ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

うやむや総裁選 自浄能力なし

 当初、北九州市の学校給食をめぐる「騒動」について調べて書こうと思っていたのですが、自民党旧安倍派の裏金裁判で新証言が出てきたので、こちらについて短く書こうと思います。

 裁判の主は、旧安倍派の元参院議員大野泰正氏とその秘書で、例のキックバックされたパーティー券収入5年分の5,100万円を収支報告書に記載しなかった罪で、政治資金規正法違反に問われています。昨日の公判では旧安倍派の元会計責任者・松本淳一郎氏が証人尋問を受けました。そこで、松本氏は、中止されていたキックバックの再開を求めた「ある幹部」が下村博文(尊称・肩書などは一切略します)であることを明かしました。読売新聞の記事からの引用です。
“下村氏にキックバック再開求められた”旧安倍派元会計責任者 | NHK | 政治資金
旧安倍派の会計責任者「還流再開を要望したのは下村博文氏」、大野被告公判で証言…下村氏は「事実全くない」 : 読売新聞

……この日の公判で松本氏は、還流再開の経緯について、大野被告の弁護人の質問に答える形で説明した。「下村氏から議員にお金を返してあげてほしいと言われたか」と問われた松本氏は「はい」と述べた。「『(再開を)安倍氏が了承した』と下村氏から言われたか」との質問にも、「そうですね」と答えた。
 その上で松本氏は、幹部協議で、下村氏が池田佳隆・前衆院議員(59)(政治資金規正法違反で起訴)への還流を要望したとし、再開が決まったとの認識を示した。
 自身の公判で松本氏は、還流再開を要望した人物について「ある幹部」と述べるにとどめ、名前を明かしていなかった。
 下村氏は今年5月、参考人として招致された衆院予算委員会で、還流再開を求める議員がいることを松本氏と安倍元首相に報告したとし、安倍元首相は「そうですか」と答えたが、それ以上のコメントはなかったと説明。その上で、「再開を求めるということではなかった」と述べていた。
 下村氏は25日、自身のX(旧ツイッター)に、還流再開を要望した事実は全くないと投稿。「ノルマ超過分の還付(還流)を受けられないかとの声を松本氏に報告したが、還付再開を指示・決定する立場ではありませんでした」などと記した。
 一方、松本氏はこの日、議員側に還流した資金について「政治活動や選挙に使ってもらいたかった」と語った。ノルマ超過分の還流を希望する議員が「結構な数いた」とし、大野被告についても「いた気がする」と述べた。……

 2月に都内のホテルで行われた異例の「参考人聴取」で、すでに松本氏は旧安倍派の幹部からキックバックの再開を求められたこと、その幹部が現職議員でないことを明らかにしていました。現職議員でない幹部は塩野谷立氏と下村の二人で、証言内容に食い違いがあるのは後者なので、「下村がキックバックを要求した張本人」というのは周知(既知)の「事実」と言ってもよいでしょう。SNSで「ちがうもん、僕じゃないもん」と言ってないで、裁判の場に出て証言すべきです。
 自民党は現在総裁選中ですが、候補者は誰も企業・団体献金の制限・廃止問題を口にしませんし、上の裏金問題に決着をつける気もありません。おまけに、次の政権でいわゆる裏金議員を要職に起用することを否定さえしない。そういえば、下村博文はこの7月に東京11区の支部長に選ばれたという話ですから、この人は次回の衆院選で11区の自民党の公認候補になる見込みです。……ほんと、ため息がでます。

 「自民党の自浄作用はいったいどうなってんですか?」
 「いやいや、党にもいろいろ事情がありまして……」
 「悪党が次乗三乗で増えてますんで、そう言われても追いつきません……」
 「そりゃ尋常ではありませんな。ダハハハハ……」
 「…………。」

<追記>
 小泉陣営では、配信動画に「やらせコメント」を求めていたようで、いやはや、驚かされます。しかも事務所が勝手にやったみたいなことを言ってますし……。さすが、「自浄? 何だ、それ?」 という政党ですな。
【小泉陣営も事実認める】小泉進次郎陣営が「ニコニコ動画」で“ステマ指示” 「石破さんを説得できたのスゴい」など24のコメント例、高市氏への中傷も… | 文春オンライン
【ポスト石破】ネット大荒れ「見苦しい」「国民なめるな」小泉陣営のステマ女性議員→言い訳コメントで火に油 高市氏支持議員にコメ晒され再炎上 「さすがにこれは」「アウト」「そんな言い訳だれが信じるか」(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース

<追・追記>
 むかしDappiという匿名アカウントが、X(旧Twitter)上で野党批判や自民党擁護の投稿を繰り返し、その運営会社に自民党側から資金が拠出されていた問題がありましたが、これも結局うやむやなままです。今度は野党ではなく、総裁選のライバル候補に対して、「同じ手法」が使われているわけで、公の選挙で、こんな不正が発覚しても、ごめんちゃいで許しされてしまうとしたら、自民党にはこういうのを許容する「文化」があるのだと思わざるを得ません。そうでないなら、標的にされた高市陣営はもっと怒るはずでしょうし、進次郎候補は口先だけでなく本気で「責任をとる」と思っているのなら、総裁選から退いてしかるべきです。
「Dappi問題に見る情報操作と政治資金の闇 ― 自民党との関係を問う」|未来解析ラボ





 
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