ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

岸田首相の揺れる最適解

 昨日の参院予算委で小西洋之議員から「朝令暮改にも程がある」と吐き捨てられた岸田首相。その前日10月18日の衆院予算委では、旧統一教会の解散命令をめぐる要件について「民法不法行為は入らないとの解釈だ」と答弁し、世間から「やる気なし!」と非難されると、19日の参院予算委では、「民法不法行為も入りうる」と述べ、一夜にして「軌道修正」しました。これは「山が動いた」と言っていいくらいの態度(認識)変更だと思います。調べると、旧統一教会の組織的関与(不法行為)を認めた民事裁判の判決はいくつか出されて確定しています。今後何か邪な画策が働かなければ、解散命令が出される可能性は大いに開けたと考えるのが妥当でしょう。まだ関門はあるでしょうが、希望は出てきたように思います。
自民議員「まずい」 首相が答弁を180度転換するまで 旧統一教会 | 毎日新聞

 この驚愕の方針変更、非難に値するとはいえ、多くの国民にとってはおおむね歓迎すべきことです。ただ、実務を担う人たちは振り回されるわけで、この「船長」、二時の方向へ、と言ったり、十時の方向に変える、と言ってみたり、大丈夫かあ?と思っている官僚は多いでしょう。

 昨晩「一月万冊」を見ていたら、岸田首相の右往左往について、ジャーナリストの佐藤章さんは、だいたいこういう話をしていました。
岸田首相が内閣支持率続落で大混乱!統一教会への解散命令で二転三転。懸念は壺議員筆頭の萩生田と麻生太郎。引くも進むも地獄の自民党と統一教会問題。元朝日新聞・記者佐藤章さんと一月万冊 - YouTube

 佐藤:なんで一夜にして変わってしまったのか。僕が思うに、一番の原因は岸田さん自身に物事を深く考える能力がないんじゃないかということなんです。たとえば、安倍さんの国葬があったでしょ。岸田さんは安倍さんが亡くなったとき、安倍さんを撃った容疑者が統一教会信者の家族だったという情報はすでにもっていたはずです。ということは、統一教会のことがこれから大問題になり、自民党との関係を考えたら、とても国葬なんかできんぞと。そう考えれば、国葬はしなかったはずですよ。ところがやってしまった。
 今回の解散命令請求の件も、岸田さんは支持率の低下がひどくて、27%という数字もありましたからね、最初は解散命令請求を出さないと、政権がもうもたないと判断したと思うんです。それで、請求まではやるようにと、周りの官僚たちに最初の指示を出したと思うんですよ。けれども、最初にこの指示を受けた官僚たちが、そのとき何を思ったかというと、岸田さんは物事をそれほど深く考えるわけではないし、決意が固い政治家というわけでもない。この指示だって、あとでどうなるかわからないぞ……などと考えて、たぶん徹底的にはやらなかったんじゃないかと思うんですね。だから、解散命令請求のためには、刑法に触れる場合なのか、民法に触れる場合なのか、あるいは両方なのか、幾つかある考え方について、岸田さんにきちんと知らせなかったんじゃないか。岸田さんの決意の程がわからなかったから、解散命令まで突っ走って大丈夫なのか、自信が持てない、と。だから、中途半端な法律知識の伝達だけになってしまったんじゃないかと思うんですよ。岸田さんは、レクチャーを受けたときの「刑法など」の「刑法」というのが頭にあったから、これは民法は含まないんだろうと、半端な知識で答弁に立ってしまったんだろうと思うんです。

 清水:岸田さんの二転三転ぶりで言うと、例の「出産クーポン」というやつも、自治体の判断で現金支給も可能ですと今日(昨日)言っちゃったんですよね。これ、現場が大混乱するパターンですよね。こういうの、役人からめちゃくちゃ嫌われますよね。
 佐藤:意志がはっきりしないと、そういうことになりますよね。さらに言うと、この問題を担当している文化庁の宗務課も、民法が含まれるかどうかについて、あまり積極的ではなく、むしろ消極的だったんです。この問題に取り組んできた弁護士連絡会からは積極性を求められてきたことなんですけど。こうした状況と、岸田さんの意志がはっきりしない、どこまでやるつもりなのかがよくわからないんというのがマッチして、官僚からすると、民法のことまでは説明できなかったと思うんです。
 結局ね、統一教会問題は国民にとっても、自民党にとっても、今最大の問題ですよね。総理・総裁であれば、解散請求も含めて、断固とした意志で問題解決に当たり、最後まで自分が責任をもって指導するというのが本当の姿のはずなんです。でも、岸田さんにはそういうところが感じられないんです。官僚が説明しなかったのが悪いというよりも、官僚を説明させる気にさせなかった岸田さんに原因があると考えるべきで、これは岸田さんが自ら招いたことなんですよ。

 手厳しいと言えば手厳しいかも知れませんが、我々はある意味「船長」に命を預けてるわけですから、こういう評価、こうした批判が上がるのもやむを得ません。今日も参院予算委は続きます。

<追記>
 今朝の新聞に数行の小さな記事がありましたが、岸田首相は明日21日からオーストラリアに行くようです。「正式発表」ということは、一昨日までは情勢がどう転ぶかわからなかったけれども、国会はこれで当座大丈夫そうだと踏んだから、「正式に」という意味なのでしょうか。でも、裏を返せば、一昨日までに「正式」発表をするとまずいことになると思って「黙って」いたわけで、何というのか、姑息というか、あまり「気の利いた」話ではないなと思います。もちろん、相手のあることで、前から予定されていたことでしょうし、豪州に遊びに行くわけではないのでしょうが、それにしても…です。今日は20日ですよ。
首相訪豪を正式発表 | 毎日新聞




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