ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

「赤木ファイル」のこと

 「私が嘘を言うわけないじゃないですか~!

 2年前(2019年)の2月13日、衆院予算委員会本多平直議員の質問(自衛隊員の子どもが「お父さん憲法違反なの?」と言ったという話の事実確認)に興奮した当時の日本国総理大臣アベシンゾーの発言だ。

※「尾張おっぺけぺー」さんが編集した傑作が以下。
尾張おっぺけぺー on Twitter: "安倍@AbeShinzo さんがまたやったそうなので恒例ツイート

安倍さんが憲法改正の理由っぽく言ってきた珍説「自衛隊員の子ども」。
憲法改正したいがために嘘を並べている姿を幼い子供たちも、もしかしたら目にしたかもしれない、どう思うだろうか。そう思うと言葉もありません
https://t.co/0rHDgOHCey"

 国会で数々の虚偽答弁を繰り返したあげく、自ら謝罪するまでに追い込まれたのに、今もしゃあしゃあと国会議員をして恥じることのないこの男が、日本の邪悪の一象徴だとすれば、この男の嘘に始まった「森友問題」の文書改竄のために命を絶つことになった赤木俊夫さんは、日本の良心の一象徴ではないかと思える。

 その赤木さんが改竄の経緯を詳しく記録・保存したファイル(通称「赤木ファイル」)があるという。 妻の雅子さん側が昨年(2020年)3月、大阪地裁への提訴時にこのファイルの提出を要請していた。それから何と1年以上、国側は存否さえ明らかにしてこなかったが、今日5月6日、“回答期限“ を迎え、国はファイルの存在を認める旨、文書で回答するとみられるとのこと。

 朝日新聞5月5日付記事の一部が以下。

赤木ファイル、国が存在認める方針 森友改ざん問題:朝日新聞デジタル

国はこれまで、訴訟では「(ファイルは)裁判の争いに関係せず、存否を回答する必要がない」と主張。国会でも、野党が開示を求めたのに対し「訴訟に影響を及ぼすおそれがある」との答弁を繰り返し、存否を明らかにしてこなかった。
 焦点は、ファイルの中身や、それが裁判でどの程度、開示されるかだ。民事訴訟法は、開示によって「公務に著しい支障が生ずるおそれ」がある場合、その部分を外して提出することを認めている。今後、開示の範囲や方法などをめぐり、国と原告側、裁判所の協議が続くとみられる。改ざんに至った経緯や財務省や近畿財務局内での指示の具体的な内容が明らかになる可能性がある。

 毎日新聞5月5日付記事には次のようにある。

森友改ざん「赤木ファイル」 国が文書の存在認める方針 | 毎日新聞

官邸幹部は「どの文書かを特定するのに時間がかかっていた。見つかったから出すということだ」と述べ、裁判所に存在を伝える方針を明言した。今後は国側と妻側、裁判所の3者で文書内容の開示を巡る協議が続くとみられる。


 1年以上もの猶予期間をもらって、周到な「黒塗り対策」が完了したということだろうか。今日の文書で何を「回答」してくるかも注目だが、今後、ファイルの中身を明らかにしつつ、真相に迫っていくためにも、赤木さんの奥さんと弁護団への支援は欠かせない。

 それにしても、嘘の辻褄合わせに付き合わされることによって生じた膨大な「仕事」量を思うに、もし、こんな出鱈目がなかったら、官僚も(議員も)他の本来業務に時間とエネルギーを振り向けられたはずで、これは立派な業務妨害であり、国益を損ねていると思う。その面から、政治家の嘘には “実害” があり、その被害者は国民であることを明確にして、(倫理規定などとは別に)何か法的な責任を問えないものだろうか。自他ともに認めるお墨付きの嘘つきが平然と議員を続けられる異常さを、山口4区の有権者の意思(判断)に委ねなければ是正できないというのはおかしなことだと思う。

 腹いせに漢字テストで笑ってみてもなあ——「云々」「背後」「已む」「市井」。漢字を読めないのと嘘つきに相関はあるかな?

<追記>そうだ、今日6日は衆議院憲法審査会もあるんだった。戯言書いてる場合じゃない!



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