ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

日本学術会議

真鍋さんのノーベル物理学賞受賞

昨日の夕方テレビを見ていて、真鍋淑郎さんがノーベル物理学賞に選ばれたことを知った。何か聞き覚えのある名前だなと思っていて、しばらくしてから、ああそうだ、NHKの番組「地球汚染」に出ていた人だと思い出した。 「地球汚染」は1989年3月に2回にわたっ…

日本の統治システムの宿痾

朝、可燃ゴミを出しに外に出たら、雨は止んでいた。山鳩が鳴いている。 ふと、今日は、父親が病院に行く日だったことを思い出した。施設では父親との面会がままならないが、病院では落ちあえるので、楽しみにはしていた。 家のカレンダーには、あれこれ今後…

辰鼓楼と「偽造、捏造、アベシンゾー」

「偽造、捏造、安倍晋三(ギゾウ、ネツゾウ、アベシンゾウ)」――東京都議選の応援演説で、ある衆議院議員が述べた言葉を弁護士の澤藤統一郎さんが紹介している。笑えるけど、笑えない(けれど、笑う)。 (6月25日付「澤藤統一郎の憲法日記」澤藤統一郎の憲…

政府用語 考

「寄り添う」――近くで人を支える、物心両面で。「患者に寄り添う」「困っている人に寄り添う」…など、本来は「詩的」で、優しい言葉だと思う。 しかし、同じ人が同じような場面で二度も三度も口にするとだんだん優しさが剥がれていく。使う人が増えればます…

「迷惑かけなければ抗議の意味ない」

日本学術会議の会員任命拒否問題に抗議して、10月7日付で佐藤康宏・東大名誉教授が文化庁有識者会議(登録美術品調査研究協力者会議)の座長を辞任したという。昨日12月15日付東京新聞にも望月衣塑子記者の署名入り記事があった。以下、引用。【独自】「首相…

追補 イタリア学会の声明

イタリア学会の会長・藤谷道夫氏(慶応大学)が、10月17日付でイタリア学会が上げた日本学術会議会員任命拒否についての声明の補足解説「声明文についてもっと詳しく知りたい方のために」(11月19日付)を書いていることを知った。 →イタリア学会HPイタリ…

忘れちゃいけない 学術会議の任命拒否

2ヶ月ものあいだ臨時国会の開会要求を無視し続け、10月下旬にやっと始まった「臨時国会」は、今週末の12月5日で閉会を迎える。コロナ感染が底知れぬ拡大状況にある中、会期の延長を求める声をまたしても無視して、である。 昨日、スガは都の要請を受け、Go t…

壊されていく国

11月17日の参議院内閣委員会。日本学術会議の任命拒否問題について田村智子議員(共産党)の「質問」の動画を見た。自制はしていたが、見ている者にも怒りの程は伝わる。https://www.youtube.com/watch?v=bQOwuAiKseU田村議員:(日本学術会議の会員任命につ…

批判的思考力

日本学術会議の任命拒否問題について、歴史学者の古川隆久氏が朝日新聞のインタヴューに答えている。古川氏は、今回の任命拒否に対し、その撤回を求めるネット署名を呼びかけた方。ここで氏が例示した戦前の「滝川事件」や「帝大騒動」と今回の問題の類比も…

「国が国民を守らない」——それが何か?

「石橋湛山賞」というのがある。東洋経済新報社の後援で1980年から始まり、人文・社会科学分野の学術本や論文から選ばれるものらしい。今年は山本章子氏(琉球大学)の『日米地位協定――在日米軍と「同盟」の70年』(中央公論新社・新書 2019年)が選ばれた。…

宇野重規さんの書評

朝日新聞の11月14日付「好書好日」に宇野重規さんの書評がある。 宇野さんは、ご存じのとおり、日本学術会議の会員から外された6人の一人なのだが、メディアからコメントを求められても、意外なほど多くを語らなかった。それも人としての矜持の示し方だと思…

学術会議問題のすそ野

筑波大学や東京大学で起こっている学長選考をめぐる“対立”には、政府権力による日本学術会議の人事介入に重なる面がある。いや、「重なる」というより、そのすそ野、下地が着々と整えられてきたのだと思う。毎日新聞2020年11月10日付記事(東京夕刊)より。…

スギタさん、ご指名です

日本学術会議の任命拒否問題で、内閣府は10月6日に、首相が「推薦のとおりに任命すべき義務があるとまでは言えない」とする2018年の内部文書なるものを、野党側に公開したが、当時その説明を受けていたとされる日本学術会議・前会長の山極寿一氏(京都大前総…

11.3 国会前の抗議集会

昨日の11月3日15時から国会正門前で、日本学術会議任命拒否の問題に対する抗議集会があったようだ。早速動画があがっているので拝見した。 冒頭、教育学者の佐藤学さんが挨拶をしている。だいぶ前にテレビで講義している姿を拝見したが、昨日も声に張りがあ…

大塚官房長、きみはお呼びでないよ

昨日の予算委員会のつづき。 今井雅人議員の質問に対するスガ答弁の“破壊的一撃”を目にし、気力を削がれてその後の動画を見るのをやめてしまったが、実は、つづく川内博史議員(立憲民主党)がスガからわりと決定的な答弁を引き出していたことを知った。「馬…

スガさん、答弁がトンチンカンで痛すぎるよ

日本学術会議の任命拒否問題について、昨日11月2日の衆議院予算委員会で、立憲民主党の今井雅人議員が質問している。学術会議 スガ「任命拒否」問題 今井雅人(立憲)の質疑【全47分】11/2 衆院・予算委 - YouTube【詳報】「加藤陽子先生以外を知らない」のに…

スガさん、もう撤退しないと泥沼だよ

日本学術会議の前会長だった山極寿一・京都大学前総長が京都新聞に寄稿している。同紙10月26日付の記事「天眼」より。学術会議、政府からぶつけられた不満 前会長山極寿一氏が明かす思い 「学問の自由とは何か」|主要|地域のニュース|京都新聞 日本学術会…

スガさん、ちゃんと名簿を見てから言いなよ

10月1日現在の日本学術会議の第25 期会員名簿を見た。http://www.scj.go.jp/ja/scj/member/pdf/25kaiin_meibo.pdf この名簿は今回任命された方と先回会員に選ばれた方の「総勢」だが、表中の「任期満了年」が8年になっている方が今回“任命”された99人かと思…

菅野さんのハンスト 4 菅野さんが去って

菅野完さんのハンストは10月26日(月)に終わった。何とも言いようがないが、小生としてはホッとしている。菅野さん本人には不本意なところもあるようだが、25日間にわたって身を削ってきたのだ。今は休んでほしい。 菅野さんが官邸前から姿を消して2日。各…

イタリア学会の声明

日本学術会議の任命拒否問題に関して、日本のイタリア学会から10月17日付で抗議声明が上がっていることを知った。 学会会長の藤谷道夫・慶應義塾大学教授の名で書かれたこの声明文で、学会は、スガが明確な理由の説明をせず、その要求をほぼ拒み続けているこ…

報道記者と99人の学者に

10月25日付のデモクラシータイムスを見ていたら、冒頭で、このたびの日本学術会議の会員任命拒否がどのようにして報道されるようになったか、その発端と経緯にふれている。メディアの第一報は「菅首相、学術会議人事に介入」という一面見出しの「赤旗」の記…

菅野さんのハンスト 3 相澤冬樹さん記

元NHK記者で大阪日日新聞の相澤冬樹さんも、現在官邸前でハンストをしている菅野完さんに10月9日(金)・10日(土)の朝、話を聞いているので、ここに引用する。 「現代ビジネス」10月23日付記事より。日本学術会議の「人事騒動」、官邸前で“抗議のハンス…

情報と予算の非対称性 学術会議とGo to 事務局

先週、GoTo事務局の日当が問題になった。大手旅行会社から社員が事務局に出向したかたちがとられているが、業務内容は宣伝・勧誘の電話であったり、あろうことか「本業」が忙しくて事務局の仕事をしていないのにもかかわらず、会社が手当てを受け取っている…

続 菅野さんのハンスト 本人談

10月2日夜19:00から官邸前でハンストを決行している菅野完(たもつ)さんに池田香代子氏が10月18日日曜日の16:00頃にインタヴューしている。 以下、デモクラシータイムスの【池田香代子の世界を変える100人の働き人 43人目】の動画から起こしたもの。 少しは…

「為政者の度量」 小島毅さんのコラム

小島毅(つよし) さん。東京大学大学院教授で専門は中国思想(儒教史・儒教思想?)。文庫版のご著書を昔読んだ記憶がある(……それ以上書けないのが情けない)。 10月21日付京都新聞にその小島さんの「求められる為政者の度量」というコラムが掲載されている…

時事スガ川柳

日本学術会議の任命拒否の「黒幕」登場から中曽根元総理の葬儀に関する弔意通達、梶田会長の表敬訪問……と続いた先週。国会を開かず、まだ所信表明演説もしていないのに、問題噴出のスガ総理は外遊に出てしまった。訪問先の国には申し訳ないが、このコロナ禍…

菅野完氏のハンスト

17日に行われた中曽根元総理の合同葬について調べていたら、フリージャーナリストの田中龍作氏のリポートを見つけた。しかし、それよりも驚いたのは、スガ政権の日本学術会議の人事介入に抗議するためにフリーライターの菅野完(たもつ)氏が10月2日午後から官…

梶田会長の表敬訪問

10月16日、日本学術会議の梶田隆章会長が官邸でスガ首相と15分程度「会談」した。先に決議された「要望書」(6人を外した理由の説明/速やかに6人を任命する旨)を携えての訪問で、話は当然「6名が外された件」になるはず。ところが、会長によると、要望書は…

「前門の虎 後門の狼」

「前門の虎 後門の狼」、「進むも地獄 退くも地獄」……「地獄」というのは言い過ぎだが、自ら「八方塞がり」に陥っている感じがする。 共同通信の柿崎明二氏を首相補佐官に据え、オフレコ懇談会、「グループインタヴュー」……と、メディア対策に自信を見せてき…

第Ⅱ章 関与したけど見ていない

スガさん、早々に「損切り」すべきだったね。これは「検察庁法」のときと同じことになる。あのときは、クロカワの賭けマージャンがリークされたけど、今度も誰かを人身御供にしたタイミングで撤収なんて考えてるんじゃなかろうね。これだけの大事(おおごと…