ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

アベノマックス:“マックス”なのはアベか国民か

 アベノマックス:「アベの心身はもうマックス」の意。首相として140日以上休みなく働き続けて、心身ともにいっぱいいっぱいの状態とする本人及びその取り巻きの対外的な弁明。これに即応して「安倍総理、少しは休んでください」などと、当人が終日自宅にいただけで記事にする忖度メディアまで現れる。しかし、国会を閉会した途端に夜の会食を“解禁”、懇意のネット番組で放言するなど、アベ当人は実際には睡眠時間も十分とれて、先のコラボ動画よろしく元気であり、国民のために心労多くして、睡眠時間を削ってめいっぱい職務に取り組んだといった客観的事実はない。そのため、内閣不支持率が半分近くに達し、いよいよ政権末期かとざわめく向きもあるが、本人がそういう声に耳を傾けるはずもなく、支持率などというものは静かにしてればまたもとに戻ると踏んでいる。逮捕された河井前法相の任命責任やら、河井案里議員の選挙資金1億5千万円の支出など、説明しなければならない案件は山積するが、生来的にこの種の難題を回避しながら生きてきたので、今後も天性の話題逸らしと虚言で乗り切る構え。なお、「アベノマックス」には、これとは真逆に、「アベ政権はもう限界だ、これ以上は勘弁してくれ」という意味合いもある。むしろ、こちらの方が重要。
 まっ、戯言ですんで……。

 先週の河井夫妻逮捕以後のアベ氏の夕方の動きの記録。
<6月18日(木)>14:50頃 東京地検特捜部は河井克行法務大臣河井案里議員を逮捕 公職選挙法違反容疑で逮捕
 18:00から18:59まで記者会見。19:20から19:50まで、スペインのサンチェス首相と電話会談? 20:46、官邸発。21:00、東京・富ヶ谷の私邸着。
<6月19日(金)>18:23、官邸発。18:30、東京・虎ノ門のホテル「アンダーズ東京」。レストラン「ザ タヴァン グリル&ラウンジ」で麻生太郎副総理兼財務相菅義偉官房長官甘利明自民党税制調査会長と会食。21:29、私邸。←3月18日ホテルグランドパレス日本料理店 千代田での外食以来約3か月ぶりの外食とのこと。
<6月20日(土)>17:42、私邸発。……19:05、官邸発。19:07、東京・永田町のザ・キャピトルホテル東急。レストラン「ORIGAMI」で秘書官と食事。20:40、東京・神宮前のスタジオ「シャトーアメーバ」。テレビ&ビデオエンターテインメント「ABEMA」のインターネット番組に出演。22:17、私邸。
<6月21日(日)>終日、私邸で過ごす。来客なし。
<6月22日(月)> ……… 18:22、官邸発。18:30、東京・丸の内のパレスホテル東京着。同ホテル内の日本料理店「和田倉」で細田博之自民党元幹事長と会食。20:46、同ホテル発。21:03、私邸。 

 下線部「ABEMA」の番組で橋下徹氏に「1億5千万円」の件を問われた際の答え。
アベ:これは二階幹事長もすでに説明されているところですが、選挙においてはいろいろな判断を党の執行部でするんですが、そのときに党勢の拡張を進めていかないと、自民党の候補者は結果的に通らないという判断を党本部ではします。選挙情勢というのは、もう一年以上前から分析をしているんですけれども、広島においては、2名区で2名当選させようと、それまでとっていた票が相当2名分いく可能性のある票を、……いける可能性があった。少なくとも、2人とも共倒れする可能性がないんであれば、党勢を拡張するうえにおいても、候補者を二人にしようという判断を最終的にしました。その判断は私もかかわっていますが、そういう中においては、たとえば一選挙区に複数出している選挙区は他にも、北海道とか千葉とかいろいろなところにあります。それから激戦区というのもあります。これは参議院選挙だけでなくて衆議院選挙や地方自治体の選挙もそうなんですが、当然そのときに党勢を拡張させていくためにおいて、どれくらいの政治資金を投入しようかという判断をするんですが、いくつかのランクに分けているんですが、相当思い切った額を投入すると。政治を安定させていくためには、もちろん合法の中において政治資金規正法上ですね、公職選挙法上全く問題ないことなんですが、かつ、党本部から支部にお金を入れるわけですが、これは銀行に振り込んでいるわけですね。ですから、これもまったく問題ないですし、今、橋本さんがおっしゃった政党助成金、これは税金ですから、この使いみちにおいては、自民党は相当厳しくやってます。公認会計士を入れて、きっちりと使いみちを限定して、出口の方においても、基本的には党本部から今言った広島の支部に行ったら、使いみちはこちらで決めるんですが、どういうことに遣ったかというのは事後的にちゃんとチェックをします。政党助成金の場合は…。ですから、これについてもすでに党から説明があったと思いますが、党の機関紙、相当多くのものを複数回にわたって配布したということですので……。

 二人立候補について「1人(=溝手候補)の落選の可能性が少ないから」党勢拡大のために2人目を……という話なら理解できる。ところが、「2人とも共倒れしないんであれば」というのでは「どちらか1人は落ちてもいいから」という意味になるので話は全然ちがってくる。これで、候補Aに他方のB(溝手)の10倍もの資金を充てたら、それはBは落ちても構わない=落ちろ、というのに等しい。また、党勢拡大のために機関紙を複数回配布すると“億” の金額になるのかどうか(もっとも、広島県選管が参院選挙費用として認めている金額の上限は4726万9500円なので、差し引いた残りの1億余りのカネはバラまく以外に使いみちがあったのか? まさか着服や献金、その他の賄賂ってことは…)、自民党公認会計士、ではなく、自民党公認会計士厳しくチェックしないといけない。

 最後に、昨夏の参院選で広島選挙区を回った首相秘書について、陣営関係者の証言なるものを紹介した『しんぶん赤旗』6月21日付の記事を部分的に引用。

www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-06-21/2020062113_01_1.html

……大型買収の舞台となった昨夏の参院選・広島選挙区では、安倍晋三首相の秘書が案里陣営の支援に入っていました。………取材に応じた陣営関係者によると、昨年6月下旬に安倍首相の筆頭秘書をはじめ数人の秘書が応援に入り、一緒に4日間かけて県内の企業40~50社を訪問したといいます。
 「名簿を片手に事前の約束もなしに回りましたが、社長さんに応対してもらえた企業も多かった。秘書は『安倍晋三事務所から来ました』と名刺を差し出してあいさつしていました。相手も総理の秘書だということで好意的な反応だった」と振り返ります。
 首相の秘書が、応援に入ることは異例です。NHKの報道(19日)によると、安倍首相は報道各社からの質問に対し「私の指示により秘書が広島に入ったことは事実だ」と回答しました。なぜわざわざ山口県から応援にいれたのか―。
 広島選挙区(改選数2)で自民党県連はベテランの溝手顕正元防災担当相を支援し、県内の企業や自民党議員の多くが応援しました。他方、党本部のごり押しで割り込んだ案里容疑者のもとには克行容疑者と親密な安倍首相や菅義偉官房長官が応援に駆け付けました。
 この関係者は「今回は厳しい選挙になる」と克行容疑者から応援を依頼され、昨年6月上旬から投票日の7月21日まで案里容疑者の選挙を手伝いました。
 「溝手さんのポスターの横に張らせてもらった案里さんのポスターが剥がされるなど、激しい票の奪い合いだった」といいます。
 この関係者によると、首相の秘書は公明党の支持母体である創価学会の施設や公明党市議の自宅も訪問。「選挙区では河井案里をよろしく」と支援を依頼していたといいます。
 参院選広島県での公明党の比例得票数は14万7045票です。同党は選挙区で溝手氏と案里容疑者をともに推薦していました。
 「選挙戦の序盤は現職の溝手さんが優勢だったが、案里陣営には公明党の票が入れば勝てるという確信があった」と、この関係者は明かします。

追記あり





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