ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

政治家たちの「黙秘」

 内閣支持率が下げ止まらないとはいえ、下がり方がやや鈍化した岸田首相でしたが、ここに来て一段と苦境に陥った感じです。
 自民党派閥による例のパーティー券のキックバック問題は、実は専用口座があったというけっこう衝撃的な報道があって、もはや議員個人の問題に矮小化できず、組織ぐるみだったことを認めざるを得ない段階に来ています。しかるに、自民党関係議員は誰一人として、いつも言っている「丁寧な説明」をできず、口を揃えて(口裏を合わせて)「状況を精査し、適正に対応する(以下、黙秘)」と答えるのがやっとです。
安倍派がパーティー券“専用口座”つくり管理か 国会では”政治とカネ”追及続く
松野官房長官 自身へのキックバック言及避ける 政治資金問題 | NHK | 政治資金

 自民党の総裁でもある岸田首相は、ある意味、リーダーシップを発揮して、政治とカネの問題にメスを入れるのならば、「起死回生」をはかる絶好のチャンスですが、ご自身にも疚しいところがあるからなのか、それとも、今のところ自分は標的になっていないし、最大派閥の安倍派の重鎮がそろって潰れてくれるなら、総裁選に好都合などと考えているからなのか、傍観(黙秘)の姿勢を崩していません。
 
 しかし、自身と旧統一教会との関係(ないし接点)について、4年前、政調会長を務めていた時代に教団関係者と党本部で面談し、一緒に映っている写真まで示されているのに、「(教団関係者かどうか)承知していない」というのは、さすがに通らないように思います。どこの誰かもわからない(明かさない)人であっても、岸田さんは党本部でお会いするのでしょうか。あるいは、自民党というのは、素性の知れない人を部屋に通して懇談してしまうほどオープン、というかセキュリティーがゆるゆるなんでしょうか。
教団関係者が同席?「承知せず」繰り返す首相 党内からも疑問の声 [自民]:朝日新聞デジタル
www.asahi.com

 話によれば、岸田首相は、当時の安倍首相から代わりに会うように頼まれて面談したとのことですが、その事実に言及しない(黙秘する)のは、(安倍氏の)名前を出したら突っ込まれてまずいという心理が働いているからでしょう。すっとぼけて時間を稼げば、そのうちに別の新しい問題が持ち上がって、かき消されていくと考えているのかも知れませんが、国民の多くはまだ去年の10月に、教団との関係が明るみになって失態を重ねた山際大志郎・経済再生相(当時)が辞任(更迭)したのを忘れたわけではありません。理由が同じならば、岸田首相も当然自らの進退を考えないといけないと思います。1年前、山際元大臣は、マスコミから写真を見せられて「記憶が合致した」と、記憶が呼び戻されたようですけれども……。



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