ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

まだ続く呪いの愚策 アベノマスク

 昨日2月7日の衆議院予算委員会立憲民主党小川淳也さんがアベノマスクの「処分」について質問していました。タダ(=税金)で送付希望を「募った」ところ(「募集」ではありません!)2億8千万枚もの「応募」があり、もっと早く募った方がよかったのにと元総理を口惜しがらせ、自民党議員の笑いをとった例の件です。
【自画自賛】アベノマスク希望「2.8億枚」在庫一掃? 安倍氏 不織布マスク着け笑顔で明かす - YouTube
「2億8千万枚の希望、早くやっていたら」安倍氏がアベノマスク言及 [自民] [岸田政権]:朝日新聞デジタル

 予算委員会の動画から該当部分を文字に起こしてみます(29分30秒過ぎから)。

2022年2月7日 衆院予算委員会 小川淳也 - YouTube

 小川……いわゆるアベノマスクの配付・処分について。これね、37万件の応募があった、2億8千万枚の配付希望がある、しかし在庫は8千万枚しかない。2億8千万枚を8千万枚に査定する必要がありますが、誰が担い、どのようにコストを負担するんですか?
 後藤厚労相今小川委員からご指摘のあったとおり、昨年12月24日から本年1月28日までの間に合計37万件という多数の申し出をいただいたのはその通りでございます。現在、厚生労働省において、まずは多数の希望について具体的な集計作業を進めているところでございまして、今後おおむね1ヶ月程度で、個々の希望者への配付枚数等を決定いたしまして、その状況を公表する予定としております。配付希望者の内訳や配送費用については、こうした作業の結果明らかになるものであり、現時点ではお示しすることは厳しい状況です。
 小川これは総理にもご承知おきいただきたいんですが、担当をする厚生労働省医政局経済課には約30名の職員がいます。37万件の応募を精査するんです、これから1ヶ月かけて。一人1万件を超えるんですよ、みんなで毎日やったとして。このマスクの配付に、大事な医政局の30名を一人1万件精査させることに、どれほど国政上の意味がありますか? どういう意味があるんですか、これ。
 お訊きしますが、厚生労働大臣厚生労働省は基本的対処方針において、1月25日の変更かな、感染症対策としては不織マスクを推奨し、布マスクは推奨してませんね。この事実だけ…。

 後藤不織性マスクの方が布製マスクより効果があり、基本的対処方針で不織マスクが推奨されているというのは事実で、これは国民のみなさんにもよくわかっていただきたいと思っております。ただ、飛沫を出す側と吸い込む側がマスクを装着することで、マスクの効果は高まりますし、不織マスクの内側にガーゼを当てるなどしていただくことで、マスクの着用が心地よくなるですとか、いろいろな工夫があるだろうとは思っております。
 小川だったら、厚生労働大臣、それ率先してやってください。布マスクして、その上から不織マスクしてと、率先してやってください。そんな人、見たことありませんよ。もうね、不織布マスク着用って書いてあるんだから、厚生労働省のコロナ対策の本部決定で…。で、その感染症対策には使えない布マスクを、もう一回言いますが、30名の職員で37万件精査して配送する。愚策にも程があるでしょ、総理。
 もうひとつお訊きします。感染症対策に使えないんで、これ巷で言われているからご存じだと思うんですが、使い捨ての雑巾にしたらいいんじゃないかとか、<パネルを示して>野菜の栽培の苗床にしたらいいんじゃないかとか、野菜の乾燥防止とか、赤ちゃんの暑さ防止に保冷剤を入れたらどうかとか、これは知恵を働かせて、こういう提案があるのはいいことですが、問題は、こういう用途のために税金でマスクを調達し、それを査定し配送することは、政策判断として適切かどうかという問いにまっすぐ答えなければならない。総理、いかがですか?

 後藤在庫となっている布製マスクは、そもそも国民のみなさんにマスクとして活用していただくという目的で配付するために調達するものでございます。本来の事業目的をふまえれば、今般配付する布製マスクも、マスクとしてご活用いただくことを優先して配付するべきだと思いますけれども、具体的な利用法については、有効に活用していただくということで考えております。
 小川厚生労働大臣、これは「有効な活用方法」かと訊いています。雑巾、野菜の苗床、乾燥防止、赤ちゃんの保冷剤、…これは「有効」な使い方ですか、と訊いています。
 後藤今、具体的な事例について、それぞれ申し上げるということではございませんけれども、少なくとも使い捨て雑巾や栽培に使われるとかというお話ですか、それが適切な用法であるかということから言うと、有用とは少し違うように思います。
 小川今、否定なさいました。総理、もう申し上げたことは伝わっていると期待しておりますが、私いろいろ声を受けておりまして、これ一件一件精査して配送というのは、どこまで親切なんだということですよね、元手は全部税金ですから。これ、私すべていいというわけではないんですが、せめてこれ、都道府県や国の出先機関など迷惑千万な話ですが、一定量配送してご入り用な方は取りに来てくださいというほうが、まだマシではないでしょうか。処分するか、使えるんであれば、もうちょっとマシな配送方法を考えるか、改善が必要ではないですか?
 岸田首相ご指摘の布製マスクですが、かつて日本の国においてマスクが不足し、国民の中でマスクが不足し、マスクが高騰しているという大きな不安が社会に広がっていたという事態に対して、少しでも国民の不安を和らげるために、何か施策がないかということで打ち出された施策であったと認識しております。その後、マスクの流通が回復しまして、不足に対する心配も払拭されました。こういったことをふまえて、昨年末、私の方から厚生労働省に対して、希望されている方に配付し、有効活用をはかったうえで、年度内をめどに廃棄するよう指示しました。それを受けて、今、多くの方々がこのマスクを利用したいと希望を寄せられているというのが、今、委員がご指摘された状況であると認識をしております。これ、希望される人がいるのであれば、是非有効利用をしていただきたいと思っております。廃棄するのか、配送するのかについて、コストのお話もされていましたが、有効利用していただけるのであれば、当初からこの配送の予算というのは想定されていたわけでありますから、これは配送したうえで、有効利用していただくのは意味があるのではないかと考えております。

 岸田首相という方は、時間稼ぎのためか、聞かれてもいない経過を話すのがお好きですね。言葉は丁寧なようですが、アベノマスクの処分に至る経緯の説明など、この際どうでもいい話です。
 それにしても、政権にとっての最優先策でもあるまいし、あれから満2年が近づこうとしているのに、当時の政策責任者の顔を立てるためだけに、なお税金を浪費し、職員を疲弊消耗させるというのですから、最後の最後まで愚策の呪いが解けません。

 小咄を思いつきました。

 今度、東京・渋谷区富ヶ谷農業法人ができるそうですね。
 へー、そんな都心の住宅街に…。
 マスクを敷き詰めて水耕栽培を始めるそうですよ。
 それって、あの例の布マスクを使うんですか?
 そうそう、なんてたってタダ(税金)ですからね。
 で、何をつくるんです?
 メロンに決まってるじゃないですか。
 ははは…いいですねぇ。そこで働かせてもらえないかなぁ。
 従業員を募ってるそうですよ。ただし、募集はしてないみたいですけど…。
 はあ? まさか、社長さんって、あの方…?

 ということで、農業法人アベノファーム(仮名)の社長にすべて “有料”(着払い)で引き取ってもらうのがいいと思います。
 …お粗末でした。
 
 




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