ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

「梅雨入り」して…

 関東も梅雨入りらしい。先月雨が続いたときに、もう梅雨入りしたつもりになっていたので、今さら…という感じはする。すでに5月の段階で東海地方までは「梅雨入り宣言」をしているので、気象庁の担当官としても、どのタイミングで「宣言」をするか、思案していたのではなかろうか。ひょっとすると、少し早かったが5月に出しとけばよかったと後悔していたかもしれない(笑)。今年は例年にも増してサクラの開花が早かったし、2週間くらい「季節」が早く進んでいる感じだ。

 そのおかげかどうか、今年は梅がかつてない大豊作となった。本当にこんなにたわわに実った梅の木は初めて見た気がする。先週、草刈りの合間に収穫した梅の実を、妹は箱いっぱい車に積んで喜んで帰っていったが、あとで「身の程」知らずなことをしてしまって後悔したと苦笑していた。梅酒に、梅干し、梅ジュース、梅ジャム…と、いくら加工しても切りがないとのこと(笑)。

 「梅雨」は6・7月頃に現れる東日本特有の気象現象らしい。ロシア語で「梅雨」を何というかと調べると、「сезон дождей(セゾーン ダジヂェーイ)」あるいは「дождливый сезон(ダジヂリーヴィ セゾーン)」という。英語だと「rainy season」というところか。しかし、直訳すると、「雨の季節」「雨季」と言っているだけで、6月の雨季を表現する日本語の「梅雨」の味わいには欠ける。まあ、でも、同じ日本でも北海道には「梅雨」(という6・7月の雨季)はないことになっているのだから、国土の大半が北海道よりも北に位置するロシアの言葉に「無いものねだり」をしても失敬だ。

 ちなみに、学校で働いていると珍しい名前の人に出会うことがけっこうあるが、「栗花落」さんという名前も印象深い。昔、さすがにこれは何と読めばよいのかと同僚に聞いて、あとから「なるほど…」と思った。栗の木というのは我が家にはないが、通常5月の末頃から6月くらいに白くふさふさとした花(雄花)を咲かせ、 梅雨入り の 季節に合わせるようにその細長い花房を落とすため、「つゆいり」が転じて「つゆり」になり、「栗花落」という字があてられたのだという。由来を知ると、素敵な名前に響く。もっとも当人(生徒)は、初対面のたびに読み方を尋ねられるのでめんどくさいんですよぉ、と笑っていた。でも、たまに「つゆり」さんって読むんだよねと言われると、すごくうれしいとも話していた。

 日本に暮らしていた人々にとっては、ひょっとしたら梅の実よりも栗の花の方が6月の季節感を演出していたのかもしれない。

 

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