政治世界の裏話に興味はありますが、知れば知ったで、いやーな感じもしてきます。
パーティー収入の裏金化問題で、今、大揺れの安倍派と自民党、および岸田政権ですが、テレビで紹介されたグラフなどを見ると、安倍派のパーティ収入だけが他派閥に比べて少ないのは、誰しも妙だなと思います。昨年2022年分の政治資金収支報告書のデータによれば、麻生派が2億超、二階派、岸田派なども1.8億くらいなのに、なぜか安倍派は9,000万円台なのです。政権与党である自民党の最大派閥が他派閥よりも「金集め」が下手ってこともないでしょうし、これは何かあるんじゃないかと思う方が自然です。最近の報道でキックバックのシステムがあることを知って、なるほど、と思った人は多いと思います。
しかしながら、キックバックの額や規模が大きいからと言って、安倍派、安倍派と、安倍派ばかりが「悪役」というか、糾弾の対象になるのは少々釈然としないものがあります。他派閥がまったくの清廉潔白ってことはないでしょうし、同じ党の片割れですから、自分たちにだってダメージはあるはずです。この間の岸田首相の対応が「迅速」なのにも「んっ?!」と思います。今まで閣僚に問題が発覚し、各方面から指弾されても、「本人が説明責任を果たすべき」とか何とか言いながら、ぐずぐずと更迭できずにいた人が、今回ばかりは早々に松野官房長官ら安倍派の閣僚ほか、政務官や副大臣を全員「更迭」する方針を示してみたり（安倍派の反発もあり、結局「全員」更迭まではしないそうですが）、支持率が下がって、これ以上不祥事が続発したら、内閣がもたないという危機感はあるにしても、事前にシナリオがあるというか、チャートどおりに話を進めている感じがなくもないのです。
おとといの晩、配信動画の「一月万冊」で元朝日新聞記者のジャーナリスト佐藤章さんの解説を聞いて、疑問が解けた部分もあります。話によれば、今度の件は、安倍政権時代に何度も煮え湯を飲まされ、検事総長の人事にまで手を突っ込まれかけた検察が、積年の怨恨を晴らすべく、安倍派へのリベンジに意気込んでいるだけでなく、財務省（国税庁）もけっこう後押ししていて、その財務省から岸田首相はもうほとんどダメだしされているらしいのです。それから、財務省と昵懇の自民党のＡ氏も、あまり仲のよろしくないＭ氏が今も隠然たる影響力を行使する安倍派（や二階派）にダメージを与え、派閥が縮小・解体するのは歓迎の口のようです。陰謀論くさいですけど、おそらくＡ氏と財務省が共に裏で暗躍しているのは、この世界に関わる人なら、誰もが知っている（想像する）話のようです。岸田さんもＡ氏の掌で転がされているとすれば、「安倍派一掃」の決断（即断）は必ずしも唐突ではないのかも知れません。
岸田内閣は総辞職せよ！あるいは解散総選挙？松野官房長官の裏金疑惑でズタズタの内閣。岸田のウラで暗躍する麻生太郎。元朝日新聞・記者佐藤章さんと一月万冊 - YouTube
まあでも、そんなことが「事実」だとしても、下々の者にはどうしようもありません。できることは、せいぜいメディアに踊らされないよう、自分でアンテナを立てて情報を集め、事態を冷静に見ていくことくらいです。
あともうひとつ。連日表舞台で釈明する政治家のコメントの惨さといったら、これには本当に呆れるというか、毎度毎度聞かされるこちらが「精神の牢獄」に入ってろと言われているようで苦痛です。長崎3区選出の衆院議員・谷川某の「今から読み上げますよ」「何を言っても（訊かれても）その通り」って言ってるでしょ……云々、という「会見」には驚きましたが、これは「頭悪いね」という発言が問題だったというよりも、無意味な音を発する（吐き続ける）ため（だけ）にカメラの前に出て来るその精神性こそが問題でしょう（一応政治家です）。自己を悪辣な「機械（発声機）」と同一化させているのですから、これは要するに、言葉はよくありませんが、「奴隷化」なんではないかと思います。岸田首相も、程度のちがいはあっても自ら同じことをしています。「奴隷」に統治されてるのが自分なのかと思うとゲンナリします。
関係ありませんが、懸案のマイナンバーについて、岸田首相は昨日どさくさ紛れに、来秋から（方針どおり）保険証は廃止すると発表しました。10月現在、病院等でマイナ保険証を使っている人は、全国で4.49％だそうです。
マイナンバー：マイナ誤ひも付け1．6万件 来秋の保険証廃止変えず 政府総点検 | 毎日新聞
クローズアップ：マイナ信頼回復、道険し 「有用性」浸透、カギ 政府総点検 | 毎日新聞
