ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

壊されていく国

 11月17日の参議院内閣委員会。日本学術会議の任命拒否問題について田村智子議員共産党)の「質問」の動画を見た。自制はしていたが、見ている者にも怒りの程は伝わる。

https://www.youtube.com/watch?v=bQOwuAiKseU

田村議員:(日本学術会議の会員任命についての1983年の政府答弁について)明らかに学問の自由の保障、日本学術会議の独立性の保障から明らかに形式的任命と答弁している。これが40年前だから趣旨がわからないんですか、官房長官

加藤官房長官:これまでも、法制局長官もおっしゃてますけど、日本学術会議の会員の任命について日本学術会議からの推薦通りに任命すべきとまでは言えないという点については、昭和58年(1983年)に選挙制が廃止され任命制になってからの一貫した考え方でありまして、その上に立った上での答弁であると位置付けているわけでありまして、したがって、そうした当時の背景というのは十分わからない、今となってはですね、詳らかではありませんが、ただ当時の状況に照らして申し上げられるとすれば、ということで縷々説明申し上げてきたところであります。<原稿棒読み!>

田村議員:40年前にはっきりここまで答弁していることの趣旨がわからないというと、法治国家ですか。憲法は74年前ですよ。商法とか、刑法とか、民法は最近改正になりましたけど、明治からの立法ですよ。それを私たち受け継いでるんですよ。40年前の答弁の趣旨がわからない。
 それからね、今、「一貫した」とおっしゃてますけどね、違いますよ。2016年と2017年の補欠人事で官邸が推薦名簿に意見を反映させようとした。しかし、学術会議はこれを受け入れず、推薦見送りとなった。そうなれば、次の半数改選がどうなるか問われてきますよね。そして、2018年、突如として推薦の通り任命すべき義務があるとまでは言えないという文書が学術会議事務局によって作成され、なぜか、法制局がこの杜撰な文章をそのまま了承する。だって、およそ83年の形式的任命についての議論とか、中曽根答弁の学問の自由とか、独立とか、このことについておよそまともな検討なんかされてないですよ、この文書。それで2020年、とうとう任命拒否ということが行われてしまった。
 法制局や内閣府の官僚のみなさんにね、私、あらためて言いたいですよ。みなさんがやるべきことはこんなことじゃなかったんですよ。人事介入が始まったときに、これは法律上ダメだと、かつてやったことがないと言って止めることですよ。それを止めもしない。法制局まで迎合するんですか。何が一貫した考え方ですか。83年の審議を何も顧みないような。それで諒とする。こんなことになってしまったらね、日本の国の法の安定性ってどうなるんですか。これが法治国家って言える事態なんですか。人治主義ですよ。政権によってコロコロと法の解釈が変わる。過去の国会の会議録を軽んずる。無視をする。都合の悪いものは見ないことにする。趣旨がわからないと言う。だから私たち取り上げているんですよ。これね、民主主義にかかわる問題なんです。学術会議だけにかかわる問題じゃないんです。

<以下略>

そのもうひとつの結果(成果?)が、これ。

11月19日付の共同通信の記事。

20代官僚の退職、4倍超に 河野担当相「危機に直面」 | 共同通信

自己都合を理由とした20代の国家公務員総合職の退職者数が2019年度に87人に上ったとの調査結果を、内閣人事局がまとめたことが19日分かった。6年前の21人から4倍超の増加となる。河野太郎国家公務員制度担当相が18日付の自身のブログで公表し「危機に直面する霞が関」と問題提起した。
 調査結果によると、30歳未満の国家公務員の中で「辞める準備をしている」「1年以内に辞めたい」「3年程度のうちに辞めたい」とした人が男性で約15%、女性で約10%となった。
 退職理由を尋ねたところ「もっと自己成長できる魅力的な仕事に就きたい」との回答が男性49%、女性44%。


 コーノさん、危機に直面しているのは「霞が関」じゃないだろ。



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