ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

文科大臣「私が決めることじゃない」

 これは惨いと思った。子どもたちはまるで「戦場」に送られる兵士のようだ。「赤紙召集令状)」が来たら、親は万歳三唱でもして子を送り出せというのか。

 オリパラへの子どもたちの動員について、昨日(5月31日)の参議院決算委員会での吉良よし子議員(共産党)の質疑を起こしてみる。

参議院 2021年05月31日 決算委員会 #17 吉良よし子(日本共産党) - YouTube

 吉良:…オリンピック、パラリンピック競技を観戦させる学校連携観戦についての計画がされていると。<略>(当初計画では)全国で約128万人の子どもたちが動員される計画であると。これ、コロナ前の計画だったというご説明ですが、東京都に関して言えば、昨年12月の時点では、昨年の日程から1日ずらしただけの(今夏の日程に合わせた)計画が配られていると。で、東京都議会で齋藤まりこ都議会議員が追及したところ、東京だけで、私立を含めれば90万人もの子どもたちが動員される計画だということが明らかになっているんです。これだけの数の子どもたちを、このコロナ禍に移動させて競技会場に集中させるのか。しんぶん赤旗日曜版が東京都から入手した資料に基づいて試算したところ、国立競技場で行われるパラ陸上競技の観戦予定者、1日で平均127校、21,978人の子どもたちが一同に集結するという計算です。この人数がたとえば公共交通機関で移動しろと言われてますから、電車を使って同時刻に国立競技場をめざすとなると、最寄り駅のホーム、構内に人が溢れて、場合によっては身動きが出来ないだけの「密」となるのは避けられないと、駅関係者などは言っています。子どもへの感染力の強い変異株も広がっている中、オリンピック観戦でクラスターがもし発生したら、いったい誰が責任をとるのでしょうか。そうじゃなくとも、感染対策として着用しているマスクによる熱中症の危険もあるわけです。東京都医師会会長も、国内の感染が落ち着かない限り、この計画は見直しが必要だと言っています。子どもたちの東京五輪観戦計画の中止を求める署名、一週間で2万7千筆が集まっている。文科大臣、文科省こそ、子どもたちの命と健康を守る立場に立って、この学校連携観戦は直ちにやめるという判断をすべきではないでしょうか?
 萩生田:先ほどスポーツ庁の次長が説明しましたが、この学校連携観戦の取扱いについては、現在国内におけるコロナウィルスの感染状況をふまえ、観客上限にかかる検討や観客の感染症対策にかかる検討が行われているところであり、この結果をふまえ、組織委員会で検討がなされるものと認識しているところであります。これは、私がやれとか、私がやめろっていう性質のものじゃないと思うんで、適切に判断をされると思います。

 5月22日付AERAdot.の記事に親(保護者)や教員の声が掲載されている。

東京五輪児童・生徒81万人観戦計画に変更ナシ「誰が責任をとるのか」 保護者や教員の不安 (1/4) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

<保護者>
 ◇「新年度の保護者会で年間スケジュールが配布されたのですが、観戦行事がしれっと組み込まれていて、この状況なのに行くのかと驚きました。5月末に予定されていた運動会は最近延期が決まったばかり。運動会は延期で五輪は変更がないのはちくはぐだと思う」
 ◇ 「こんな状況なら、やめたほうがいい。テレビでの観戦で十分」
 ◇「中止が妥当だと思っていた。こんな状況で生徒を連れていくことが驚き」。
  「100人単位の子どもを感染リスクから守りつつ連れていくには、無理があると思います。実は娘は喘息持ちで、これまでも電車移動は避け、遠出も控えていました」
 ◇「(子どもは)もともとスポーツが好きで、コロナ前はパラ競技を体験して楽しむなど盛り上がっていましたが、今は『見に行きたくない』と口にしています。小5なので、ニュースを見て感染状況もわかっていますし、意外と冷静です。本人が行きたくないと言えば、たとえ欠席扱いになってもその気持ちを汲んであげたい」

<教員>
 ◇「慣れない会場に行けば、席が隣り合った子同士でしゃべってしまうと思います。トイレの引率時も心配です。各自で行くと迷子になってしまうので、百人以上の生徒を数十人ごとに分けて引率することになります。トイレは狭い空間ですし、観客もいれば密になります」
  「電車で都心に出るような校外学習は、したことがほとんどありません。たいていは貸し切りバスを使うので、教員も含め、電車での集団移動に慣れていないのです。観客が入るとなれば、駅の混雑が予想されます。『電車に乗り遅れないか』『迷子にならないか』『一般の乗客に迷惑をかけないか』と心配は尽きないのに、さらに感染対策にも気を付けないといけないなんて……」
  「児童・生徒の観戦は中止にしてほしい。この状況で行くことに、まったく理解ができません。生徒にチケットを配布して各家庭で連れていけばいいのに、なぜ学校で行かなければいけないのか。大人数で動けば、当然感染リスクを伴います」
 ◇「乗り気な人など誰もいません。正直言って負担です。授業の学習形態や(検温や消毒など)生活様式も変わったので、指導することも増えていますし、神経も使います。どんなに対策をしても、かかるときはかかる。五輪観戦で感染したとなった時に学校のせいにならないか。一体だれが責任を取るのでしょうか」


 自助(自己責任)社会とは無責任社会のことと思い知る。最後は「一億総懺悔」で手締めにされるだろう。惨い。



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