ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

歴代総理大臣 > 閣僚 > 自民党国会議員

 東京オリンピックに限りませんが、スポーツ興行の「裏側」を知ってからというもの、昔のようにスポーツ観戦するのが何となく馬鹿らしくなって、すっかり興ざめしてしまいましたが、何も見なくなったわけでもなく、野球などは嫌いではないので、今でもわりと見ている方です。在関西球団同士の戦いとなっている日本シリーズは、今日(日付が替わってしまったので昨日になりますが)阪神が勝って3勝2敗とし、シリーズ制覇に“王手”をかけました。ブロガーのきっこさんはWBCを勝って日本は「世界一」になったんだから、今やってる「日本シリーズ」は「世界シリーズ」だとX(Twitter)に書いてましたが、なるほど真の「ワールドシリーズ」はこっちかもなあと思えなくもありません。それくらい白熱し、レベルの高い好ゲームが続いていると思います。

 さて、話はかわりますが、スポーツというかアスリートの世界に、二世選手が現れると騒がれて、注目を集めたりします。今のスポーツ庁の長官は二世選手の一人ですが、スポーツ選手全体としては日本の政界ほどに二世三世は目立ちません。日本のプロ野球もそうで、例外的存在がなくはないにしても、だいたいが「二世選手は大成しない」というのが「常識」です。
「二世選手は大成しない」日本プロ野球のジンクスを破って活躍した名選手たち | THE DIGEST

 まあ、それはそうかなと思います。いくら本人にやる気があって「整った環境」で育てられたとしても、あるいは周囲から「期待」されたとしても、スポーツ界の実力本位の熾烈な世界で、親と同じように「大成」するというわけにはなかなかいかないでしょう。
 ところが、日本の政界となると、地方までを含めて二世・三世の政治家が多く、総理大臣の世襲率が何と70%に及びます。他国と比べ、日本は「世襲政治家大国」と言ってもいいくらいです(こんなの「大国」と言うのかどうか知りませんが……)。ちなみにここで言う「世襲」の範疇は、他に倣って「父母、義父母、祖父母のいずれかが国会議員、または三親等内の親族に国会議員がいて同一選挙区から出馬した人」とします。日本の政界というのはスポーツの世界とはちがって、よほど実力本位でなく、熾烈な世界から縁遠いのだろうかと考えてしまいます。確かに国会答弁は官僚が作文してくれます。今やってる国会の予算委員会では、それを読み上げて時間が過ぎればいいわけです(ちがう答弁書を読み上げてしまって、質問者から「読む紙がちがってます」と注意されてる閣僚がいましたっけ)。あとは、多少野党議員から辛辣なことを言われても平気でいられるだけの「鉄面皮」であればOKでしょうから。

日本には「世襲政治家」が多すぎる、ビジネス界からの転身が少ない根本理由 | 上久保誠人のクリティカル・アナリティクス | ダイヤモンド・オンライン

 しかし、「世襲」「世襲」と言っても、それで日本の政治家を一括りにはできません。確かに総理大臣の世襲率が70%というのは異様ですが、地方議会の議員を含めた全体の「世襲政治家」の割合は3分の1くらいだそうですので、残りの2/3は「世襲」ではないことになりますし、自民党の国会議員にしても、3割から4割が「世襲」だとすれば、その他半数以上は「世襲」ではありません。つまりは現状、日本の議員の多数は「世襲」ではないわけで、それが、歴代総理大臣 > 閣僚 > 自民党国会議員 の順番で異様に高いのがこの国の政治世界の妙な特徴になっているのです。

国会議員の世襲状況を可視化(2021衆院選後) - 不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

 上に引用した「マン点」さんの記事はすごく有用だと思いました。前回2021年の衆院選について言えば、自民党衆院議員262人のうち「世襲」は84人(32%)、立憲民主党では15%です。
 一昨日の参院予算委員会で質問に立った女性議員たちはどなたも突っ込みが鋭くて、見ていて「やっぱり予算委員会はこうでなくちゃ」と思いました。早い話、「世襲」でない女性議員を増やすことが、この国の政治を「まとも」にする唯一ではないにしても、相当に効果ある道だと言ってよいのではないでしょうか。

 日本シリーズがよもやの政治話に「発展」してしまいましたが、国会(中継)にも野球と同じくらいの「緊張感」が必要です。岸田さん、自らの給料も上げるんなら、しっかりやってほしい。


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