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日常と世相の記

5月5日 札幌のマラソン・テスト大会

 今日、5月5日に札幌市で東京五輪のマラソンのテスト大会が開かれる。前日(4日)、北海道の新型コロナウイルス感染者数は233人、そのうち札幌市が86%の201人。札幌市では1,626人を検査して201人の感染が判明。陽性率は12.36%と依然として高い。死者も4人出ている。

以下、毎日新聞の記事からの引用。

高まる批判 札幌厳戒 5日に五輪マラソンのテスト大会 | 毎日新聞

 テスト大会は道や札幌市、組織委などで作る実行委員会が主催。ハーフマラソンは午前9時50分、10キロマラソンは午前10時50分に、札幌市中央区の大通西4から男女一斉にスタートする。出走予定は男子89人、女子13人の計102人で、外国人選手6人も参加する。
関係者と市民の最大の懸念材料が、2日に過去最多の326人が報告された道内のコロナ感染拡大だ。鈴木直道知事と秋元克広市長は3日の緊急会談後、沿道での応援を自粛するよう市民に改めて要望。鈴木知事は組織委に、テスト大会を必要最小限の実施にするよう求めた。それでもネット上では「中止にすべきだ」「飲食店の営業時短要請などと矛盾している」といった批判が広がっている。
 会見で組織委の森泰夫・大会運営局次長は「今一度、安全への意識を再徹底する」と表明。レースの観衆について「人が集まることが全くないとは言い切れない」としつつ、沿道の人員配置を当初予定より約300人増やして約770人とし、密集が発生した場合などは、その場で観戦しないよう声掛けするとした。沿道には自粛を求める約1000枚の張り紙をするという。
 本番を見据えた選手を守る対策も、具体的に説明した。外国人選手に対しては、出入国時と入国後に毎日検査をし、チャーター機を利用した移動やホテル室内の個別の食事など、厳格な行動制限を取る。日本人選手にもレース前後の検査や体調管理の徹底を要請するとした。

市民マラソン中止なのに…五輪テストマラソン開催方針に疑問の声 | 毎日新聞

 北海道科学大の秋原志穂教授(感染症看護学)は「この状況で、市民には自粛や大型イベントの中止を求める一方、テスト大会や五輪の開催準備を予定通り進めているのは、矛盾していると言わざるを得ない」と指摘する。
 市民からも疑問の声が聞かれる。白石区の男性(67)は「自粛要請したり解除したりと、道や市の対策はダラダラ続いている感じがする。短期間でも市内は外出禁止にするなど強い措置が必要ではないか」。西区の高校3年の女子生徒(17)は「この状況でオリンピックをする必要はないと思う。我慢している市民のことをもっと考えてほしい」と苦言を呈した。
 秋原教授は「変異株の影響などで感染者数が急増し、ワクチン接種も滞る中、(五輪開催で)海外から数万人が入国するのであれば、市民に不信や不安が広がるのは当然」と語り、市内で予定されるマラソン競歩について「観客の人数を制限できない。対策を講じるとは思うが、観客の間隔が守られるかは疑問だ」と話す。
 今後の対策について、秋原教授は「行政が市民に対し『あともう少し気を引き締めて頑張ろう』とメッセージを送り、頑張っている姿を見れば市民も聞く気になる。まん延防止等重点措置や緊急事態宣言などインパクトがある対策は一定の行動変容を見込める。今打ち出すべき時だ」と語った。
 一方、市民には「大型連休は感染抑制のチャンス。学校や職場に行く必要がなく、人出が抑えられる。ステイホームを徹底すれば、感染の広がりを抑えられる。逆に人出が変わらなければ、大型連休明けは、さらに感染拡大のスピードが加速する可能性がある」と話した。

 実行委員会は沿道で観戦自粛を呼び掛ける要員を700人超に増やしたというが、鹿児島の「聖火」リレーでは、沿道の係員から3人がコロナに感染している。「バリア」を築きました、1,000枚貼り紙をしました…と言われても、「…だから」安全、大丈夫という感じはしない。そもそも、この国では前首相のときから1年以上にわたって「やってる感」だけが「演出」され、実効性のある対策はなおざりにされてきた。

 組織委や政府は、この札幌のテスト大会をステップにして、コロナの感染拡大をやり過ごし、2週間後のIOCバッハ会長の来日まで突っ走るつもりなのだろうが、政府の「やってる感(ふり)」だけの感染対策と五輪狂奔に対する人々の眼は厳しい。

 東スポが外国の報道を続けて報じている。

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 その「やってる感」の総本山・アベシンゾーは5月3日夜、BSフジの番組で、東京五輪パラリンピックについて「菅義偉首相や東京都の小池百合子知事を含め、オールジャパンで対応すれば何とか開催できると思う」と述べたという。
 その「オールジャパン」からとんずらしたのは誰かね?

 今日の札幌のテスト大会で感染がいっそう拡大することにならないよう祈るしかない。

 最後に、宇野重規さんTwitterの4月29日付記事に目を引かれた。引用を許されたい。

https://twitter.com/unoshigeki/status/1387756298104492035

フランクリン・ローズベルト大統領の「4つの自由」について、深く考えたことがなかったが、味わい深い。「言論・表現の自由」、そして「信教の自由」は言うまでもない。今必要なのは「欠乏からの自由」、そして脅かされることなく勇気を持って進むための「恐怖からの自由」。現在でも全く変わらない。



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