ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

2.22 山本太郎の不定例記者会見より

 昨日2月22日、2022年度予算案が衆院本会議で採決されましたが、れいわ新選組山本太郎代表ら3人が壇上から抗議しているシーンを見ました。まあパフォーマンスといえばそうなのでしょうが、「懲罰」だと騒ぐほどのことなのかなとも思いました。
予算案採決、壇上から抗議 自民は懲罰動議検討―山本れいわ代表:時事ドットコム

 その後、山本さんが記者会見に応じて、短時間話している動画を見ました。「今日2022年2月22日の22:22に何をされているでしょうか?」という記者の一人の質問のアホさ加減には呆れましたが、山本さん、殊勝なことに怒りもせず、自分は今ネコの図柄のTシャツを着ているんですと、笑って応じていました。どこのメディアの記者か知りませんが、わざわざこんな質問を臆面もなくするような程度だから、政府は、毎日毎日200人、300人とコロナで人が亡くなっても、相変わらず危機感の薄いことをやっていられるのだと思います。事態はあのスガ政権のときよりも今の岸田政権の方が深刻なのです。

 以下、22日付動画より一部文字に起こしてみます(6分27秒頃から開始)。
 
【LIVE】山本太郎記者不定例記者会見(2022年2月22日) - YouTube

――衆院本会議場壇上での発言内容と意図
 言ったことは、自民・公明に対して、少数会派の予算審議の発言権を奪うな、排除するなという趣旨のこと、それから、この状況下、この程度の予算で、困っている人たちを救えるはずがないとうことと、消費税の減税と一律給付を求めるというようなことを発言したと思います。
 そもそも私たちは……2月18日に行われる総理入り、テレビ入りの集中審議の場で、れいわ新撰組に15分という時間を立憲民主党からもらって、私たちに発言の場が与えられるはずでした。しかし、それが理事会の場で、自民・公明の「先例がない」ということで排除されることになった。予算審議という国会の審議で最も重要なもののひとつで、少数会派が発言する機会を野党第一党が与えるということに対して、自分たちの腹は痛めずに発言を担保できる状況にありながら、それを排除するかたちになったこと、これは民主主義という観点から見ても、一番やってはいけない行為だと。民主主義から一番遠い行為ですね。そう私たちは考えています。そういう意味で、この予算審議が長きにわたって行われましたけれども、私たちれいわ新選組は予算に関する発言の機会は一度も設けられなかったということになります。その一方で、今日の本会議で予算案の採決が行われるということですけれども、私たちはそのことについて一言も発言ができないわけですから、最後に自分たちの思いを何かしら表すという意味の機会にさせていただいたということでございます。

――国民党の予算案賛成と予算案の衆院通過
 今日の予算委員会で国民民主党が野党側であるのにもかかわらず賛成をしたということですが、究極を申し上げると、そういう判断をなさったんだなあという程度です。そもそも自分たち以外の他党に対して、何かしらの期待を抱いたりとか、そういうのがもともとないもので。ですから、賛成した方が自分たちが何かしらの収穫に近づくという判断をされたんだろうと思います。それに対しては有権者の皆さんから何かしらのご意見はあるでしょうけれども。私としては、ああそうなんですかと、その程度です(終わりに、「トリガー? ケチなことを言うな、ガソリン税ゼロ――私たちはこれです」と言っていました)
 衆議院で予算案が通過したことに対しては、今この日本がおかれている危機的状況を理解していない内容と規模だなと思います。毎度言ってることなんですけど、25年間経済政策に失敗し続けて、実質賃金で見ても25年間全体的に落ちっぱなしで需要が減ってる状況があって、企業は需要を求めてどんどん海外に出て行く。日本の中はどんどん空洞化しているなか、コロナまでやってきて、そのコロナ災害に対しても、その備えや対策を本気ではやってこなかったということですよね。その状況を鑑みて、実際にやらなければならない手当などを想像してみたら、とてもじゃないけどこの程度の予算案で何かしら満足なことができるかと言ったら難しいでしょう。もちろんやりたいことはあるでしょう。経済安全保障だとか、自分たちがやりたいことは大いにやっていただいて結構なんだけど、それだったら額をもっと増やして、本当に必要な施策にお金を投下していただきたいということです。たとえば、このコロナ下で授業料を払っていたとしても満足にその対価を受け取れていない学生さんたちとか、家がコロナで傾いてしまって学業を続けられない子どもたちであったりとか、コロナ陽性になって何らかのマイナスを被ってしまったりとか、濃厚接触者になってもほとんど放置状態であったりとか、25年の経済不況とコロナ災害がセットになってより被害が拡大しているなかにあって、やはり大胆な施策というのがさらに求められるだろうと。部分的にも、今、物価高ですね。原油価格の高騰とか、輸入されるものの価格が上がってきたりとか。これは海外で徹底的に財政出動をして景気が上向いてインフレになっていった国々がある一方で、日本は十分にお金を回さずに賃金の上昇にも結びついていないとか、需要を完全に回復できていないということを考えれば、当然この先首が絞まっていくのだから、少なくともそういった部分への現金給付、物価高を帳消しにできるくらいのコンスタントな現金給付、需要を喚起できる当座のお金ですが、短期的に見てみんながつかえるお金というところをまずやらなければ。中期・長期も重要ですが、短期という部分での施策が抜け落ちていると考えます。ですから、不十分であり、ドケチであるという内容の予算案がまたしても通ったと、そういう感想です。

――ウクライナ情勢
 これはもう…(吐息)より混乱してきたという印象です。ロシアの動きに対して、おそらく一方的に多くのメディアが「ロシア悪者」というかたちで報道し続けているんですね。これロシア側だけでいいんですか、ということなんです。たとえば、ソ連邦崩壊のときに、ご存じの通り、ゴルバチョフ(当時ソ連大統領)さんは西側と話をして、NATOの東方拡大というのはやっていかないという話をもたれた、そういうやりとりがあった一方で、今日までNATOの東方拡大はあったわけですよね。ロシア側から見れば、これは脅威ですから。そういった意味で、落とし所をきっちりとつける必要があるんだろうと。この紛争を回避するためには。でも、そういった視点では、なかなか前に進まなかった。結果どうなったかというと、「独立」を認める動きにもなっていったということで、よりこじれていくという状況になったなかで、これにブレーキをかけるというのはかなり大変な作業だろうなと思います。そういった意味では、今はヨーロッパ中心にロシアといろいろとやりとりが行われていますが、日本も交渉カードの出番があると思うんです。だから、G7というかたちで完全な対立という姿勢を示すのではなくて、もっとフラットなかたちでロシアとの交渉を担えるカードをいかすべきだと。そういう意味で、先日のウクライナ決議に対して私たちは反対をしたところです。事態がよりこじれてしまったなかで何ができるかということを考えるべきだと思っています。

――与党からの懲罰動議
 懲罰にかけるぞということなんですけど、あれが懲罰にかかるんだったら、もっと早くに罰を受けなければならない人、いっぱいいるよなと思いますね。それは、国会内の罰も含めて、刑事罰とか、いろいろな罰ね(笑)。捕まってなきゃだめなんじゃないですか、あなたは…みたいな人、今日座ってましたけどね。まあ、そういうことで、これは私が判断できることではないので、そういうことならそういうかたちにはなるでしょうけれど、今日のあの範囲ではそういうことはないだろうと思います。




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