ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

「人の心」を届ける記事

 安倍派の所属議員は昨年末時点で99人いたそうですが、今回の裏金問題で95人(団体)が政治資金の収支報告書を「訂正」したそうです。こうなると、逆に、誰が「訂正」しなかったのかの方が気になります。
自民・安倍派、95人の寄付不記載 5年6.7億円 収支報告書訂正 | 毎日新聞

 先日、お世辞にも政治にあまり関心のあるとは思えない親類と話していたら、この件だけは許せないと怒っていました。「こっちは領収書を束ね、帳簿も付けて税務署に申告してるのに、いったい何だ!」と。加えて今度はインボイスです。「絶対許せない」とほとんど涙目になっていて本当に驚きました。彼らにこういう市井の人の声は届いているのでしょうか。

 こんな状況ですから、「裏金議員」の皆さんも少しくらいは「緊張感」をもって国会に臨んでいるのかと思っていると、「案の定」と言いますか、幾人かが本会議場で見事なまでの「醜態(爆睡)」をさらしています。映したカメラさんも、これはあまりに惨いと思って撮影したのかも知れません。岸田さんの演説がつまらなさ過ぎるのか、それとも、夜の飲み食いで忙しくてお疲れなのか、いずれにしても、これでは(選挙は戦えない!と)若手の議員から不満が噴出するのも無理ないと思います。この際ですから、一線を退かれた方が世のため、人のためではないでしょうか。
https://twitter.com/kazu10233147/status/1752480632327049643

 不謹慎ですけど、テレビから「URでアール」のCM曲が聞こえてくると、つい替え歌にでもしたくなります。
♫ 税金 なし なし 収支記載も なし なし だから 長~く裏金 いいね ♫   なんて。

 でも、今朝新聞を見ていて、上とは対極にあるような世界の記事に巡り会って、少しほっとしました。アメリカで1943年6月23日の消印の付いた手紙が、80年の時を経て届けられたという話なのですが、すでに差出人も受取人もこの世にはいません。どういうことなのか。引用させていただきますと……。
金言:80年後に届いた手紙=小倉孝保 | 毎日新聞

……米西部オレゴン州ポートランドのグレースさんが両親宛ての手紙を受け取ったのは昨年暮れだった。消印には「1943年6月23日」とあった。第二次世界大戦で激しい戦闘が続いていた頃だ。
 受け取るはずだった中西部イリノイ州の父ルイ・ジョージさんは86年、母ラベナさんは2012年に亡くなっている。差出人はルイさんのいとこである。グレースさんと妹のジャネットさんが親に代わって手紙を読んだ。

 <母さんから今朝、あなたたちの赤ちゃんが亡くなったと聞き、悲しみに打たれました。さぞ悲嘆にくれていることでしょう>

 夫妻は生まれたばかりの長女(グレースさんたちの姉)を遺伝性疾患で失ったばかりだった。いとこは葬儀に間に合わなかったことをわびていた。
 宛先に番地が書かれていなかったため配達できず、イリノイ州のデカルブ郵便局内で長年保管されていた。それを見つけた職員がネット交流サービス(SNS)などを使って娘を捜し当てた。
 80年も前の手紙である。差出人、受取人の双方が亡くなっている可能性は高い。それを届けなくても困る人はいないだろう。
 保管し続けたところで法律には反しない。誰にとがめられるわけでもない。配達したところで給与は上がらない。余計な仕事だったはずだ。それでも職員は届けようと思った。

 人は本来、素朴な倫理観やちょっとした正義感に従い生きている。利益を度外視して動くことも珍しくない。それが社会秩序を維持している。
 国内外で暗いニュースが続く。大国が軍事侵攻し、子どもの命が奪われる。政治家による裏金作りや、企業の不正が次々と明らかになっている。一方、見渡せば、そこ、ここで小さな正義に出合う。
 自ら被災しながら、炊き出しで他者を励ます人。正月にもかかわらず、駆けつける消防や自衛隊員。風雪の中、郵便物や新聞を届ける人。そして、そうした人々に「ありがとうございます」と頭を下げる人たち。

 80年前の手紙を読んだジャネットさんは言った。「過去からのメッセージがどこからともなく届きました。私が生まれる前に、両親が覚えた喪失感や悲しみを知りました。人生や家族の連続性を感じます」
 職員が届けたのは手紙ではなく、人の心だった。

 小生も論説委員の小倉さんから「人の心」を届けてもらったような気がします。



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