ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

次は寺田に杉田、細田、萩生田……

 今日は本当に短く。
 昨晩葉梨法相が辞任しました。事実上の更迭と言われています。急転直下で驚きます。「(法務大臣とは)朝、死刑のはんこを押して、昼のニュースのトップになるのは、そういう時だけという地味な役職」など、葉梨大臣の一連の発言は、「失言」と言えば「失言」ですが、そこに垣間見える感覚と認識は、とても法務行政のトップを務めるに値しません。岸田首相の任命責任はもちろんですが、首相自身、判断が揺らいで更迭を即決できず、昼までは交代させないと言っていたのに、夕方にはこれです。またしても「朝令暮改」となった責任が問われます。
「辞めないって言ったじゃないか!」 法相辞任劇で「首相離れ」加速 [自民]:朝日新聞デジタル
葉梨法相も“死刑のハンコ”発言で更迭へ…岸田政権は出身派閥「宏池会」が最大のアキレス腱|日刊ゲンダイDIGITAL

 弁護士の澤藤統一郎さんが11月11日付blog記事で、「はたしてその資質において閣内に置くベからざる閣僚は彼一人であろうか。じつは、多数の「葉梨康弘」がひしめいているのではないだろうか」と書いています。一部引用をお許しください。
澤藤統一郎の憲法日記 » 2022 » 11月

……批判されている彼の発言はいくつもあるが、何よりも、法務大臣の身で、「朝、死刑(執行)のはんこを押して、昼のニュースのトップになるのは、そういう時だけという地味な役職」と述べたことである。
 軽薄極まるということもさることながら、明らかに人権感覚の欠如を物語っている。人間の尊厳に対する畏敬の念がないのだ。人権を侵害された人、人権侵害の危機にある人の思いへの共感能力に欠けているのだ。現代の教育は、こういう高学歴の欠陥人間を大量に生み出してきたのではないか。
 公権力が、人間の命を奪うということへの疑問も、その仕事に携わる心の痛みのかけらもない。思い出す。海部内閣の時代に左藤恵という法務大臣がいた。この人、真宗大谷派の僧侶でもあり、真っ当な弁護士でもあった。その信念に従って、法相在任中には、死刑執行命令書に署名しなかった。もちろん、賛否は分かれたが、自民党政権にも、このような気骨ある大臣がいたのだ。
 また、民主党政権法務大臣千葉景子氏は、命令書に署名した死刑の執行に立ち会った。その後、東京拘置所の刑場を報道機関に公開し、制度の存否を含めた議論を呼びかけてもいる。この人も弁護士である。
葉梨康弘の発言は、この人の人権感覚の欠落を露呈したものとして撤回に馴染まない。謝罪すべき対象もない。さすがに、岸田首相もこのような人物を法務大臣として閣内に留めるわけにはいかなかったようだ。
 あらためて思う。はたしてその資質において閣内に置くベからざる閣僚は彼一人であろうか。じつは、多数の「葉梨康弘」がひしめいているのではないだろうか。

 大臣辞任の「二番手」は、3日前までは、葉梨法務大臣ではなく寺田総務大臣と見られていました。予想外の人が2人目となって、岸田政権の「辞任ドミノ」がさらに現実味を帯びてきました。
 ネット上には寺田大臣のほか、要職にある「辞職すべき」自民党議員の名前がリストアップされていて、寺田、細田、杉田、萩生田……と「田」でつながっています(なるほど 笑)。複数の方がTweetしていましたが、「最後は岸田もお忘れなく」と言われそうです。
https://twitter.com/hahaguma/status/1590926270879371264

 実際、東南アジアから帰国したら「総理を辞める」などと、政権を放り出さないでもらいたい、という自民党議員?の声もあります。
岸田首相 葉梨氏の電撃法相辞任で…自民党内からも不安の声「人事に失敗した」 | 東スポWEB




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