岩波ブックレットの最新刊に、ソ連生まれでカナダ在住のユダヤ人、ヤコブ・ラブキン氏の『イスラエルとパレスチナ』(鵜飼哲・訳)という冊子があります。ラブキン氏は現在のイスラエル(シオニズム)の蛮行を批判し、ユダヤ人の伝統では戒律を遵守することが最も重視され、あらゆる思い上がりが戒められてきた。生まれながらにして自分たちの方が優れているなどと考える優越感情や差別意識は論外だ。イスラエルの地は善行の普遍的効果(積み重ね?)によって獲得されるべきもので、不信心者が無理に<聖地>の「再建」に拘泥すれば、先に受けた民族的悲劇(二度の<追放>経験)以上の残酷な破壊と<追放>が引き起こされかねないと警告するラビ(ユダヤ教の宗教指導者)たちの言葉を引用しています。
イスラエルの蛮行が「外」の普通のユダヤ人から批判されていることは、また別に触れるとして、思い上がりを戒め、物事には謙虚に臨むことが大切だというのはユダヤ教に限った話ではありません。宗教にかかわらず、どんな社会にあっても、多少の温度差はありつつ、通俗道徳としてこれを否定するようなところはおそらくないでしょう。それは日本国、日本社会も例外ではないと思います。
しかし、信念や信条の裏付けがあろうがなかろうが、日常的に謙虚に振る舞える人はいいとして、身につまされるような経験がないと、なかなかそういう態度や振る舞いがとれない人が多いのもまた事実です。特に、「身につまされる」かどうかは当人次第ですから、周りがいくら指摘してもダメな人はダメ、ダメなときはダメでしょう。
今日もまた選挙カーが近辺を通り過ぎていきましたが、現在の衆院選挙の一大ポイントは自民党の一連の不祥事を有権者はどう判断するか、特に裏金議員たちを当選させるかどうかです。早い話、名前の上がった議員たちには一度野に下ってもらうのが、最良だと思います。何だかんだと弁解しても、結局当選してしまったら、本当に身につまされることはないし、禊ぎは済んだと過去の悪事が全部流されてしまう。
そんなことが繰り返されているうちに、自民党政治階級は調子づき、思い上がり、犯罪行為をしても処罰されない(大甘で済ましてもらえる)とか、裏金問題で明らかになったように「税金」を納めなくても許されるといった具合に、ますます特権階級と化しています。彼らによって利権にしか興味のない政治が横行すれば、しわ寄せは一般の国民生活に及びます。最終的に国力低下を実感することが増えてきたことと無縁ではないでしょう。
昨日は、裏金問題で非公認となっている東京24区(八王子)の萩生田光一氏の言動を取り上げましたが、今回の選挙では、他にも、落選させた方が「最良」の候補者が多数います。弁護士の郷原信郎さんも、10月23日(水)に東京7区の丸川珠代候補、翌24日(木)には同9区の菅原一秀候補の「落選運動」にマイクを握っています。
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郷原総合コンプライアンス法律事務所
世間的な関心度が高い選挙区ですし、二人とも事情を知れば知るほど落選がふさわしい候補と思うので、個人的にも注目していますが、ここで詳細に触れても、郷原さんの二番煎じ、三番煎じ以下となりますので、これとは別に一つだけ、東京ではなく、岩手3区についてだけ取り上げてみます。
この選挙区は、ご存じ立憲の小沢一郎氏の選挙区ですが、前回2021年の選挙ではこの「牙城」が崩され、自民党の藤原崇候補が小沢氏に6000票余りの差をつけて勝ち、小沢氏は比例復活でやっと議席を確保しました。藤原氏はその後自民党の青年局長になり、例のダンサー懇親会の件で批判されて辞任、裏金問題でも14万円のキックバックを受けていたことが明らかになりました。岩手と言えば、これは参院ですが、今年の8月広瀬めぐみ議員が公設秘書の給与詐取(や不倫)で辞職したばかりで、ここで藤原氏が勝つことになれば、「悪事」が不問に付されることほぼ間違いなしです。ここは岩手の有権者のみなさんに、何とかしてもらいたいです。
ダンス懇親会で青年局長辞任の自民・藤原氏、議員辞職の質問に答えず [自民]:朝日新聞デジタル
藤原候補もそうですが、わが千葉県の小林鷹之候補(千葉2区)も40代。日本の政治家としては「若手」と言われる人たちに総じて「政治家的魅力」が乏しいと感じるのは、個人の問題もあるでしょうが、「先輩」たちの振る舞い方の影響も大きいと思います。野に下る経験をさせた方がいい。あと、春風亭一之輔の名回答もぜひご覧ください。
https://x.com/makimakiia/status/1849814892339134511
