牲になったと数字が強調されると、亡くなった人たち一人一人の顔が見えなくなるので、この戦争展では、犠牲になった方々の名前を一人ひとり読み上げることにしたという記事のことを思い出しました。
遺族ら平和への祈り 千葉空襲77年 追悼の集い /千葉 | 毎日新聞
千葉空襲犠牲者、声で実感 736件、名前や年齢一人ずつ 22~26日戦争展、読み手を募集 /千葉 | 毎日新聞

 今日の新聞をくまなく見たのには理由があります。7月7日は、85年前の1937年、日中全面戦争の発端とされる盧溝橋事件があった日だからです。昔は7月7日には小さな囲み記事くらいはあったと思うのですが、他紙はともかく、少なくとも今日の毎日新聞の朝刊やwebには、残念ながら事件に言及する記事は見つかりませんでした。以前から思っていたのですが、1941年12月8日(7日)の真珠湾攻撃の日に比べると、この扱いは、この国の立ち位置や外交姿勢をよく現しているようです。小生が小中学校で習っていた頃には、歴史の教科書には、まだ「日中戦争」ではなく「日華事変」の語が使われていたと思います。ロシアが今のウクライナへの侵攻を「戦争」ではなく「特別軍事作戦」と称するのとよく似ています。公的な認識としては、対米は「戦争」だけれど、対中は「戦争」ではなかったのです。だから、米国には「負け」たけれど、中国には「負け」てないという「理屈」にもなるのでしょう。最近では77年前に日本が米国に戦争で負けたことどころか、米国と戦争をしたことすら知らない人が増えているという話もあります。学校教育もそうですが、メディアが7月7日のことを言わなければ、日中間の過去の戦争は国民のあいだでますます曖昧にされ、中国と日本が戦争したことを知らない人が増えていくのではないか。参院選の報道もそうですが、改めてメディアの責任は重大だと……。

 そんなことを思っていたら、昼に奈良で参院選の街頭演説に立っていた安倍元首相が銃撃され、心肺停止で病院に運ばれたというニュースが飛び込んできて、夕方には死亡が確認されました。ショックでしばらく仕事が手につきませんでした。
 小生は、本ブログで、安倍氏を揶揄・批判してきました。故人を弔いつつも、氏が隠蔽してきたものを明らかにすべきという思いは今も変わっていません。しかし、それは「アンチ巨人」のような面もあります。その当人が亡くなって、言いようのない虚ろな感じがあるのも事実です。
 この「衝撃」が今後どんな方面に影響を与えていくのか。そして、後世、この「偶発事」が歴史の流れの中にどんな意味合いを込めて位置づけられるのか。「民主主義への挑戦」「暴力による言論封殺」など各方面からの批判はその通りですが、よもや「暗い時代」への口火にさせないよう、心しないといけないと思います。合掌。

江川紹子さん「力による言論封殺、民主主義の危機」 安倍氏銃撃 | 毎日新聞





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