ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

JOC経理部長の死

 今週明けの6月7日(月)午前、JOC日本オリンピック委員会)の経理部長が亡くなった。折しも、「政治とカネ」ならぬ「五輪とカネ」の問題が再燃し、2日前の6月5日(土)の『報道特集』(TBS)では、組織委(JOCではない!)の職員が「内部告発」し、広告代理店への不透明なカネの流れを証言したばかりだった。この報せを単なる死亡報道とは受け止められない人が多かったのではないか。福岡の地方局KBC九州朝日放送では、本番中のニュース差し替えという「放送事故」まで起こっている。

 この件に関して、今の段階でネットで報道されていることをいくつか集めてみた。

 <遺族は自殺ではなく、事故死だと…>
山下泰裕JOC会長の話より(「日刊スポーツ」6月10日付記事)
「ご遺族に対してお悔やみを申し上げます。月曜日(7日)に会社(JOC)に来る時間に来られてない。職員が家に連絡して(家族は)予定通りに家を出られている。その時点で一番親しかった職員がご自宅にいって、今日まで対応してきました。ご遺族の心情を、優先して対応してきました」。
 「ご遺族は、警察が自殺を認定したことを納得していない。自殺ではない、事故死であるはずだと思われている。どうしてご遺族がそう思うかも聞いています」。
 「(経理部長の男性の様子は)家でも変わらなかったと。先週、一緒に朝食をとった人も変わらなかった、といっていた。ご夫婦の仲もいいし、娘さんともいい。土、日にどんな過ごし方をしたかも聞いている。(遺族は)いろんな状況の話をされて(駅の)ホームまでいかれて。いろんな理由で(自殺ではなく)事故死であると」。
 「ご遺族はすでに十分に傷つかれている。(報道陣も)その部分を配慮してほしい。切に願います」

山下泰裕会長、死亡の経理部長「ご遺族は自殺ではない、事故死であると」 - 東京オリンピック2020 : 日刊スポーツ

 <文春報道への抗議>
「この件については外部に漏らさないように」 6月7日午後、日テレが〈JOC幹部が電車に飛び込み死亡〉と速報してからしばらく経った頃、文部科学省からJOCに出向中の籾井圭子常務理事が職員を集め、こう指示した…」との報道に対して
※「スポーツニッポン」6月10日付記事より
JOC経理部長“五輪裏金”と補助金不正」のタイトルで報じた週刊文春6月17日号の記事について山下会長は「内容について事前に問い合わせあって、広報から全然話が違うと(聞いた)」と語り「全然違う形で抗議文を出すつもり」とした。
 同記事ではJOC幹部が経理部長が7日午前に都営浅草線中延駅で電車にはねられ死亡し、JOC幹部が同日午後に職員を集め「外部に漏らさないように」と指示したなどと報道。山下会長は職員が集まった理由について情報共有や遺族への配慮などを確認するためとした上で「対応を一元化するためだった」と説明した。

JOC山下会長「抗議文を出すつもり」経理部長の死亡事故めぐり文春報道に異議― スポニチ Sponichi Annex スポーツ


 経緯を含めて最もまとまったかたちで報道しているのは、6月10日付「女性セブン」の記事かと思う。以下に部分引用する(なお名前は伏字にした)。

飛び込み死JOC職員の母告白「自ら死を選択するような子ではない」|NEWSポストセブン - Part 2

…徐々に表沙汰になる「五輪とカネ」問題。それは組織委だけでなく、JOC内部でも密かに問題視されていた。
「実はJOC幹部のなかには、開催をめぐる、新たなカネの問題を追及されることを恐れている人物がいました。『また会長が変わるわけにはいかない』とも語っていた。その人物はマスコミが嗅ぎ付けないかを非常に気にしており、『長野五輪だってそうだったが、五輪さえ終われば追及する気はなくなる』と逃げ切り体勢。しかし複数のマスコミからの取材があり、かなり焦っていた。〇〇さんは経理部長という立場上、こうした疑惑の真相を知っていた可能性があります」(別の五輪関係者)

 森友学園の国有地問題をめぐって公文書改ざんを指示された近畿財務局職員の赤木俊夫さん(享年54)は2018年3月に自ら命を絶った。組織との板挟みで、隠ぺいにかかわらざるを得なくなり、良心の呵責に苦しみ自死を選ぶケースは、少なくないのだ。

 〇〇さんの母親は、「あの子は責任感は強い子だけど、自殺をするような子ではない」と、語る。
「2人の娘とお酒を飲むことが楽しみという、優しい父親なんですよ。あの子の妻も自殺だとは信じていません。『母の日』の少し前に電話で話したのが最後でしたが、悩んでいる素振りはありませんでした。最後に会ったのは昨年10月に実家に夫婦で帰って来たときでしたが、そのときも同じです。やっぱり自殺したとは信じられないんです……」(〇〇さんの母親)

 「国民の命と健康を守るのが私の責務」と豪語してイギリスに向かった首相の言葉がむなしい。
 遺族にお悔やみを申し上げるとともに、真相究明を願う。



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