ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

「政治不信」「再発防止策」という話法

 今朝、いつもより少し遅めの朝食を摂って、8:00頃でしたか、テレビを眺めていたら、例の自民党派閥の政治資金キックバック問題が取り上げられていて、安倍派の重鎮議員に加え、長崎3区選出の谷川弥一衆院議員が4,000万円を超えるキックバックを受けていたことから、本人が記者の前に出て来て「釈明?」する様子が映っていたのですが、冒頭に一礼した谷川氏、記者の質問に答えて少しは謝罪めいたことでも言うのかと思いきや、謝罪どころか、紙片を一方的に読み上げて、あとは記者を愚弄する始末。わざわざ出て来て何なのか。これには驚きました。長崎3区(佐世保とか対馬など)の選挙民のみなさん、こんな愚か者を国政に送って平気なのですか。ここまでくると、投票所に行かない人にも責任はあると思います。結果的にこんなのを「信任」しているわけですから。
また疑惑議員が…記者追及に「頭悪いね」裏金問題に総理周辺では「安倍派一掃」の声も(2023年12月10日) - YouTube

 この件でメディアの前に出て来る議員は、まるで口裏を合わせているかのように、ほぼ全員が同じ内容の紙片を見ながら、同じことを話しています。世耕・参院幹事長は、一昨日の9日、京都の宇治市内で開かれた会合で「国民の政治不信をかき立てたことを申し訳なく思う」と述べました。同日、福井県で、高木・国対委員長も記者団の取材に「政治不信につながり、おわびしたい」と述べていますし、西村・経産大臣も、昨日10日、茨城県那珂市で記者団に「政治不信につながっていることについて、おわびしたい」と語ったとのことです。

世耕氏「政治不信かき立てた」党会合で言及 パー券収入還流疑惑 | 毎日新聞
高木国対委員長「職責を全うしていく」 辞任を否定
西村経産相が辞任を否定 裏金疑惑「適切な時点で説明したい」 | 毎日新聞

 しかし、こうも「政治不信」「政治不信」と繰り返されると、各々がそうなってほしくないと思って言っているというよりも、逆にそうあって欲しいと望んでいる(煽っている)のではないかと思えてきます。多くの国民や有権者は、今度の件で問題の「政治」たちやその集まりである政党・派閥には大いに不信感をもったと思います。しかし、少なくとも小生個人は、政治全般に不信をもっているわけではありません。ですから、これが日々仕事をしている個々の政治家を含めた「政治家全般への不信」につながることを申し訳なく思うというのなら納得もしますが、「政治」全般に不信を抱かせるという物言いは大げさというか、不遜に感じます。「政治不信」という語を繰り返す彼らの望みは、むしろ、国民各人が政治不信を膨らませて(政治に絶望して)、投票所に行かないでほしいという意味なのではないか。低投票率が彼らを利してきたのは統計上は明らかですから――などと勘ぐってしまいます。

 それから、もうひとつ、自民党の茂木幹事長は、一昨日の9日大阪で、この件で党本部がチェックするなどの「再発防止策」を検討したいと述べたとのことですが、名前が出て来た議員たちが揃いも揃って「刑事告発を受けて、事実関係を慎重に調査・確認する」と言いながら、自らキックバックがあったかどうかについて、口を噤んで一切答えず、起こったことの中身がわからないのに、「再発防止」もないでしょう(「再発」防止をするなら、紙片を読み上げて、あとは「黙秘」して済まそうとする態度、おおよそ政治家らしからぬ姿勢の方です)。まずは各々が事実について告知するのが先です。それを抜きにして、もう幕引きを画策するこの言動には、今度の問題が、自民党にとって「パンドラの箱」だったことがよく現れていると思います。
派閥パーティー「党がチェック」 再発防止策で自民幹事長:時事ドットコム


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