ロシアのウクライナ侵攻には、ロシア国内でも反対の声が広がっているようです。しかし、プーチン政権は国内のこうした声を封じ込めようと躍起です。24日、ロシア各地で行われた抗議活動では1,700人以上が拘束されたといいます。
キング牧師の言葉を連想します。
最大の悲劇は、悪人の圧制や残酷さではなく、善人の沈黙である。
The ultimate tragedy is not the oppression and cruelty by the bad people but the silence over that by the good people.
一人ひとりの声がどれほど戦争を止める力になるのかはわかりませんし、そんなことはみんな分かっているでしょう。しかし、「善人」であろうがなかろうが、これに黙っているわけにはいきません。
2月25日付HUFFPOSTの記事から一部引用させてください。
ロシア国内で、戦争に反対する抗議デモ「ウクライナの人たちに謝りたい」 | ハフポスト
モスクワ在住の人権活動家マリーナ・リトビノビッチ氏は、Facebookに投稿した動画で、各地で抗議活動に参加するよう呼びかけた。
「ウラジミール・プーチンが友好国であるウクライナを攻撃したことで、多くの人々が今、絶望や無力、恥を感じていることでしょう。しかし落胆するのではなく、今夜7時にあなたの街の広場に集まって『ロシアの人々はプーチンが始めた戦争に反対する』とはっきりと伝えましょう」
教師のニキータ・ ゴルベフさんは、「私は自分の国が恥ずかしい。正直、言葉では言い表せないほどショックです。戦争はいつでも恐ろしい。私たちはこれを望んでいません」とモスクワのガーディアン記者に語っている。
また、AP通信によると、モスクワの活動家タチアナ・ウスマノヴァさんは「ウクライナの人たちに謝りたい。私たちはこの戦争を始めた人たちに投票しませんでした」とFacebookで訴えた。
こういった人々は、懲役や多額の罰金など自身を大きなリスクにさらしながら、抗議活動をしている。
ラジオフリーヨーロッパによると、動画を投稿したリトビノビッチ氏は、アパートを出た途端に警察に拘束された。
また、テレグラフのナターリャ・ヴァシリエフ記者によると、当局は抗議活動者と見られる人を見境なく拘束しており、ヴァシリエフ記者自身も「自分はジャーナリストだ」と伝えたにも関わらず、一時拘束されたという。
ロシアの動きをもうひとつ。去年ノーベル平和賞に選ばれた、ロシアのドミトリー・ムラトフ氏が編集長を務める「ノーバヤ・ガゼータ」紙にアニメーション映画制作の関係者たちが多数賛同署名する公開書簡が掲載されました。小生のロシア語力では翻訳に膨大な時間を要するので、翻訳本文は借り物で、名前を連ねた一人ひとりの名前をすべて日本語表記しようと思いましたが、根性なしで途中で断念しました。ざっと数えて288名。前にNHKのラジオ・ロシア語講座に出てきたノルシュテイン監督の名前を見て、気持ちが引き締まりました。ロシアのアニメ界とは何の縁もありませんが、小生も末尾に名を連ねた気持ちで、改めて戦争ＮＯの声を上げます。みなさんとともに。
本文翻訳はサーシャさんによります。転載をお許しください。
殺すな、破壊するな、つながろう。ーロシアのアニメーション作家によるオープンレター - Privatter
私達は、戦争が死と苦痛と破壊以外は何ももたらさないと確信しています。どうあっても認めることはできません。ウクライナとロシアのアニメの共同体は同一であり分かちがたいものです。私達は長い年月に渡って共に働き、お互いの絵を鑑賞し合ってきました。魂の宿る芸術は、人々に自分は人間であると感じさせてくれる芸術であります。殺すためでも、破壊するためでもない。つながり合うためのものです。
しかし今、私達の子供が、兄弟が、かつて同じ庭で遊び、ロシアのものかウクライナのものかは関係なく、同じアニメを観てきたであろう人々を殺すために派遣されようとしています。
芸術全般において言えることですが、アニメーションは常に反戦精神を貫いていました。私達は、この戦争はウクライナの友人達や仲間達のみならず、すべての人々、人類、人間そのものに対して向けられたものであると考えています。
私達は戦争に反対します。私達は、同胞の民についての言葉が、血濡れた悪夢とならないことを望みます。
爆撃も殺人も決して認められません！
〇レオニード・シュワルツマン 芸術家、映画監督
〇ユーリ・ノルシュテイン 映画監督 以下…280名以上
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