ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

「容疑者」の手紙を読んで

 安倍氏を銃撃した容疑者が事件前日にある男性に送ったとみられる手紙を読みました。すでに現物の写真やコピーがネット上に多数出回っているようですが、全文を掲載していたものが次々と削除され、異様な感じがします。

ソウル・フラワー・ユニオン on Twitter: "山上容疑者の手紙が載った、今日の記事が軒並み削除されている。 https://t.co/OtxI58m4YU" / Twitter

「私の一生を歪ませ続けた」 山上容疑者の手紙詳報 - 産経ニュース

 手紙の文末に「安倍の死が……」という文言があるところから、一般には、氏の殺害を予告したものと受け止められていますが、その前には「苦々しくは思っていましたが、安倍は本来の敵ではないのです。あくまでも現実世界で最も影響力のある統一教会シンパの一人に過ぎません」という一文もあります。NHKをはじめとするメディア(あるいは警察?)が伝えるような「一方的な思い込み(勘違い)」による犯行ではなかったことがうかがわれます。
 安倍氏は旧統一協会系月刊誌(機関誌)『世界思想』の表紙を何度も飾り、昨年9月12日には旧統一協会系の集会にビデオ・メッセージを寄せています。これには全国霊感商法対策弁護士連絡会が「安倍晋三 先生へ」と題する公開抗議文を送って警告していますが、安倍氏はほとんど歯牙にかける様子もありませんでした。容疑者がどれだけ苦々しい思いで安倍氏の行動を見ていたか、想像されます。
https://twitter.com/feedback515/status/1547891679192961026

旧統一協会系集会にメッセージ/安倍前首相「総裁に敬意」/宣伝利用で霊感商法被害拡大の恐れ

 衝撃的だったのは次の一文です。

「個人が自分の人格と人生を形作っていくその過程、私にとってそれは、親が子を、家族を、何とも思わない故に吐ける嘘、止める術のない確信に満ちた悪行、故に終わる事のない衝突、その先にある破壊。」

 「嘘」「悪行」「衝突」「破壊」という文字を並べて語られる彼自身の生育と境遇を改めて考えさせられます。もちろん、だからといって、人の殺害が許されるわけではありません。しかし……これは特異な一個人の叫びでなく、こうしたかたちで人生を歪められたと、憤懣やるかたない人がたぶん一人や二人ではないことを想像させられます。それだけに、統一教会のあり方、政治家との結びつきは、もっともっと仔細に追究され、国民に知らされるべきだと思います。

 こういうことを知れば知るほど、安倍氏国葬にするとの方針には疑問を感じるのですが、他の人はどうなのでしょう? 朝日新聞の川柳を見ると共感はしますが、これをそのまま一般の空気の現れとみなしてよいのか、あまり確信をもてずにいます。ネット上は依然として賛否が真っ二つという感じです。
安倍元首相の「国葬」に賛否真っ二つ!全額国費投入にカズレーザーは「有志から募ればいい」 | 女性自身

 ……と言いながらですが、7月16日付の朝日川柳の引用をお許しください(※名前の部分は加工を施してあります)。

朝日川柳 西木空人選:朝日新聞デジタル

 疑惑あった人が国葬そんな国      (福岡県 吉原さん)
 利用され迷惑してる「民主主義」    (三重県 毎熊さん)
 死してなお税金使う野辺送り      (埼玉県 田中さん)
 忖度はどこまで続く あの世まで    (東京都 佐藤さん)
 国葬って国がお仕舞いっていうことか  (三重県 石川さん)
 動機聞きゃテロじゃ無かったらしいです (神奈川県 朝広さん)
 ああ怖いこうして歴史は作られる    (福岡県 伊佐さん)







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