かねてから国会閉会後の逮捕が噂されていた河井克行・案里夫妻が、昨年7月の参院選をめぐる公職選挙法違反（買収）の容疑により本日午後逮捕された。逮捕前々日の16日には公設秘書がすでに有罪判決を受けている。
事件が公になってから二人とも一切釈明をせずに今日を迎えたが、案里氏の方は6月5日に、ノンフィクション作家の取材に応じて3時間ほどしゃべっている。それによると、買収に関しては、「説明できないようなことは何もしていない」「今回これを買収だと認めてしまったら、……陣中見舞いや当選祝いを選挙前に持っていけば全部『買収』となる（選挙中・直前でなければ買収にはならない、ってことか？）」「他のみんなも選挙違反ということになる」「私は裁判で勝てますよ」と語ったという。
「私は裁判で勝てます」河井案里氏が立件直前に語った本音 | 文春オンライン
彼女の話を聞いていると（読んでいると）、知らないうちにこの国は古色蒼然たる買収選挙の時代に戻ってしまったような感じがする。これまで公職選挙法は何度も改正されてきた。まだまだ抜け穴が多いとはいえ、カネの動きの透明度を高め、カネをもっている側が選挙で有利にならないように法律がつくられてきた（はずだ！）。しかし、この人にとっては選挙前に要人にカネを配って自分の票のとりまとめを頼むのは当たり前の行為で、選挙中でなきゃ買収のお金かどうか特定できない、だからいいじゃないかと言いたいらしい。そもそも党から選挙資金として1億5千万もの大金をもらって、同じ選挙区の溝手顕正候補、その他よりも資金的に圧倒的に有利な立場にいることをどう考えているのか。自分が不利でなければ“不公平”などという言葉には思い至らないのだろうか。さらに、自分が「買収」の罪に問われるんだったら、他の人も同じことをやってるんだから彼らもみんな「買収」になってしまう、だから？、自分は裁判では負けないのだそうだ。まるで、叱られた子どもの言い訳、「だって、〇〇ちゃんだってやってるよ」「僕だけじゃないよ、みんなやってるのに、何で僕だけ……」と変わるところがない。
……わかった、わかった、案里くん、じゃ「他のみんな」って誰のことか、名前を言いなさいよ、一網打尽でみんな逮捕するから……。えっ？ 言えない？ それはないでしょう、今「他のみんなもやってる」って言ったじゃないの。えっ、誰なの？ は？ しんちゃん？！
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