七夕。参院選の最中です。
昨日6日(日)付の毎日新聞・社会面に以下のような数行の短い記事がありました。
外国人労働者 「ルール無視」 保守・百田代表 | 毎日新聞
日本保守党の百田尚樹代表は5日、福岡市での街頭演説で、日本に居住する外国人労働者に関し「日本の文化は守らない。ルールは無視する。日本人を暴行する。日本人の物を盗む」と語った。ヘイトスピーチに該当する可能性がある。
事実確認のため百田氏の演説の動画を探して見てみました。全部見たわけではないので、該当する場面には当たらなかったのですが、全体的な話のムードというか文脈からすると、報道どおりの「ヘイト」発言をしていてもおかしくはない印象です。しかしまあ、これはあくまで私的な印象です。
今日7日(月)の毎日新聞・社会面には参政党支持者の声が紹介されています。
……東京都目黒区の会社員……(51)と妻(54)も「2年くらい前から参政党を支持している」と口をそろえる。理由は「『(日中戦争における)南京大虐殺はなかった』という教育をしてくれそうだから」(妻)。妻は「税金は日本人だけに使えばいい。だから財務省は解体ですよ」と続けた。「解体」のやりかたを問うと、「職員を全員辞めさせ、愛国心がある民間人から面接で選ぶ」と返ってきた。こうした「〇〇解体」「外国人排斥」を訴える人々と、参政党の親和性は高い。
……参政党は今回の参院選で「外国人問題」を主要な訴えの一つとしている。 公約では外国人の流入数を市区町村単位で日本国民の5%までに制限し、憲法が保障する生存権に基づく生活保護の支給対象から外国人を除外することを掲げる。
外国籍から日本国籍になった人に被選挙権を認めないのも独自の主張だ。……
参政党の主張の中身もさることながら、参政党の支持者の中には、日本に住む外国人から、消費税はもちろんのこと、所得税ほか、ほぼ日本人と同じように税金が徴収されている(むしりとられている)という当たり前の事実に気づいていない(か、視野の外におく)人がいるような感じがします。一般的に言って、税金を納めている住民に公平なサービスを提供するのが行政の務めで、もし正当な理由もなくサービスを提供しない(拒む)となったら、それは差別でしょう。
自分が生活しながら感じる不安や不満は、人によって様々だと思いますが、それらがすぐに改善するような対策は、そんなに簡単には見つからない方が多いでしょう。とはいえ、たとえば、町の治安が悪いのは、外国人が日本にたくさん入ってきているからだ、とか、貧窮する日本人の自分に公的な支援が乏しいのは、外国人に支援名目でたくさん税金を使うからだ、というような説明が一種のリアリティをもって胸にストンと落ちれば、誰もが「そうだったんだ」「あいつらのせいだ」と思うこと、それ自体はあり得るでしょう。しかし、外国人も日本人と同様、犯罪を犯す人もいれば、そうでない人もいます。むしろ、大多数は安らかに暮らしたいと思っているんじゃないか、くらいの想像はできるはずです。身近に親しい外国人がいれば、なおさら妙な決めつけや偏った見方はやめとこうという気になるものでしょう、「普通の人」であれば。
雑誌『地平』8月号で田中優子さんはこう書いています。
「……私はなぜ現代の政治家の中で安倍元総理や、安倍派の議員たちが戦前的イデオロギーに執着し、天皇が臣民たちに与えた教育勅語をありがたがるのか、不思議でしょうがないのだが、その理由は「過去の栄光」にあるのだと思う。つまり日本人が日本を誇りに思えるのは、日清戦争とその連続で勝利した日露戦争だけなのではないのか? つまりは明治天皇の時代である。教育勅語も、明治天皇が発布している。
「強い日本」「勝利する日本人」を感じると、まるで自分が強い人間で、勝利した人間であるかのように錯覚する。そういう人たちが世の中にはいる。自分が強いわけでも誰かに勝っているわけでもないのに、幻想に酔う。トランプが夢見るアメリカも、すでに失われている強い白人のアメリカである。プーチンが夢見るのも、すでに存在しない強大なソビエト連邦である。トランプと安倍元首相とプーチンの共通点は、過去の栄光にすがって政治を行ない、未来を壊していることだ。その中でもとりわけ、日本の教育勅語派のタイムスリップは長い。130年も前の自分にすがっている。……」
(田中「もう戦時体制です」、『地平』8月号、109頁)
今日の毎日新聞の「みんなの広場」にはこんな投書が掲載されています。
みんなの広場:他国を見下さず尊重しよう=会社員・青木陽菜・22 | 毎日新聞
韓国で尹錫悦(ユンソンニョル)大統領(当時)が戒厳令を発令した際、日本のSNS(交流サイト)では抗議する韓国市民を冷笑するような投稿が目立ちました。ニュース番組では、アナウンサーが「韓国は民主主義が成熟していない」と発言しており、深く違和感を覚えました。
韓国の民主主義は、市民が命がけで獲得してきたものであり、その歴史を無視して「未熟」と断じるのは傲慢ではないでしょうか。政治への関心や参加という点では、むしろ韓国のほうが日本よりもはるかに活発であるように感じます。
また、韓国大統領選を「反日か親日か」といった一面的な切り口でしか語れない日本の報道姿勢にも問題があります。こうした見方は、隣国の政治を正確に理解する妨げになるだけでなく、無意識のうちに優越意識や偏見を助長してしまうのではないでしょうか。
世界は日本を中心に回っているわけではありません。他国を見下すことで得られる安心感に浸るのではなく隣国を対等な存在として尊重する姿勢を、私たちは持つべきだと思います。
世界は日本を中心に回っているわけではないし、自分を中心に世の中を見てばかりいるのも考えものです。若いこの女性の意見に心から賛同します。
投開票日までまだ二週間近くありますが、今日はこれから期日前投票に行こうと思います。
