ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

現代社会

無人店舗にないもの

新聞を見ていてある投稿に目が留まりました。セルフレジに不案内で気疲れしてしまうという話で、最後に「人のいるレジを減らさないでほしい」と書いてあります。 女の気持ち:疲れる買い物 さいたま市桜区・児玉仁美(主婦・56歳) | 毎日新聞 「人のいるレ…

「隙」を突かれて

今日はごく短く。 W杯サッカーで、先日日本代表がドイツに勝って盛り上がっていたので、昨日テレビで(珍しく)コスタリカ戦を通して見ました(見てしまいました)。結局後半35分の相手ゴールが決勝点になり、ファンには残念な結果となりました。 一瞬の隙突…

現代の「奴隷」

今朝の毎日新聞に歴史家の藤原辰史さんの時評があります。「現代の奴隷」というタイトルに目が引かれました。 月刊・時論フォーラム:国際秩序の亀裂/現代の奴隷/安倍元首相国葬 | 毎日新聞 要約すると、「今の時代に奴隷なんているわけがない」と私たちの…

「国語力・言葉の脆弱性」について

「『ごんぎつね』の読めない小学生たち、恐喝を認識できない女子生徒……〈いま学校で起こっている〉国語力崩壊の惨状」という記事を読みました。何のこっちゃ?ということもなく、学校にいたことのある人にとっては、ああ…と思い当たるところのある話です。 …

裁判と子どもたち 二つの記事

昨日「毎日新聞」を眺めていて、社会面の見開きの左右に並ぶ記事に目が行きました。左の記事は、大阪の公立高校教員の長時間労働をめぐる裁判で、地裁は府の責任を認め、慰謝料の支払いを命ずるという画期的判決を伝えています。これには快哉を叫ぶ学校関係…

侮辱罪厳罰化と匿名性について

「侮辱罪」を厳罰化(「適正化」)する改正刑法が一昨日(6月13日)の参議院本会議で成立しました。SNSで誹謗中傷を受けてきた人々、とりわけそのことで命を絶った人の遺族、関係する人たちは、この間身を削る思いで法改正に取り組んできたと思います。その…

日本の斜陽化 「高学歴」篇

ロシア語を勉強していると、時々日本のことを「日出ずる国 Страна восходящего солнца」と呼んでいる場面に出くわします。ロシアに限りませんが、大陸の西方から見れば、東の端(極東)の島国・日本は太陽が最初に昇るところというイメージなのでしょう。呼…

「日本の三つの災禍」

日本の「不愉快な環境」に耐えかねて4年前に渡英したという「出国(帰国でなく)子女」の女性が綴った記事を読みました。母国の大学を卒業し、日本で働く決心をしたとき、父親から「日本の三つの災禍に気をつけて」と言われたとのことですが、この3つを同列…

ある「署名」のこと

知人から憲法「改正(改悪)」に反対する署名を頼まれました。他の人と普段憲法のことを話したりはしないので、これを機会に少し話してみるのも悪くないと思い、署名してくれませんかと何人かに話しかけてみました。 最初の人。これはどこの組織がやってる署…

「個性重視」と言いながら…

日本社会は個性を尊重しない、個性を押し潰す社会のように言われてきました。学校はその元凶のように見られがちです。そこでむかし働いていた人間としては不本意ですが。 「天才ドラマー」と言われる(詳細はわかりませんが)相馬よよかさんのことを紹介した…

「幸福」について

昨日の朝、NHKの「目撃!にっぽん」というドキュメンタリーを見ました。先日高裁判決がありましたが、元TBS記者・山口敬之氏から性的暴行を受けて裁判をしている伊藤詩織さんの5年間を追ったものです。 おこがましい気がしますが、伊藤さんには深く同情しま…

SNS・政治・感情

SNSと政治について、フォトジャーナリストの安田菜津紀さんのインタヴュー記事を読みました。 2月6日付朝日新聞から部分引用させてください(聞き手は三輪さち子記者)。なぜ入管法改正案はSNSで広がったのか 安田菜津紀さんに聞いた:朝日新聞デジタル ――入…

「プロメテウスの火」

昨日散歩をしていたら微かに焦げくさいにおいがしました。野焼きをした辺りの農道を歩いていたせいかもしれません。それで、父親の話を思い出したのですが、生前、父親は、稲刈り後の枯れた二番穂を燃やしていたら、誰かに通報されてしまい、警察から注意を…

事件報道雑感

何か事件が起こると感じることですが、メディア報道にはある種のストーリーに乗せたがる傾向があります。まずは善人と悪人の区別です。多くの人はそのどちらでもあるし、どちらでもないような「ふつうの人」だと思うのですが、メディアはそういうのを好みま…

清水透『ラテンアメリカ五〇〇年』を読んで

最初に書いておくと、これは書評ではありません。清水さんの『ラテンアメリカ五〇〇年 歴史のトルソー』(岩波現代文庫 2017年)を読んで、何となく頭に浮かんだことを書き留めたものです。 本書は講義録がもとになっているようですが、小生のような門外漢に…

「なんもしない人」

何となく電話が苦手だ。腰が落ち着かないような気分になる。相手の顔が見えないからだろうか。では、面と向かって話せば落ち着くのかと言えば、それはそれで違った緊張感もあるので、よくわからない。 親の介護が必要になって、やっと緊急時の連絡用に携帯電…