ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

大阪市の授業評価のこと

 大阪市ではこの4月から市立の小中学校の若手教員の授業評価を始めるそうです。

若手教員の授業を数値で評価へ 大阪市教委、子どもにはアンケート:朝日新聞デジタル

大阪市って全国学力調査やったら、全科目で全国平均を下回ってるんだってね。」
「そうなんですよ。先生の教え方が悪いからやーって、市長がお怒りなんじゃないの?」
「すぐ人のせいにするよね。」
「で、4月から小中学校の若い先生にだけ、授業評価を始めるんだって。」
「なんで、若い先生だけなの?」
「知らんけど、全部の先生でやると、口がたつベテランの先生もいるから、めんどくさいんじゃないの?」
「そうやっていつも若い人にしわ寄せが行くよね。」
「子どもから『授業がわからない』なんてアンケートに書かれたらショックだろうね。」
「ベテランの先生だってショックだよ。若い先生だからって平気なわけないし…。」
「でも、各校で一人だけらしいよ。」
「たったの…? 学校で若い先生一人だけ、教え方「向上」させてどうするのかね? これじゃ人身御供だよ。」
「評価するのは退職した校長先生って話だよ。」
「そらまた、大阪には、ずいぶんとIT技術に習熟した元校長先生がおそろいのようで。みんな昭和生まれのはずだけど…。」
大阪市教育委員会によると、他の自治体でこういう取り組みをしているところは把握してないって。だから、大阪市独自の取り組みなんじゃないかって。」
「誰もこんなこと考えないよ。何もなくても今学校の先生は普通にみんな忙しいのに、ますます忙しくなるじゃない。」
「今はコロナで四苦八苦してるしね。」
「そうだよ。なり手が減ってるなか、頑張ろうと思ってる若い先生には、こんな授業評価よりも、休みを確保する方が、鋭気を養えるし、教え方の工夫とかを考える時間にもなるんじゃないの?」

 子どもの学力は学校の先生の教え方だけで短絡的に語れる話でもないでしょう。そもそも今、大阪に限らず、子どもたちが学べる環境にあるかどうかをお調べになった方が学力向上の近道のようにも感じます。
 また、数値評価を導入した結果がどうなるかは、過去の事例でだいたい証明されていると思います(おまけに、これは、学校で一人だけなどという中途半端で形だけのものです)。コロナ感染の波が今後第7、第8と続くと考えれば、元校長さんを動員して優先的にやるべきことは別のことではないかと思えます。
 コロナの死者が他の都道府県よりも抜きん出て多いのが今の大阪府です。大阪市には子どもの学力云々の前に、市民一人ひとりの命を守るための施策に全力を傾けてほしいと切に願います。「やってる詐欺」の維新首長を選んでいる大阪のみなさんにも責任があります。




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