ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

大塚官房長、きみはお呼びでないよ

 昨日の予算委員会のつづき。
 今井雅人議員の質問に対するスガ答弁の“破壊的一撃”を目にし、気力を削がれてその後の動画を見るのをやめてしまったが、実は、つづく川内博史議員立憲民主党)がスガからわりと決定的な答弁を引き出していたことを知った。

馬の眼 ishtaristさんが自身のブログでこの点を明確に指摘している。11月2日付の記事を以下に引用する。

日本学術会議問題、6名追加任命へ。菅首相の決定的な国会答弁。|馬の眼 ishtarist|note


<前略>
川内 総理は縦割りを打破する、官僚主義を打破するんだと仰っていて、叩き上げだと仰る。私も叩き上げ比べをしてもいいぐらいだと思ってますけども、この問題を解決する、できるのは総理しかいないので、これね、突っ張っても違法状態が続くだけなんですよ。なぜなら、総理のところにはね、梶田会長の6名任命してね、お願いしますよという要望書が来ましたよね、これは法的にはたぶん、日本学術会議が6名をもう一回推薦してね、と持ってきてるんですよ、で総理の手に6名の推薦名簿があるんですよ今、その方たちを推薦しないと、210名が会員として揃わないので、総理大臣としての責任を果たしていないって事になるんです。なぜなら、210名の会員を組織させるのは総理大臣の責任だから。最終的に。だから、この問題を解決できるのは総理しかいないんです。たった1人なんですよ、この国で。みんな色んなことを言いますよ。結局、説明できないのであれば任命するしかないし、私はそう思いますよ。
あと、学術会議のことが、ずっと前から俺は問題に思ってたんだと、改革したいんだと、だって改革者だからね、改革しなきゃいけないんだと仰るのであれば6人を任命した後、正式な会議体を作って議論してね、そして会員の推薦のあり方とを含めてちゃんとしてねと、これまでと同じやり方をやっていくということが、信頼を受ける、国民に信頼される政治ではないかというふうに思います。そうじゃないとですね総合的俯瞰的にですね、国民の皆さんから菅内閣は訳わからんと思われちゃうんですよ。
総理が一人なんですよ、これ解決できるのは。このまま学術会議が6名の推薦を取り下げませんとあくまでも任命してくださいと言い続けたら6名がずっと欠員のままですからね。それは政府としてやってはならないことですから。総理として考えると、梶田会長を呼んで考えると、よく話し合ってみると、もう梶田会長は6名推薦してねときちゃったんですから来てるんですから、要望書は出てるんですよ。総理のところに。それはちゃんとじゃあ話すからというぐらいはしないとですねこれずっと続くんです膠着状態が。このコロナ禍で、ですねこの中で他に議論しなければならないこともたくさんあるんですよ。総理として決断してください。

 理論的には川内委員が言われる通りだというふうに思います。で、梶田会長が来られた時にそれは確かに受け取りました、任命の要望書について。その上で、梶田会長とは国民から理解をされる学術会議にしていきたいと、さらに、そのために、さらにそのために何をやるべきかということもを一緒にやっていきたいと、そうしたことについては合意をしまして、いま、井上大臣のところで梶田会長と会談をして、そうしたことを進めさせていただいているところであります。
その、任命するしないということは、そのままの状況になっています。で、結果として、理論的には川内委員の言う通りだという風に私は思ってます。

(中略)

川内 じゃあ改めてもう一度あの日本学術会議が6名の先生方の推薦を総理に上げてきたらその時は考えるということでよろしいですね。
 全体の内容を見て判断することになると思います。

 日本学術会議問題、明らかに解決のために大きく前進した、決定的な答弁だと思います。

川内議員の主張は、210名に欠員が出ている現状は違法状態であり、それは日本学術会議が6名の推薦名簿を出し続ける以上、それを総理大臣として追加任命するしかない。その後に、日本学術会議問題のあり方について議論すれば良い、という提案です。

それに対して、菅首相は、「理論的には川内委員の言う通り」だと答弁しました(2回も!)。最終的には、「全体の内容を見て判断する」と言っていますが、これは6名を追加任命する布石でしょう。少なくとも、追加任命する用意が菅首相としてはある、という意思表示であると言えるでしょう。
<以下略><引用終わり>


 しかし、「馬の眼」さんも指摘するように、スガの答弁に際し、何度となく官僚がそれに割って入るシーンが出てくる。大塚幸寛・内閣官房だ。スガが手を挙げて自ら答弁しようとしている場面に無理やり乗り込んでくる彼の姿は異様で、これは何かあるのではと感じざるを得ない。
 好意的に解釈すれば、スガはもうこの問題から手を引きたいと思っているのに、それを妨げる輩がいるのだ。何だ、この人は? きみはお呼びでないから引っ込んでなさい。

 6名を追加任命して違法状態を解消し、日本学術会議のあり方についてはその後に議論する
——妥当な解決の道筋が示されたのだ。この線で進んでいくことが、政府にも国民にも最も望まれる選択ではなかろうか。




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