最初に、昨日の記事について。「イデオロギーなしにファシズムは成立する」という当方の記事に言及してくれた方がおりました。学術的な話には恐縮しますが、ファシズムを…「ただの悪口雑言」にしてしまわないかというご指摘、まことにごもっともと思いました。ブィコフ氏の見方には考えてみる価値があると思い引用した次第ですが、ファシズムという語の「氾濫」と「罵詈雑言」化には小生も閉口しておりますので、せめて表題に「 」や！？を付けるべきだったと反省しています（自戒の意味で、記事はそのままにしておきますが）。ブログのコメント欄は閉鎖しておりますので、こういうかたちになりますが、改めて感謝申し上げたいと思います。
ここからが本題です。昨晩、ロシアで戦争反対のプラカードをもった小学生3人が逮捕されたことを知り、唖然としました。そこまでやるか、という感じです。
JeongWooさんのTweetによれば、子どもたちはロシア国内のウクライナ大使館を訪れ、反戦メッセージとともに花を渡そうとしただけだったというのです。
https://twitter.com/tenichi08/status/1498885009410723841
プーチン大統領が直接命令を出してこの小学生を逮捕させたわけではないにしても、治安当局の現場責任者たちは、命令違反で処罰される恐怖が先だって、自身の頭で考えて判断ができなくなっているのでしょうか。しかし、アイヒマンの裁判を持ち出すのも何か大げさですが（虐殺ではありませんからね）、職務命令に「忠実」であることは、後の免罪や責任不問の理由にはならないと思います。組織がロボット化硬直化して対応を「誤る」となると、これはいよいよ「末期的」で、政権中枢にも厭戦感が拡がり、一脱け、二脱け…、あるいは解任・更迭劇が始まるのはそう遠くないのかもしれない、などと考えてしまいます。甘い期待ですが…。
3月2日付東京中日スポーツの記事から引用させてください。
プーチン大統領、自国で反戦の小学生3人を逮捕 ロシアの反体制政治家が写真を投稿 うち2人は女の子、ボードには花の絵が…：中日スポーツ・東京中日スポーツ
自国の国民どころか、児童にも容赦はない。ロシアはウクライナ侵略を開始してから2日で1週間目。ロシアで反戦を訴えた者は50都市で計約7000人が逮捕、拘束された。中には、小学校低学年とみられる3人の児童も逮捕され、護送車に押し込められた写真がネットで拡散、物議を醸している。
ロシア野党の政治家、イリヤ・ヤシン氏が同日、SNSに投稿した写真に写っているのは、うつろな表情の3人の児童で、そのうち2人は女子。小さな手にはクレヨンとおぼしきカラフルなロシア語の文字で「нет войны（戦争はノー）」と描かれた反戦プラカードが握られ、花の絵も添えられている。3人がいるのは警察車両の護送車。頑丈な鉄格子の後ろに座らされている。3人は花を手向けるためウクライナ大使館に向かっていたところを捉えられたという。
ヤシン氏は、SNSで「これは、いつもの普通の光景だ。反戦ボードを持った子供が護送車に押し込められているだけのこと。これがプーチンのロシアだ、みなさん。ここに住んでいるのだ」と記した。
Ничего не обычного: просто дети в автозаках за антивоенный плакат. Это путинская Россия, ребята. Вам здесь жить. pic.twitter.com/9IprkFu5VE
— Илья Яшин (@IlyaYashin) 2022年3月1日
автозак（автозаках 囚人護送車）という単語は、小生が持っている紙の辞書には載っていませんでした（電子辞書にはあります）。автоは車（自動車）ですから、だいたい想像はつきましたが、調べてみると、закは「監禁」や「拘置」を連想させる語尾のようです。それにしても、7，8歳の小学生を「囚人護送車」に乗せるのか、と。この子たちにとっては、プーチン政権がどうのというよりも、とにかく戦争を止めてほしいということだと思うのです。
一昨日墓の掃除に行きました。墓の前はすぐ道路なので、学校を終えた小学生がぞろぞろと帰って来るのが見えます。一人の女の子と目が合って、「こんにちはー」と挨拶されました。「お帰りなさーい」と返したら、ニコッと笑って走って行きました。何ということもないのですが、子どもたちが帰って行く後ろ姿を見ながら、ウクライナのことを想像してしまいました。そしてまた、国が違うと、「戦争反対」と言ったら子どもたちも捕まるのかと今日思いました。
2年前、札幌や埼玉で参院選の街頭演説中にヤジを飛ばした市民が警官に取り囲まれて排除されたことがありました。こちらは逮捕ではありませんが、ボーッとしてると、この国の子どもたちも（我々も）、とんでもないところに連れて行かれるような気がします。
…と思っていると、こんなtweetが…。
https://twitter.com/oya_hanayo/status/1499126368646287360
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