ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

自民党が「点検」にこだわる理由

 今日は沖縄で大事な選挙の投開票があります。那覇は昨日は曇天、今日は晴天とのことですが、沖縄県は広い、というか、「長い」ので、台風がまた近づいているという話を聞くと、投開票に影響が出ないか、少し心配です。

 先日統一教会との関係をめぐって自民党議員の自己申告に基づく点検結果が発表されましたが、その前からメディアで関係を取り沙汰されていた議員の名前がリストにないなど、いくつも問題が指摘されています。細田衆院議長を対象から外すなど、もってのほかですが、何をおいても中枢の中枢である、故安倍氏については、茂木幹事長も岸田総理(総裁)も、死んだ人だから、実態を把握するには「限界がある」と言って、頬被りです。調べもしないで、これ以上は無理(危険?)とかいう「限界線」が見えるのですから、たいした先見力です。……いや、そうではなく、党として調査をするとは口が裂けても言わない理由はこれですよね。議員の自己申告と言っているかぎり、すでにこの世にいない人は「自己申告」できないんですから。
 期せずして、郷原信郎さんも、岸田首相の閉会中審査での説明についての話で、同じことを言ってました。
【閉会中審査での「岸田首相説明」、エリザベス女王「国葬」、やはり、安倍元首相「国葬儀」には絶対賛成できない!】郷原信郎の「日本の権力を斬る!」#170 - YouTube

 郷原:岸田首相の話は従来と同じような国葬儀の理由の説明でしたね。①在任期間、②大変な功績:震災復興とか経済再生とか言ってましたけど、③外国からの弔意に応える?、そして、④選挙期間中の非業の死、民主主義を守る?みたいな話で、この4つをくり返しただけで、それがどんどん色褪せてしまって。まず、最初の①在任期間の話は、6回の選挙で国民の信を得て、と言ってましたが、それが今問題なわけですね。何で勝てたんですか? それは統一教会の信者の協力があったんじゃないのか?と、それが問われているのに、安倍元首相は自民党の調査の対象にはしないというんですから。もう限界があると。なぜ、今回、「点検」と言って、「調査」と言わないのか。議員本人からの申告だけで、自民党としての主体的な調査はしないという方針なんですね。これ、理由わかります?
 山口:どうしてでしょう?
 郷原:亡くなった人はできないでしょう。それですよ! 「限界がある、限界がある」って言ってますけど、周りから調べることはいくらでもできるわけですよ。でも、今回は調査じゃなくて「点検」ですから。「点検」は本人じゃないとできない。で、限界があるという話になるわけですよ。……だから、もはや、①在任期間がどうして長くなったのか、理由は不明です。
 山口:安倍さん以前に一番在任期間が長かった佐藤栄作さんは、「国葬儀」になってないわけですよね。
 郷原立憲民主党の泉代表も閉会中審査でそこを訊いてましたよね。でも、(岸田首相は)何も答えなかったですね。……そこは核心部分なんですよ。佐藤栄作さんは、(当時)在任期間が最長で、ノーベル平和賞も受賞してる。それなのに、なぜ?って。
<以下略>

 この自己点検には、まだ「思惑」があるかも知れません。党が一斉調査をして関係者の一覧を発表して、あとから不備をつかれれば、党として釈明しなければなりませんが、現状、自己点検ですから、「告白」しようが「頬被り」しようが、あとで何か分かったら、すべて議員の「自己責任」でやれ、ということです。細田氏のように党から優遇される議員と、見捨てられる議員の格差が見えますが、それよりも、いつまでたっても全貌がわからずに延々と続けられるこの「モグラ叩き」は、報道する側にとっても、我々受け手にとっても、しんどいものがあるでしょう。先の点検結果だけでも170人を超える議員にかかわりがあるのに、議員本人が事実を正確に報告しているかどうかはわからない。加えて、関与しているのに報告しなかった議員も相当数いる。鈴木エイト氏ほか、この件に詳しいジャーナリストには、ある程度、議員の虚偽や隠蔽は見抜けても、他の多くの記者たちにはわかりません。もちろん我々はもっとわかりませんから、このネタだけ、洪水のように情報が出てくると、呆れるばかりで、だんだん飽きや疲労が蓄積されていく可能性があります。そこが、「彼ら」の狙いです。いつまでたっても全貌がわからない状態を引っ張り続けて、疲れさせる。「もう、統一教会ネタはいいよ」という気分にさせる(すでにメディアで、こうした発言をする「コメンテーター」は増えています。中には、こんな人まで、と思うような人が「もう次に行こう」発言をしているのです)。
 自民党は9月27日の「国葬儀」が終われば、こっちのもんだと思っているでしょう。このままだと自民党の「術中」に嵌まりそうな気配濃厚です。これは第三者に調査させる方向にもっていかないといけません。




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