ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

山本太郎の衆院議員辞職のこと

 れいわ新選組山本太郎代表が一昨日(4月15日)、衆議院議員を辞職し、この夏の参院選に(比例区ではなく)選挙区から立候補すると表明したことを知りました。夏の参院選のあと、衆院の解散がなければ、国政選挙は3年間なく、その間に「政治の暴走が実行される可能性が高い」と言っています。

れいわ・山本太郎氏が参院選出馬 くら替え、党勢拡大を意図 | 毎日新聞

 世間の目を引く起爆剤にはなっているのかなと思います。もう4月も半ばが過ぎ、5月の連休が終われば、7月はすぐです。「争点」もなく(あってもなかなか大々的に報道されませんが)盛り上がりを欠いたまま選挙に突入すれば、投票率は30%台以下に落ち込んで、ますます与党優位になります。岸田さんとしては、寝ている子は起こさずに、コロナの陽性者数さえ増えなければ楽勝だと踏んでいるでしょう。「暴走」かどうはさておき、このコロナと物価高に「聞いてるだけ」「見てるだけ」の岸田傍観政治によって「見殺し」にされる人が増えていく危険性はあるし、憲法だって危うい。山本さんとしては、制度の範囲内でできることを最大限にやって、何としてもれいわの議席を増やし、自負する「政治的使命」を果たしたいところでしょう。
 こうした手法に賛否は分かれるでしょうし、れいわ・山本太郎に「盲従」する人のなかにも、山本さん、大丈夫?という疑念はあるかもしれません。小生としては、6-4くらいで「是認」というところです。信義なんて言ってたら政治家なんかできないとは思いますが、一点だけ心配しているのは、彼には同志がいない(見えない)ことです。一人で決断し、批判も何も、すべて一身に引き受ける、その姿は頼もしくありますが、他の所属議員さんたちはどう思っているのでしょうか。個人経営のワンマン社長でいいのか。れいわ新撰組とはそういう政党なのかも知れませんが、それでは「限界」があります。それとも、これは既存の政党政治に乗っかって甘い汁を吸う烏合の権益政治を打破する一縷の光明なのでしょうか。
 そんなことを考えていたら、哲学的You-Tuberのじゅんちゃんさんがこんなことを話しています。

山本太郎の議員辞職という一手はメロリンQかヤマトQか? - YouTube

 これは一方で、山本太郎さん、及びれいわ新選組の限界を示してしまったタイミングでもあると思います。自分で次の選挙がピークだと言っているに等しくて、彼はこの3年が正念場になると、あとはどうでもいいんだという考えかも知れませんが、長期的には党の勢力拡大を見据えているようには思えません。彼はフリーランスとしては優秀なのかもしれませんが、会社経営者として優秀かというと、いささか疑問で、マネージメントとか、育成とか、する気はないのかな、と思いますね。カリスマ社長が、自分が営業ができすぎるが故に、あるところまでいったらスケールしない。部下が仕事がうまくできなくて辞職、離職してしまう、それで、仕事が任せられなくなるの繰り返しになるというのはよくあることですが、れいわ新選組というのはその典型だと思いますね。山本太郎さんが脱けたときに、そのとき何議席あろうとも、次の選挙でゼロになってしまう、それくらいの組織力脆弱性だと思うんですね。

 そうだろうなと思います。山本太郎個人の限界は見えますが、それでもあえて申し上げると、この類い希なヴァイタリティーを生かせないのだとしたら、それはこの国の人、この国の政治の限界だろうと思います。




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