<追記>標題は「制定」ではなく「施行」とすべきところでしたが、いまさらなので、「79周年」の「周」だけ取って「79年」のところだけ訂正しました。
昨日の憲法記念日にあたり、各メディアが憲法改定の賛否を問う世論調査の結果を報じています。毎日新聞は4月18・19日の調査結果として、(高市首相在任中の改定に)賛成37%、反対30%、わからない32%と伝えています。
高市首相在任中の改憲「賛成」37% 「反対」30% 毎日世論調査 | 毎日新聞
その他、主だったところの世論調査の結果を並べてみると(質問は「必要かどうか」など、メディアによって多少異なりますが、趣旨をふまえて賛成・反対に合わせると)、どの調査でも、賛成が反対を上回っている点は動かない感じです。
〇読売 賛成57% 反対40%
〇朝日 賛成47% 反対43%
〇NHK 賛成38% 反対20% どちらとも38%
〇毎日 賛成37% 反対30% わからない32%
去年もブログに書いたかもしれませんが(というか毎回書いてる気もしますが)、漠然と憲法を変えた方がいいかどうかを尋ねるのと、どの部分(条文)を変えた方がいいのかを問うのとでは、意味や重みが変わってくると思います。賛成理由で必ず挙げられるのが、今の憲法は「占領下にアメリカ主導で制定されたから」という類の理由で、要するに、米国に憲法を「押し付けられた」というものですが、これも同じです。
他から何かを不当に押しつけられるのは、小生も嫌ですから、「気持ち」だけは理解できますが、では、具体的に何が押しつけられ(強制され)たのかと考えると、たとえば現憲法に(アメリカの押しつけによって?)規定された基本的人権の保障など、旧憲法体制下の日本では歯牙にもかからなかったわけで、もし、敗戦によって旧体制がひっくりかえらずに来ていたら、今この種のブログを書いているだけで、警察に目を付けられ、やがては取り調べを受け、逮捕され(拷問もされるかもしれません)、刑務所にぶち込まれるなんてことになるかもしれないと、軽薄な小生にも想像ができます。現憲法下で、そうはならない「恩恵」に浴し、あれこれ自由に発言できていると思えば、当時の米国に、よくぞ(日本政府に)強制してくれましたと、小生個人としては感謝してもしきれません。
それに、あまりよいたとえではありませんが、麻薬中毒の人から強制的に麻薬を取り上げたら、当人は怒るでしょうけれど、これは、まず本人の自主性を尊重するべきで、強制して麻薬を取り上げるべきではないと言えるでしょうか。本人の自主性に任せても中毒から脱却(矯正・更生)できないんだったら、強制もしょうがないという話にならないか。日本の政府は自発的に今のような憲法を作れなかったわけで(自分の力でつくってみろと言われて作ったら、旧憲法の二番煎じだった=特に天皇制にかかわる部分)、「押し付け憲法」論に与する人は、具体的に米国から何を「押し付けられた」ことが問題なのか、あるいは自分は何が「押し付けられた」のが嫌なのかを漠とせず、はっきりさせた方がいいと思います。
それから、これは多数意見ですが、「憲法の規定が時代に合わなくなってきているから」というのもあります。1947年に施行された法律に、79年後の日本の姿まで予見しろというのはそもそも無理な話です。電話やTV中継はおろか、大半の人がスマホを片手に瞬時に情報を手に入れられる世の中など、当時は想像もつかなかったでしょうから。
しかし、これも上と同様、「古い」からダメというのは「押しつけ」だからダメというのと大差ありません。「古い」ものが逆に愛されること、尊重されることだって実際あるのですから、一概に古いのはダメとは言えないわけで(日本の「古き伝統」を守らなければって思っている人、多いですよね)、やはり何が古くて状況に合わないのかは、具体的に問われないといけませんし、「古さ」と「特殊性」ないし「普遍性」のありかも考えないと、と思います。
この点で興味深いのは、憲法改定論者が最もこだわる憲法9条について、第3項を加えて、自衛隊の存在を明記すべきとする意見です。どういう条文にするのかは知りませんが、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」とする第2項と整合性をつけるために、自衛隊は「戦力」に当たらないという無理な定義づけを前提に、ここに3つめの条項を追加するのは、法の立てつけとか、安定性を損うことにならないか、「素人」が考えても首をひねってしまいます。
そもそも、自衛隊は「戦力」には当たらない、「合憲」だと言い続けてきた人たちが、「自衛隊の合憲・違憲論争に終止符をうつ」などと言い張って(たとえば故安倍晋三)、憲法条文に自衛隊を明記すべきと言い始めたわけです。ん!? ってことは、今まで自衛隊は「合憲」だと強弁していたけれど、実はそうでもなく、内心は「合憲」かどうか怪しい、ひょっとしたら「違憲」かもしれないと心配していたということでしょうか。
この点で、自衛隊明記の第3項を追加するのではなく、正々堂々?と第2項を改めて、自衛隊は自衛のための戦力だと明記すべきと主張する人たちの方が(もちろん賛成などしませんが)、まだ筋が通っているというべきでしょう。自衛隊追記のような「姑息」なことを思いつく人たちの唱える違憲論の真意には、憲法体制の変更により国のあり方がどう変わるかなどに実は関心がなく(どうでもよく)、とにかく憲法を変えればいい式の浅はかさ、無責任さがありはしないか。そこに、功名心・野心・自己顕示欲の類が働いているのも見逃せません。
昨日は憲法改定賛成・反対の立場の集会が各地で開かれました。高市政権の成立と先の衆院選の自民大勝により、改憲(の国民投票)が政治日程に上りかねない状況になって、具体的な発言が重みというか、「政治性」を帯びるからでしょうか、集会の様子を紹介する報道にも、実際の姿を伝えていないというか、あまり「中立」的な感じがしないのです。
有明防災公園(東京都江東区)で行われた改憲反対集会で登壇した国会議員のあいさつをTV報道で見ました。紹介されたのは、立憲民主党(元社会民主党党首)の吉田議員と日本共産党の田村委員長の二人。他にもあいさつをした人はいたと思いますが、二人のあいさつ(だけ)を象徴的に映し出したために、集会全体が何となく左派的、かつ年長者の集まりという印象を与えられた感じがしました。参加したわけではないので正確なところはわかりませんが、映像などを見る限り、壇上に上がった人たちはともかく、参加者に「若い人や女性が急激に増えてきた」という実行委員長の言葉は決して誇張ではない感じです。
それから、自民党の大空こうき議員(衆院東京15区)が自身のXで、有明公園を集会に使うのは防災上いかがなものか、という問い合わせを国交省にかけたという記事も見ました(嫌がらせでしょうか)。
田中龍作ジャーナル | 自民党・大空こうきのお蔭で憲法集会は大盛況
メディア報道やSNSをフル動員して、どうにかして護憲を腐そうとする連中と今後闘っていかないといけないわけですが、「大空こうき 見てるゥ~???」「別に行きたくもなかった憲法集会だったけど 大空こうきのおかげで俄然行きたくなった人」という幟を見て、若い人たちのこの軽妙な「いなし方」に笑いと元気をもらった気がします。
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