ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

広島 収賄側100人は立件しないのか?

 これは「司法取引」なのだろうか?
 公職選挙法違反(買収)の容疑で起訴された河井夫妻。1か月後の8月7日までには「百日裁判」の初公判が開かれ、検察はもらった100人の議員や首長らの名前を全員法廷で読み上げる予定だという。それはよい。しかし、もらった100人の刑事処分は、現在も未定というか曖昧にされているとのこと。彼らは起訴されないのだろうか?
 現金をもらった市議や県議の中には、「(検察は)もらったと素直に認めればおとがめなしという感じだった。」(広島市議)とか、「現金をむりやり渡されただけ。起訴されないのは当然と思う。」「取り調べでも、カネの授受を認めて調書にサインすれば、事件にはしないという話のはず。」(広島県議)などと話している者がいる。
 加えて、賄賂の原資1億5千万。「党本部のガサ入れは免れた」と話す自民党幹部がいるが、捜査はやらないのだろうか。

 検察のトップは今月中に稲田伸夫氏から林真琴氏(東京高検検事長)へと交代するというが、これでは黒川氏が検事総長になっても大差なかった。……などと言われないように、しっかり(というか、普通に)やってもらわないと困る。これでは検察が犯罪を増長させる。
 以下、7月9日付『週刊朝日』の配信記事より引用。

河井夫妻起訴でも収賄側、1億5千万円疑惑は不問「百日裁判でカネ貰った議員名出れば、大混乱」自民党幹部 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

 ……「河井容疑者夫妻がいくら否認しようが、100人もの市長や県議がもらったカネは、案里被告の選挙で票をとりまとめる意味でもらったという趣旨の供述調書が複数、作成されている。録音録画をしている県議、市議もいる。絶対的な証拠もある」(捜査関係者)
 だが、不思議なことに、もらった市長や県議ら100人の刑事処分については、現在も決まっていない。昨日の検察の起訴発表でも「差し控える」「現時点で起訴すべる(ママ)必要がある者は、起訴している」という回答を繰り返した。
 自民党本部から昨年7月の参院選公示前に夫妻に支出された1億5千万円の使途についても「オープンになっていない話で差し控える」と言うばかり。
 昨年12月には秋元司衆院議員が中国系企業から現金などをもらった収賄容疑で逮捕、起訴されたが、現金を提供した側も贈賄容疑で立件されている。
 罪名は違えど、渡した側の河井容疑者夫妻が起訴ならもらった側の市長や県議ら100人も立件されるのが通例だ。それも市長や県議など公職の立場の人たちが大半だ。元東京地検特捜部検事の郷原信郎弁護士はこう言う。
「今回、検察が立件した河井夫妻容疑者の事件はカネで票を買う民主主義の根幹にかかわるもの。もらった側、被買収の人、多くが県議や市議など公職にある。そこを罪に問わない、これはおかしい」
 河井夫妻容疑者の起訴を受けて、本誌は現金をもらった市議、県議を改めて取材した。
「検察の調べで、もらったと素直に認めればおとがめなしという感じだった。事件にならなければ、助かる」(広島市議)
「現金をむりやり渡されただけ。起訴されないのは当然と思う。検察はよく見てくれている。昨日、もらった人は起訴されないと報道を見てほっとした」(広島県議)
だが、克行被告に近い自民党関係者はこういう。
「裁判では徹底的に争う。もらったという100人、全部を法廷に呼び、本当に選挙のためにカネを渡したのか、尋問したいという方針のようだ」
 百日裁判は原則、起訴されてから1か月程度で初公判を開くことになっているので、逆算すると8月7日までとなる。
 検察は河井夫妻の買収を立証するため、もらった100人の名前、全員を法廷で読み上げる予定だという。前出の県議は慌てた声でこう語った。
「裁判で貰った人間の名前を言うのか?裁判で公になれば、苦情が一杯い(ママ)きて、議員は続けられない。今は名前がハッキリしないから、なんとか辞めずにごまかせている。公表は困る。せっかくのバッジが飛んでしまう。取り調べでも、カネの授受を認めて調書にサインすれば、事件にはしないという話のはず。ヤバイよ」
 法廷でカネをもらったことが明らかになれば、県民、市民の批判はさらに強くなるはず。広島県内で、40人を超す自民党系の県議、市議が同時に辞職となれば、当然、補欠選挙となる。そこへ案里被告が失職した場合も選挙だ。
「検察が贈(ママ)賄側を起訴しないのは、河井夫妻被告の裁判対策かもしれない。証人で県議や市議たちに、票のとりまとめでカネをもらったと法廷で証言させたいがために、刑事処分を先送りしているのではないのか。つまり、検察ストーリー通り証言すれば、起訴しない、事件にしないという意味でしょう。その脅しのような手法は問題だ」(前出の郷原弁護士)
 河井夫妻がばらまいたカネの原資とみられている昨年7月の参院選公示前に自民党本部が夫妻に振り込んだ1億5千万円の捜査については不問になりつつある。
 安倍首相と近い自民党幹部がこう話す。
「党本部のガサ入れは免れたが、選挙となれば、自民党が勝てるわけない。それも30人とか40人の市議や県議がやめる補欠選挙になるわけでしょう。なんとか県議や市議の辞職が回避できないものか、安倍官邸も心配している。証人尋問で、自民党から振り込んだ1億5千万円や安倍首相の秘書が応援で広島入りしたことなどの話が出て、変な証言でも出るとえらいことになる。だが、もう“守護神”の黒川弘務前東京高検検事長もいないし、頭が痛い」
 8月にも予定される河井夫妻容疑者の初公判。とんでもない、時限爆弾が炸裂するのかもしれない。





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