ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

「爺はまだ忘れない」

 今朝新聞(毎日)を眺めていたら、川柳欄に、
 コノハゲー爺は一生許さない(日立・北の馬場さん)というのがあり、笑ってしまいましたが、「一生許さない」というほど根に持たないまでも、わずか一年かそこらで忘れていいはずがない問題があります。
 今「解散命令」が出るかどうかが焦点になっている世界平和統一家庭連合(旧統一教会)について、同じ毎日新聞の「オピニオン」欄に、日本基督教団豊岡教会の小林聖(さとる)さんの談話が載っています。宗教弾圧につながるという危惧は、無宗教の人間には実感が伴いませんが、理解はできるつもりです。しかし、小林さんの記事にあるように、そもそもの問題の中心(ないし本質)は「(教団の)金への執着と権力との癒着」です。この件は、一年前から言われていたとおり、自民党議員と旧統一教会との根深い関係から世間の目をそらすための「解散命令請求」といってもよいでしょう。一部引用します。

論点:旧統一教会の解散命令請求 | 毎日新聞

……オウム真理教は、教義の核心部分に基づいて暴走した。その点で、確かに宗教問題だった。無論、どんな教義でもそれ自体を理由に弾圧されてはならない。オウム真理教も、教義ではなく、その結果としての犯罪が問題になった。旧統一教会の場合、宗教の形こそ取っているが、問題の中心は金への執着と権力との癒着だろう。教義はその道具とさえいえる。つまり本質が宗教問題ではない。
 集金組織である旧統一教会を追い込むには、解散命令よりも、関連企業との関係や韓国への献金の流れなどを徹底的に調査し、違法性を追及し尽くす方が有効ではないか。実際に米国では80年代、教祖の文鮮明が脱税で有罪になると、勢力拡大に歯止めがかかった。
 そもそも、旧統一教会オウム真理教と違い、突然、凶悪事件を起こしたわけではない。何十年も前から社会問題化され、違法性を指摘されてきた。放置してきた政府の責任がなぜ問われないのか。
 さらに問題は、旧統一教会にいわばお墨付きを与えてきた政治家だ。彼らへの責任追及が不十分なままでよいわけがない。旧統一教会は、マインドコントロールだけでは、ここまで勢力を拡大、維持できなかった。安倍晋三元首相を筆頭とした政治家らを宣伝に使い、信者や入信しようとする人を信用させた。つまり、政治家は加害の当事者だ。解散命令というしっぽ切りで終わらせてはならない。……

 同じ主旨の記事は朝日にもありました。
「ちょっとヤバないか?」 旧統一教会の解散請求、ある宗教者の懸念:朝日新聞デジタル

 「政治家は加害の当事者だ」と小林さんは言っていますが、この「政治家」とはほぼ自民党の議員と言っても過言ではありません。先日急逝した細田衆院議長は、結局統一教会との関係を自ら説明しないまま(党による細田・安倍両氏の調査報告をしないまま)、「冥界」に(……かどうかわかりませんけど)逃げ去りました。ディープな付き合いをしていた「現世」の国会議員たちは、今や「知らぬ顔の半兵衛」です。「解散命令請求」だけを騒いで、片側だけアウトにしても、もう片方はほくそ笑んでるでしょう。小生も「爺」になって、記憶力は日々衰えていますが、「集団催眠」に陥らないくらいの気力は、まだまだ失っていないつもりです。


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