ペンは剣よりも強く

日常と世相の記

「自民党は持たない」!?

 ……しかし、この間の検察のアベ不起訴から議運委での「答弁訂正質疑」までのスピードは何なのだろう。コロナ対策も同じスピードだったら、今のような感染拡大や病院の逼迫、店舗などの窮状など、多くの事態は避けられたかもしれない。日本の政治管理者集団の「危機」管理、おそるべしだが、知恵と集中力を注ぎ込む先が完全にゆがんでいる。

 昨日12月25日のアベ答弁の録画を少々眺めてみたが、アベ側の言う「答弁の訂正」とは、要するに、「違ってた」というだけで、詳細はほとんど説明しない。話の“芯”を外しながら、聞かれてもいないことをしゃべって時間を浪費する。で、終わったら「説明責任を果たすことができました」!——この期に及んでなおこのパターンの繰り返しである。

 たとえば、立憲民主党辻元清美議員とのやりとりは以下のよう。

【国会中継】安倍前首相が「桜」問題を説明 答弁訂正(2020年12月25日) - YouTube


 :(前)総理は昨日「国民から見て一点の曇りもないように透明性を確保していく、私自身が責任をもって徹底していく」(と述べた)。今、黒岩議員が述べた焦点のひとつだった明細書ですよ。明細書について、(前)総理は相変わらず公表を求められるような発行はホテルはしないと言っている。これ、秘書が確認したんでしょ? その秘書はあなたにウソの説明をしてたわけですよね。この二つのホテルは明細書について、NHKのインタヴューに答えていますが、要求があれば再発行はすると、そしてインターコンチネンタルは7年間再発行できると答えていますよ。(前)総理に申し上げます。透明性を確保するのであれば、あなた自身がホテルにこの明細書を請求して、本委員会に提出してください。いかがですか?
 :ちなみにANAホテルに確認をとった秘書は、私が確認した秘書とは別の秘書で、責任者とは違う、今回責任をとって辞めた人とはちがう別の者でありますが、最初に申し上げた「営業上の秘密」について、明細書を出さないという立場は変わっていないと私は承知しています。いずれにせよ、明細書については、おそらく検察側もしっかり把握した上で今回の判断を下しているものと考えます。私どもとしてもすでに先ほど申し上げましたように、支払いをした全体の総額については、黒岩議員とのやりとりにおいてすでにお話をさせていただいているわけですから、明細書の中がどうあれ、今回の検察側の判断は変わらないわけであり、私どもがことさら明細書を隠さなければならない立場では当然ないわけであり、すでに事務所において補填を行っているということは明確にし、あの、訂正させていただいているわけであります。
 :あのね、態度は変わってないですよ。同じことを繰り返してるんですよ。じゃあ、これ政治資金収支報告書ですが、これを点検しましたので、お聞きします。たとえば、問題になっていた今年5月27日に提出した昨年分ですね。昨年分の報告が出ていますが、ホテルニューオータニに補填分は260万4,908円と出てるんです。しかし、これ見ていただいたら、領収書等亡失等一覧表、領収書を失くしているという届出を3年分やってるわけです。領収書がないのに、なぜ3年間、細かい数字まで(記入できるのか)。昨年、5月、問題になっていたときにも、領収書を失くしているという(届)を添付しているわけです。ここ(の場)で。これ見てください。……あなた、ご自分の収支報告書を確認もせずに、ここに出てきたんですか? 確認してるんですか? ここで説明するために来られてるんでしょう? 今、訂正しましたからと、そこでおっしゃったじゃないですか。領収書を失くしてるんですよ、3年分。なぜ、領収書がないのに細かい数字まで書けるんですか? 説明してください。
 :それは、確認をとる必要がありますが、訂正にあたっては弁護士が当局の指摘を踏まえて訂正を行っていると、このように認識しております。
 :これ、3年分領収書を失くしましたという届を添付して、領収書がないのに3年分細かい数字が書けるというのは、帳簿があるということなんですよ。(前)総理、確認していただけますか? そして、その帳簿を出してください。いかがでしょうか?
 :あの、「帳簿」というのは何の帳簿でしょうか?
 :こういうのを「裏帳簿」っていうんです。要するに、政治資金以外のお金の出入りを細かく帳簿につけてないと、全部領収書を失くしているわけですから、<略>これは政治資金の流れをフォローしている帳簿とは別の帳簿が安倍事務所には存在するということです。じゃないと、ここに細かい数字を書けないですよ。いかがですか?
 :そんなものはないと認識しております。その上で、どうして訂正できたのかということなんだろうと思いますが、捜査当局の指摘を受けて、「このような額に訂正しろ」という指摘を受けて訂正してるんだろうと。今、急に、ご質問ですから、だいたい私の認識の限りでお答えをしているわけでありますが、その中において訂正しているんだろうと思います。あの、このことについても、事前に言っていただければ十分に準備できたのですが、それは全くなかったので、こういう答弁になっていることを申し上げたいと思います。
 :ここに出てくるのに、私たちはホテルの領収書と明細書について、ここで何時間も議論したんです。なのに、その明細書も知りません、ホテルの領収書も去年の分まで失くしてるという。そして、それも知らない。何しにここに来られたんですか? まったく「透明性の確保」になどなっていないですよ。収支報告書を訂正したのは「違法状態」を解消するためですよね。じゃあ、3年間は収支報告書を記載しておりますけど、あなたは7回やってますよ。残りの4回は「違法状態」のまま放置してるということになるんじゃないですか? いかがですか?
 :………この収支報告書については………えー、(読み上げ)会計帳簿等の保存期間ですね、収支報告書の閲覧期間が3年であることに加えて、後援会において過年度領収書などを保有していないことなどから、弁護士などとも協議の上、現在公開されている平成29年度から令和元年までの3年間について訂正することといたしました。収支報告書の保存、閲覧期間や会計帳簿の保存期間が経過をしていて、すでに関係書類が廃棄されているため、事務所において支出等の正確な把握が困難だったことから、平成29年度以降ということにさせていただいたということであります。それと、先ほどの訂正額等については、具体的には、当日に参加者の皆様からいただいた参加費用の合計額を……(聞いてないです!相変わらず、態度全然変わってないじゃないですか!)……<略>。 
 :最後に、明細書の本委員会への提出と、この3年分、領収書を失くしたという届けをしてますが、ホテルは再発行します。税務調査などで、失くした場合は再発行しますから、再発行して本委員会に出していただくということを最後に約束してください。長々、説明されたんだから。「国民にガラスばりにします、それが私の政治責任です」とおっしゃったわけでしょう。裏付けのある資料を、明細書や領収書を出して、はじめてあなたの発言を裏付けられるわけですから。「私は努力します、だから、辞職はしません」とおっしゃってる。ならば、明細書と領収書を本委員会に再発行してもらって出してください。いかがですか?
 :あの、「領収書」っていうのはホテルの? ……まあ、あの、領収書については、今日はじめて「領収書を出せ」ということですので、この場で……。えー、それは検討させていただくということで、明細書については、先ほど申し上げたように、明細書自体は私の事務所にはない。一方、ホテルにはあるのだろうということですが、ホテルは明細書を公表するということは、「営業上の秘密」に当たるので、それを前提としたものについては渡すことはできないということであります。繰り返し申しますと、私自身が明細書を隠す理由というのは何もないわけでありまして、実際、差額について補填していたということで、実際の事実について訂正をさせていただいたわけで、そうしたことを含めて捜査当局が厳しく捜査をし、すべての書類に、おそらく明細書も含めて、あたった上で、今回は寄付に当たらないと判断しているので、我々には明細書を隠す理由はないということは申し上げておきたいと思います。
 :この期に及んで、虚偽答弁を繰り返したときと同じ答弁をされています。証人喚問しかないですよ、虚偽が言えない……。新たな疑問がいっぱい出ていますよ、この収支報告書を見てると。証人喚問を求めて終わります。

 このタイミングでスガ総理もまた記者会見している。会食の件の謝罪と年末年始のコロナ対策について。アベに耳目が集まっているときにこっそりやってしまおうということか? こんなことばかりやってる「危機管理」!

 アエラには、自民党幹部談ということだが(だれ?)、スガ内閣支持率回復の「現実的方策?」なるものが出ている。
 

安倍前首相「議員辞職論」が自民党内で高まる 解散総選挙で「禊ぎ復活」プランも (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)


……自民党内では動揺が広がっている。
「この週末に世論調査やれば、支持率は20%台に突入するんじゃないか。そんな数字になれば、とても政権運営はできない。下落する支持率を止められるのは、安倍氏菅首相の対応しかない」
 最も現実的な対応としてささやかれるのが安倍氏議員辞職だという。
「安倍さんが深く反省して議員辞職して1度、バッジを外すと言えば、支持率低下に歯止めがかかるのではないか」(自民党幹部)
 さらにこう続ける。
「安倍さんが議員辞職したら、補欠選挙となるが、自民党は反省すると候補を擁立しなければいい。解散総選挙で再度、安倍氏が出れば確実に勝つ。禊ぎはそれで済む。安倍さんの再々登板の待望論ももう一度、盛り上がるはず。安倍さんの議員辞職で支持率低下の歯止めをかけてほしいと考える議員は党内にかなりいますよ」
 支持率は「危険水域」と言われる30%台に突入。安倍氏の疑惑にプラス、吉川元農水相の疑惑、新型コロナウイルスの感染者の増加が加わるが、菅政権は有効な対策が打ち出せない。
菅首相はダメだ。支持率がこれ以上、下がれば、党内では菅おろしがはじまる。そこへ、新型コロナの感染拡大がさらに広がれば、自民党は持たない。『総裁選を前倒しを』『菅首相から次は誰に変えるのか』と党内ではそんな話もあちこちでささやかれる」(同前)


 「自民党は持たない」じゃない!


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